青山財産ネットワークス決算
青山財産ネットワークス。あまり有名ではない会社ですが、あのM&A最大手の一緒に仕事したりしている実は知られざる優良企業です。
当社を紹介します。単位は全て百万円。
財務数値 | |||
売上 | 営業利益 | 営業利益率 | |
2016.12 | 14,420 | 751 | 5.208% |
2015.12 | 14,275 | 485 | 3.398% |
2017.12(予) | 14,800 | 820 | 5.541% |
キャッシュフロー | |||
営業活動 | 投資活動 | 財務活動 | |
2016.12 | 1,177 | △ 1,061 | 1,116 |
2015.12 | 801 | △ 162 | 370 |
EBITDA | |||
2016.12 | 821,320 | ||
2015.12 | 523,187 | ||
増加額 | 298,133 | ||
各指標 | |||
PER | 14.08倍 | ||
EPS | 57.1 | ||
PBR | 2.87倍 | ||
BPS | 279.7 | ||
配当利回り | 3.48% |
財務数値
対前期比で145百万円の増収。
その増収を受けて、266百万円の増益です。
翌期の計画数値は売上14,800百万円。営業利益820百万円。
対当期で380百万円の増収。69百万円の増益を狙います。
少し保守的な目標ですが、これくらい堅実な方が投資家的には安全という見方もある。
セグメント情報 | |||
前期 | 当期 | 増減 | |
財産コンサルティング | 2,366 | 3,123 | 757 |
不動産取引 | 10,537 | 10,147 | △ 390 |
サブリース | 1,245 | 1,101 | △ 144 |
その他 | 127 | 47 | △ 80 |
合計 | 14,275 | 14,420 | 145 |
保守的になるのも当然で、セグメント別で売上をブレイクダウンしてみれば、財産コンサルティング業務以外は売上が微減しているのです。
しかし財産コンサルティング事業は成長しています。
昨年2016年8月4日に当社はあの天下の日本M&Aセンターと合弁で事業承継、財産活用の総合コンサルタント会社を立ち上げました。
それが「株式会社事業承継ナビゲーター」
これは昨今社会問題になりつつある、中小企業の事業承継ニーズへの本格的な参画を意味しています。
都市部でもそうですが、地方では、後継者や人手不足による黒字倒産などが増えてきています。
事業としてきちんと軌道に乗っているにも関わらず経営者の高齢化や跡継ぎがいないという理由だけで、会社をたたまなくてはいけない事態になる。
これはある意味倒産より悲劇と言えるでしょう。
当社と日本M&Aセンターはそんな現況を憂慮して、そんな中小企業を救うニーズに切り込んだという事です。
例えば、地方の跡継ぎがいない中小零細企業を別の会社に紹介して、M&Aのスキームを作ったりしているのでしょうね。
M&Aのスキームを組成するだけなら、もちろん日本M&Aセンターだけで十分です。もはや日本M&Aセンターは日本のM&Aの一大権威ですから。
それならなぜ、日本M&Aセンターはわざわざ青山財産ネットワークスと合弁事業など立ち上げるのか。
私はおそらく、青山財産ネットワークスの抱えているリテールや法人顧客に日本M&Aセンターがアプローチしたかったのではないかと推察しています。
こういうエージェント業。つまりM&Aの代理業などは双方向契約するわけですが、把握している案件が多ければ多い程マッチングでき、スケールさせる事ができるのです。
つまり日本M&Aセンターは中小企業の情報があればあるだけいい。
青山財産ネットワークスとしても、財産運用で事業承継を提案するならば、業界の雄日本M&Aセンターとシナジーできると喧伝した方が都合がいいわけです。
だから、今後、この社会問題化した事業承継分野において、青山財産ネットワークスという会社はまだまだスケールする余地があると私は考えているわけです。
各指標について
そんな風に不動産業とサーヴィス業という性格を持つ当社ですが、PERが14.08倍。
これはかなり割安という事ができますね。
不動産業のPER業界平均は17.6倍。サーヴィス業に関して言えば、25.3倍ですから。
事業承継事業がローンチしたばかりの今が買いと言えると思います。
また、現在の株価が804円。それで配当が1株当たり28円と謳われていますので、配当利回りは3.5%、これはかなり高水準です。
銀行預金で預けていても利回り0.01%以下なので、銀行なんか置いておくくらいならば、こういう利回りの高い新興企業株を買っておくのは割と上手い資産運用ではないかと推察します。