【JTB】2017.3決算

私知らなかったのですが、JTBって上場していないのですね。

売上高が1兆円を超えてしかも、こんな超有名なビッグカンパニーが上場していないなんて。

確かに株式発行による資金調達が必要ないならば、上場したりそれを維持したりするコストを勘案すれば、上場はしない方がいいという考え方もあるのでしょう。

しかしこれだけの大きな会社ですから、毎年度末マスコミに決算を発表しているので、そのリリースを確認しました。

単位は百万円。

 

経営成績及びキャッシュフロー

経営成績 売上 営業利益 比率
2017.3 1,296,538 10,175 0.8%
2016.3 1,343,714 16,147 1.2%
2018.3(予) 1,380,000 9,000 0.7%

 

売上高は対前期比で、△47,176百万円の減収。

それにつられ、営業利益も△5,972百万円の減収。

2018.3月期の計画は増収予定ですが、営業利益は大幅な減益予想。

想像に難くはなかったですが、かなり営業利益率は低い。

原価率が高いからやむを得ないのかもしれません。

 

財務数値 前期 比率 当期 比率
売上高 1,343,714 1,296,538
売上原価 1,062,809 79.1% 1,025,787 79.1%
販管費 264,758 19.7% 260,576 20.1%

 

しかしここで驚いたのが、原価率。

なんと前期と当期で原価率が全く同じ。79.1%

すごい財政管理能力の高さだと瞠目しました。

旅行代理店の原価って航空機のチケットとか、ホテル代金なんでしょうか。

後はプランナーの人件費?

とにかく、すごく変動性が高い原価だと思っていたのですが、かほどに統制が利いているとは。

さすがにJTB恐れ入りました。

販管費の変動率も0.4ポイントしかない。メーカーに見習ってほしいくらいですね。

 

CF 営業活動 投資活動 財務活動
2017.3 11,680 △ 1,398 △ 1,684
2016.3 31,137 29,254 △ 485

 

営業CFは△19,457百万円。

大きな要因としては、税引き前利益の減少と、退職給付にかかる負債の増減額が△13,019百万円。

退職給付を支払ったようです。リストラでしょうか。

投資CFも△30,652百万円の減少。

大きいのは前期において、投資有価証券の売却による収入が、39,786百万円ありましたが、当期はこれが855百万円。なんか大きい株かなんか売ったのでしょうか。

 

セグメント情報

セグメント売上 前期 当期 増減
国内個人 716,409 664,173 △ 52,236
国内法人 418,481 419,568 1,087
グローバル 138,185 138,287 102
シナジー 52,819 52,515 △ 304
プラットフォーム 7,281 6,684 △ 597

 

セグメント別に売上を見てみるとボリュームが大きいのはやはりリテール営業。

ただ落ち込みも一番大きいのが個人で△52,236百万円。

これは想像に難くない。ヨーロッパを中心にテロが頻発したり、円安になったり、インターネットの予約サイトで自分で予約したり、とリテール営業にはほとんど不利な影響しかなかったでしょう。

まず日本国内がデフレですからね。ここはまだまだ減少余地があるのではないでしょうか。

一方リテールの落ち込みをカヴァーするには至っていないですが、成長しているのが国内法人事業。

というか、むしろJTBはここに軸足を移行し始めているような気もしますね。

経済のグローバル化が進み、国内企業が会議やイヴェントのために、世界各国に海外出張しなくてはいけなくなってきました。

これを企業の総務とかが差配するのはとてつもなく大変なので、全部旅行代理店にお任せというわけです。

JTBというとリテール営業というイメージがありましたが、そんな不安定な事業だけに依存しているわけではないという事ですね。

さすがに学生人気の高い業種だけはあります。優秀な人材がいっぱいいるのでしょう。

 

セグメント利益 前期 当期 増減
国内個人 6,602 4,668 △ 1,934
国内法人 13,366 13,794 428
グローバル 1,529 △ 14 △ 1,543
シナジー 2,092 1,498 △ 594
プラットフォーム 1,629 1,477 △ 152

 

売上の減収に伴い、軒並み、セグメント利益は減益していますが、やはり国内法人部門だけはひとり気を吐いていますね。

経営的には、リテール営業の売上減少は止めようがないので、そこにリソースを割くのをやめ、利益率の高い国内法人の売上を増大させていく方が合理的でしょう。

国内法人セグメントの利益率だけ見れば、3.2%と決して高くはないですが、他のセグメントと比べるとどう見ても稼ぎ頭。

私がウォッチしている定性的な反応でも、JTBの国内法人営業はかなり評判が良いです。

 

学生人気の高い旅行代理店

てるみくらぶの1件があり、私は旅行代理店は斜陽産業だとずっと言い続けていましたが、JTBなどの決算内容を見ると、なかなかそうとも言い切れないのでは、と思うようになりました。

しかし学生がリテールから、国内法人にリソースを移行して、旅行代理店も選択と集中の時代に入った事を知っているかどうかは怪しいのですが。

学生が旅行代理店に入社したいと思っているのは広告代理店と同様に、やはり期待値先行のような気がして仕方がありません。

なんなら、仕事としてカネをもらいながら、旅行に行けるとか。

そんな甘いもんじゃないんですけど。

このインターネット勃興期にマージン商売というのはかくも厳しきものなのです。

良いモノでさえ売れない時代に、手数料払ってまで旅行にカネを使わせるのは本当にとんでもない頭脳労働だと思えます。特別なセンスが必要とされます。

ゼミでしこたま勉強したから、とかそんな浅薄な努力をテコに、はなやかなりし旅行代理店業界を志望しているという浅はかな学生は今すぐ路線変更すべきと思います。

あるいは、どうしてもそんな旅行代理店業界にあこがれるならば、東大とか京大とかに頑張って入りなおして、高学歴の武器くらいは身に着けた方が良いでしょう。

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