【働き方改革】ホワイトカラーが人手不足になる事はおそらくないだろうと思う

総務省の労働力調査年報(2016)によると、全就業人口のうち、60時間以上残業している割合が11.9%にものぼると言う。

中でも、以下の業態は比較的に残業時間が大きくなっているという。

・運輸/郵便 24.0%

・建設業   15.3%

・宿泊業/飲食サーヴィス   15.1%

・生活関連サーヴィス/娯楽業 15.0%

・教育/学習支援業      14.7%

こうして見るとわかるように、残業が多い、つまり人手不足、需要に対して、供給が追い付いていない業態というのは、昨今の報道の通り、労働集約型の肉体労働(ブルーワーカー)である事がわかる。

対して事務労働、オフィスワーカー、頭脳労働系の職種、いわゆるホワイトカラーについては、むしろ供給過剰。

これは実感であるが、むしろ企業としては、ホワイトカラー労働者を持て余していさえするのではないかと感じている。

なぜか。

 

人気のホワイトカラー・不人気のブルーカラー

ブルーワーカー系の職種が人手不足になる理由は簡単で、「重労働なのに賃金が安い」からである。

サイゼリアや大戸屋に行った事がある人ならわかるでしょうが、昼時の飲食店というのは正に戦場です。

ホールスタッフは注文を矢継早にとって、テーブルを片付けながら、再びオーダーをとって、キッチンに帰りがけに、レジに入ったり、掃除などもしており、超人的なバイトになるとその合間にキッチンに入ったりなどしている。

これは本当に、超人的な働きだと思う。なのに彼らの時給はせいぜいが1,000円前後。

私は基本的にはサボっている営業マンだったが、サボっているだけなのに彼らよりもいい給料を貰っていて、結構居心地が悪かった。

というか、彼らがあれっぽっちしか給料を貰っていないというのが異常なのである。

私の勤めていた会社など、年功序列で、大したパフォーマンスも上げていない高齢社員がとんでもない高給を貰っているのを目の当たりにしていたので、これはおかしい事だと常日頃から感じていた。

方や貰ってなさすぎなブルーカラーがいる一方で、貰いすぎなホワイトカラーもいる。

そりゃみんなホワイトカラーになりたがるでしょ、って話。

ブルーカラーが人手不足になって、ホワイトカラーが供給過剰になるのなんて、当然です。

しかし、一旦ホワイトカラーという既得権を手に入れた人間は簡単にはその座を引き渡しませんから、不平等は固定化されるわけです。

経済原則から言えば、普通、人手不足になっているブルーカラー職種は賃金が高くなって、供給過剰のホワイトカラーは賃金が低くなろうもんですが、デフレでなかなかそれも上手く進まない。

相対的に安い飲食店はデフレの恩恵を享受する一方で、人手不足による賃金上昇という過渡期にいるわけです。

 

自動化・機械化と相性のいいホワイトカラー

だから私はゆくゆくはホワイトカラーの賃金は低くなり、ブルーカラーの方が賃金が高くなると考えています。

政治が変に横やりを入れなければ、経済原則としてそうならなければ嘘だからです。

年功序列でただ長生きしただけで高級を得ているホワイトカラーよりも、とんでもない仕事量をこなしているブルーカラーの若者の方が給料が高くなるのが、経済的にも倫理的にも正しいあり方。

何より、ホワイトカラーというのは昨今流行りの人工知能と置換相性がいい。

例えば、弁護士。

裁判官と弁護士と検察官が法廷で議論をするわけですが、これは何を元に議論しているかと言えば大きく分けてしまえば以下の3つ。

「既存の法律」「過去の判例」「いわゆる社会常識」

社会常識というのはあまねく相対的なもので、裁判官や弁護士や検察官のキャラクターに左右されてしまうものなので、議論の対象外になってしまう。

なので、いわゆる優秀な弁護士というのは、「既存法律」と「過去の判例」の知識が豊富でその運用が上手い弁護士という事になります。

しかしこういう演算処理や膨大なデータ処理というのは、誰よりも何よりも、コンピューター、人工知能が一番強い分野でしょう。

裁判など大仰に開く必要などもなく、事件の内容や法律、過去の判例、そして膨大な犯罪データなどをコンピューターにインプットしてやれば、誰よりも間違いのないアウトプット、つまり判決をたたき出してくれるのが人工知能です。

だから、今まで、高度な頭脳労働だと思われていた職種ほど、自動化・機械化に取って代わられる可能性が高いという事です。

飲食店のおよそ有機的な、レジに入って、オーダーを取って、テーブルを片付けて、調理が遅れていたらキッチンに入って、などという、有機的な肉体労働、ブルーカラー系の職種も、自動化機械化はできない事はないんでしょうが、頭脳労働と比較するととてつもなく難しくなるんですね。

だからその投資効果を考えると、私はホワイトカラー系職種は簡単に機械に取って代わられますが、ブルーカラー系職種はなかなか取って代わられない、というか、人間のする仕事ってこれからはブルーカラー系の仕事オンリーになるのではないかとすら考えているのです。

一部の超優秀なホワイトカラーが人工知能や機械の管理などをするホワイトカラーとして残存しつつ、ほとんどの労働人口はブルーカラー系に移動していくでしょう。そう遠くない将来。

つまり今、騒がれている人手不足というのは文明の成長痛。過渡期という事を言いたいのです。

 

今後どうキャリアを構築すればいいか。

上記してきたように、今後は頭脳労働が機械に取って代わられます。

ホワイトカラー系の事務職は一部の超優秀な人間が行う事となり、あとは趣味でやる人がぽつぽついるとかそんな時代になります。

それまで頭脳労働に従事していた人間はどうなるか。

みんな肉体労働に精を出す世界になるのです。

朝早くに起きて、畑を耕したり、ブロック塀を積み上げたり、配達をしたり、飲食店で調理をしたり、という人間の比重が徐々に大きくなっていくでしょう。

人手が余るので、労働時間も少なくなります。

生産に人件費がかからないので、物価は安くなります。

肉体労働で得た少ない賃金でも十分生計は成り立つようになるでしょう。

そういう意味で、機械化自動化で頭脳労働が人間の手から離れると、私は「Neo資本主義」の時代が来るのではないかと思います。

「Neo資本主義」は既存の資本主義と社会主義のハイブリッドです。

「Neo資本主義」の世界では、国や通貨などの縦割り構造がどんどん平らにならされていくのではないかと思います。

これは宗教すらも併呑して、有史以来の人類の価値観を塗り替える可能性すら内包するのではないかと考えています。

生きているうちにそんな地殻変動に立ち会えるのかどうかはわかりませんが、頭を常に柔らかくして、どんな変化の波においてもサヴァイヴできる胆力を養っておかねばなりません。

間違っても、年功序列・終身雇用にフリーライドして恙なく人生を終えるなどと甘い幻想は抱かない事です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です