【大戸屋ホールディングス】2017.3月期決算

大戸屋には結構よく行きます。

好きなメニューは「鶏と野菜の黒酢あん定食」あるいは「真鱈と野菜の黒酢あん定食」

黒酢の酸味がいいアクセントになっていて、黒酢あんが片栗粉をまぶして素揚げした鶏肉や真鱈によく絡んで食欲を刺激します。野菜もたくさん摂れるし、五穀ごはんの大盛りも選択できるので、健康オタクも私には結構フレンドリーな定食屋さん。

1,000円前後であの味と健康志向を充足させられるならなかなかのお値打ちと言えるでしょう。

女性ひとりでも気軽に来店できるように色々工夫も凝らされていて、オフィス街の大戸屋店舗なんていつも大変な混雑具合です。

その大戸屋の決算。単位は百万円。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 比率
2017.3 25,614 709 2.8%
2016.3 26,012 600 2.3%
2018.3(予) 27,000 860 3.2%

 

対前期比で、△398百万円の減収。一方営業利益は+109百万円の増益。

しかし、利益率が悪いですね。営業利益率が3%いっていません。

これはなかなか厳しい利益率。

円安の影響とかもあるのでしょうか。1,000円前後で、あのクオリティの定食を提供し続けるのはきついのかもしれません。

原価率が悪いという事は株主としては由々しき事態ですが、消費者としては、フレンドリーです。

消費者と株主というステイクホルダーの利害が不一致、というか真逆というのが苦しいところですね。

しかし定食屋としては、やはり株主よりも、消費者の方を向いて仕事しなければいけないのでしょうねえ。

財務数値 前期 比率 当期 比率
売上高 26,012 25,614
売上原価 11,617 44.7% 11,293 44.1%
販管費 13,794 53.0% 13,611 53.1%

 

そう思って原価率を見てみると、意外とそんなに高くない。

44.1%、原価ですから、原材料費や労務費なんだと思うのですが、もしかすると店舗の店長とか、アルバイトの人件費は販管費計上なのかもしれません。

私の感覚からすると、店舗アルバイトの人件費って原価なのですが、飲食店のアルバイト人件費って原価と販管費とどっちに計上するのがポピュラーなのでしょうか。

ただ店舗人件費が販管費にオンされているなら、この高い販管費率53.1%も頷ける。

いずれにせよかつかつの財政事情という事に変わりはありません。

この人件費を今後どうしていくかですね。

昨今、飲食店や小売店のアルバイトの成り手がいなさすぎるという報道が毎日のように聞かれます。

若年労働者が減少しているのもあるのでしょうが、割とどの業界も人手不足で、低賃金で、過酷な労働を強いられる飲食や小売にわざわざ好き好んでバイトしにくる若者が減っているのでしょう。

というわけで、バイトの成り手がいないという事は労働力の供給不足となり、経済学の教科書通りならば、人件費を上げないと雇用を確保できず、その上げた分の人件費はそのまま売価に還元され、インフレとなります。

近い将来、大戸屋も定食値上げに踏み切らざるを得ないでしょう。こっそりいつの間にか上げるかもしれません。

飲食店の経営はどこも厳しそう。私だったら飲食店経営は絶対選ばないですね。

 

セグメント情報

セグメント売上 前期 当期 増減
国内直営 14,435 14,360 △ 75
国内フランチャイズ 8,038 7,994 △ 44
海外直営 2,946 2,793 △ 153
海外フランチャイズ 253 175 △ 78
その他 338 291 △ 47

しかし売上の構成比を見るとまだまだ国内直営事業のボリュームが大きい。構成比56%
4セグメントいずれにおいても減収。

国内の構成比が87%で、海外が13%

海外展開なんてそう簡単なものではないのでしょうが、日本の和食というのが海外でウケが良さそうですから、もっと海外構成比を上げたいところですね。

海外グローバル展開はいい事ずくめでしょう。軌道に乗りさえすれば、

売上ボリューム拡大、利益率向上、為替のリスクヘッジ等々、やらない手はないわけです。

デフレの日本でモノを売るよりも、海外で売った方がある意味楽な時代です。

定食が2,000円とかで売れるんじゃないですかね。およそ国内の倍。

そのためにも、海外店舗を差配できるような、優秀なグローバルマネージャー人材が必要なんですが、まあそう簡単にそんな有能な人材は見つからないでしょう。地道に海外に地歩を築いていくしかないのですかね。

※店舗数(2017.3月末現在)

国内直営(145店舗)・国内FC(202店舗)・海外直営(13店舗)・海外FC(80店舗)・計440店舗

セグメント利益 前期 当期 増減
国内直営 254 276 22
国内フランチャイズ 1,060 1,050 △ 10
海外直営 △ 219 △ 40 179
海外フランチャイズ 48 60 12
その他 36 17 △ 19

 

見ればわかる通り、利益率は国内フランチャイズが一番いいようです。

利益率は13.1%

直営は1.9%、海外直営に関してはマイナス。海外フランチャイズは34.2%とべらぼうに高い。

直営店が利益率は出せない構造。今後は国内海外共に、フランチャイズをいかに増やしていって、利益率を上げていくのが経営課題となりましょう。

しかし気になる事が1点。

このセグメント利益の合計と損益計算書の営業利益が一致していません。

当期の営業利益はPLでは、709百万円となっていますが、セグメント利益の合計は、1,363百万円となっています。

その差、実に、654百万円。誤差で済ませられる金額ではありません。

この整合性のなさは一体。大戸屋の財務セクションの能力に疑義を差し挟まざるを得ません。

 

キャッシュフロー&各指標

CF 営業活動 投資活動 財務活動
2017.3 634 △ 568 △ 1,856
2016.3 2,373 △ 696 113

 

営業CFを精査していたら、前期の損益計算書の特別利益に「受取保険金」で10億円が計上されているのを見つけました。

これは何かなと調べてみたら、創業者三森久実氏の死亡保険金ですね。

偉大な創業経営者という事で、死亡保険に入っていたのですね。57歳の若すぎる死でした。

特別利益なので、営業CFには関係ないのですが、その10億円の存在のおかげで、前期の純利益はかなりポジティヴでした。

この10億円と関係あるかどうかは不明ですが、当期の財務CFは△1,856百万円。

死亡保険金を借金返済に充てたのでしょうか。

営業CFが悪くなっているのも、もしかするとその特需的な資金で営業債務を早く弁済しすぎたのかもしれません。

 

各指標
PER 54.32倍
EPS 37.50
PBR 3.14倍
BPS 649.14
利回り 1.23%

 

PERが54.32倍。かなり割高。同様にPBRも3.14倍。割高。

利回りは1.23%で普通。

しかしPER54.32倍とは、何がそんなに期待値大きいのでしょうかね。

海外事業もそんなにすぐにはスケールしないと思うのですが。

割と昨今の株主優待ブームとかで、大戸屋食事券などの即物的志向が強まって実力以上に買われているのかななんて思ったりします。

あと定食のファンが買っているのかも。

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