統合政府という考え方が資産税と同等の効力を及ぼすという話。

昨日の日経新聞で面白い記事を見つけたのでご紹介。

(十字路)統合政府という幻想

政府と日銀の貸借対照表を一体化させてしまえば、それは統合政府の貸借対照表となるので、政府の負債である国債と日銀の資産である資産である国債がそれぞれ相殺し合うため、日本の財政には何の問題もないとする、統合政府の考え方があるが、それに対して異を唱えている。

実際、政府が国債を発行しまくり、日銀がそれを買いオペしまくれば、統合政府として見れば、財政規模は膨張するが、負債はいつまでも相殺され続け、財政に何の問題も及ぼさないという考え方はまるで夢のような考え方とも言える。

記事書いてあるトランザクションを会計的な仕訳にブレイクダウンしたものを下記に示すものとする。

 

1.政府側

【政府】
cash 1,000 / 国債 1,000
cash 500 / 国債 1,000
債務超過 △ 500

 

まず政府が国債を1,000発行する。そして一般の銀行から1,000の資金を調達する。

その後、政府は何かしらそのカネを500使う(老人福祉なのか保育園の増設なのか、橋を架けるのか、既存省庁に予算を増額してあげるのか等々)

カネ自体は500使ったので、その分資産は500減る。一方負債の国債1,000は変わらない。

貸借をバランスさせるために、負債勘定に債務超過が△500計上される。

 

2.日銀

【日銀】
国債 400 / 預り金 400

 

一方日銀は、政府が国債を売った市中の銀行から国債を買う。この金額が400とする。

すると日銀の資産勘定に国債400が計上され、反対勘定として、購入した市中銀行の当座預金勘定が預り金(日本銀行券)として負債に計上される。

これが買いオペ。

 

3.統合政府

1.政府と2.日銀の貸借対照表を合算させます。すると仕訳は以下の通りに。

【統合政府】
cash 500 / 国債 600
預り金 400
債務超過 △ 500

 

確かに政府の負債であった国債400と日銀の資産であった国債400は相殺し合う。

そのため、ネットで考えると上記の仕訳のようになる。

リフレ派の言う、国債をどんどん発行して、それを買いオペするという事が何を意味するかと言うと、ここで言う負債勘定の「預り金(日本銀行券)」残高を増やしていき、財政を拡大させよ、という事なのである。

預り金、すなわち市中銀行のカネ、つまりは国民の預貯金残高である。

統合政府にしさえすれば、財政が健全化できるという意味は、だから、つまり以下の仕訳のような意味合いである。

【日銀】
国債 600 / 預り金 600

 

極端な例だが、政府が発行した国債の残り600全てを更に日銀が買いオペしたとする。

すると統合政府のバランスシートは下記の通りとなる。

【統合政府】
cash 500 / 預り金 1,000
債務超過 △ 500

 

極端まで煎じ詰めればこのような仕訳に収斂する。

政府は国民のカネを借りて国営事業をやっているのである。

だから財政破綻はしない。いざとなれば、国民の預貯金を全てご破算にすれば済む話だからだ。

国債とは言ってみれば、税金の前借。

その返済をプライマリーバランスの黒字化で賄えない場合どうなるか。増税である。

最悪の場合、資産税という形で、国民の現預金を召し上げれば、既存の借金をオールクリアできるというわけなのである。

つまりリフレ派の言う財政拡大政策は言い換えれば、緩やかな資産増税という事も言えると考えている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です