【NEW ART】2017.3決算

NEW ARTという会社を最近初めて知りました。上場してます。

時価総額は現時点で90億円弱。

事業内容は会社ホームページより引用。以下の通り。

当社では、ブライダルジュエリーを主力販売事業として「銀座ダイヤモンドシライシ」、「エクセルコダイヤモンド」の2ブランドで展開しております。現在、国内において、ご結婚される方がご購入される婚約記念品の91.9%は、エンゲージリング(婚約指輪)と言われております。また、そのうちの89.5%はダイヤモンドが選ばれていると言われております。当社は、エンゲージリング(婚約指輪)やマリッジリング(結婚指輪)などのブライダルジュエリーに集中特化した戦略により、効率的に営業展開を行っております。

ブライダルジュエリーに特化している会社なんですね。

今後ますます深刻化する少子化や晩婚化は明らかに逆風になる業界だと思います。

以下数字はすべて百万円単位。

 

経営成績及びキャッシュフロー

経営成績 売上 営業利益 比率
2017.3 13,556 1,605 11.8%
2016.3 12,752 1,777 13.9%
2018.3(予) 14,500 1,300 9.0%

 

toC事業にしては結構売上高が高い。100億円を超えている。さすがに上場企業ですね。

また、営業利益率も10%を超えている。toC企業にしては珍しいと思います。

対前期比で+804百万円の増収。

しかし対前期比で△172百万円の減益。

増収したのになぜ、減益したか。

財務数値 前期 比率 当期 比率
売上高 12,752 13,556
売上原価 5,387 42.2% 5,245 38.7%
販管費 5,587 43.8% 6,704 49.5%

 

前期の原価率が42.2%、当期の原価率、38.7%

原価率もtoC企業にしては低いですね。そして当期は売上が上がったのにむしろ原価は低減しているという状況。

仕入先と有利な交渉でも進めたのでしょうか。あるいは為替の影響?(どちらかと言えば円安だった期だと思うのですが)

対前期比で増収し、原価は低減している。それにも関わらず、減益しているのはつまり、販売費及び一般管理費に原因があります。

販管費は対前期比で1,117百万円増加。

これは広告宣伝費+654百万円。そして意外に増加しているのが貸倒引当金繰入額。

177百万円の増加。金銭債権はむしろ前期より減少しているのに、貸倒引当金は増えている。

なんぞ不安定な取引先でも顕在化したのでしょうかね。決算短信からだけではそこは分かりません。

続いてキャッシュフロー。

CF 営業活動 投資活動 財務活動
2017.3 △ 943 △ 842 1,749
2016.3 1,761 △ 411 373

 

なんと、減益とは言え、営業利益は確保しているのに、営業CFが△943百万円になってしまっています。

なぜだろうと思い、キャッシュフロー計算書を見てみると、なんとこの会社、珍しい事に、直接法を採用しています。

私上場企業で営業CFを直接法で計算しているのを初めて見ました。

このCF計算書によると、営業CF△943百万円の要因は次の通り。

・営業収入 +1,291百万円

・仕入   △2,310百万円

・人件費  △171百万円

・法人税等 △434百万円

でかいのが仕入の2,310百万円。

貸借対照表を見ても、「商品および製品」勘定が2,445百万円⇒5,231百万円に大きく増加しているので、これはまあBSとも整合します。

しかし上記したように、当期は前期と比べて原価率がかなり大きく改善しています。減益の原因は損益計算書を見れば、販管費の増大である事は疑いありません。

にも関わらず、営業CFでは、仕入の増大がキャッシュのマイナス要因となっているという説明です。

なんだか矛盾している気がします。

PLでは、売上原価は減少しているのに、BSとCFからは増加しているようにしか見えません。

どうしてこんな結果になってしまうのか。

私の不勉強もあるのでしょうが、新しい財務諸表論では、こんな事が起こりうるのでしょうか???

 

セグメント情報及び各指標

セグメントはシンプルに2つのみ。

セグメント売上 前期 当期 増減
ジュエリー・アート 9,707 10,194 487
エステ 3,044 3,361 317

 

ジュエリー・アート事業が対前期比+487百万円。

エステ事業は+317百万円。このデフレのご時世にどちらも増収とはご立派。

一方利益は、

セグメント利益 前期 当期 増減
ジュエリー・アート 1,509 1,560 51
エステ 301 86 △ 215

 

ジュエリー・アート事業では辛うじて増益。しかし、エステ事業では、△215百万円の減益。

上記した販管費の広告宣伝費は主には、ジュエリー・アート事業にかかるものです。

ですから、ジュエリー・アート事業のセグメント利益が微減なのは理解できますが、エステ事業はなぜ赤字なのでしょうか。

飽くまで想像の域を出ないのですが、昨今の人手不足が関係しているのではないかと思います。

エステのようなtoCの客商売。重労働ですし、精神的ストレスもためやすい職種なのでは。

それで定着率が悪く、腕のいいエステティシャンを雇用するために、人件費が重くのしかかるというのは想像に難くありませんね。

また、既存エステ店舗の減損などもしかするとある?

いずれにせよ、エステ店舗経営はなかなか舵取り難しそうな印象があります。

各指標
PER 11.25倍
EPS 2.40
PBR 1.29倍
BPS 21.00
配当利回り 1.11%

 

PERが11.25倍。これをどう見るか。

私は直観的には高いと感じました。20円台の株価で11.25倍とは。

経営者がまだ若くて、そういう意味での期待値はあるかな、とは思うのですが。

また配当も今の財務状況では1.11%くらいでしょうかね。

なかなか厳しい数字かなあ。

冒頭にも記載しましたが、これから少子化、晩婚化時代が到来しますし、デフレもまだまだ続く中、ブライダルジュエリー業界が来し方明るいとはとても思えないんですよねえ。

若い社長さんが何か面白い発想で起死回生を計れるのでしょうか。しばらく静観してみる。

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