セブンイレブンの決算短信

セブンイレブンは2月決算。決算短信を見ました。

セブンイレブン
単位:百万円 売上 営業利益 営業利益率
2017.2 5,835,689 364,573 6.247%
2016.2 6,045,704 352,320 5.828%
2018.2(予) 6,100,000 386,500 6.336%

対前期比で210,015百万円の減収。しかし営業利益はむしろ12,253百万円の増益となっています。

営業利益率も前期が5.8%だったのに比べ、6.2%まで改善されています。

これは既存の好調コンビニ事業に加え、スーパー事業に原因がありそうです。

というのが、スーパー事業のセグメント利益が20,228百万円で、対前期比417.3%増となんと4倍の利益をたたき出しているのです。

鈴木御大が経営の一線から退いたので、今までやりたくてもできなかった、スーパー事業の徹底的なコスト見直しを行ったのでしょう。かなり数字への寄与度は高いので、政権交代は正解だったと評価できる数字です。

 

深刻な人手不足が経営課題。新規出店に二の足。

2017.3月末時点のコンビニ店舗数は56,160店あるそうで、セブン、ファミマ、ローソンでその全体の9割を占めるのだそうです。

セブンは20,000店舗弱を運営している。

セブンは2017年度は新規1,600店。閉店900店で、700店を純増させる計画だそうです。

700店純増と言うと結構数多いと思うかもしれませんが、直近ピークだった2013年度には約3,000店舗純増させていたので、その減少は顕著です。

ちなみにファミマは400店強の純減。サークルkサンクスとの再編があるから一時的に減るのはまあ順当でしょう。

ローソンは500店純増という事です。

出店数はコンビニの生命線ですから、減らしたと見るや、ライヴァルのコンビニにシェアを奪われてしまいます。

だから無理してでも店舗数を増やす努力をしなければいけないのですが、なかなか苦しくなってきた。

そもそも人口減少時代に入り顧客のパイが減る傾向にあるのに加え、深刻なのが人手不足。

コンビニバイトのなり手がいない。ある程度は質を担保しなければいかないので直営店でもフランチャイズ店でもただ雇うだけではダメで、教育コストなども考え合わせると、かなり経営を圧迫します。

この供給力が減少する時代に新規出店するのはかなりもろ刃の刃と言う事ができるでしょう。

 

セグメント収益および利益

セブンイレブンのセグメント別収益と利益です。単位は10億円。

セグメント 売上 シェア 利益 シェア
コンビニ 2,549 43.7% 313 86.0%
スーパー 2,016 34.6% 22 6.0%
百貨店 849 14.6% 3 0.8%
フードサーヴィス 81 1.4% 1 0.3%
金融 164 2.8% 50 13.7%
通販 136 2.3% △ 15 △4.1%
その他 40 0.7% △ 10 △2.7%

 

コンビニの売上シェアは43.7%と、半分にも満たないのですが、利益はとんでもないことになっている。

なんとセブンイレブンの生み出す利益の86.0%はコンビニが生み出しているのです。

そりゃセブンイレブンの主力事業はコンビニですから利益貢献度が高い事は想像に難くなかったですが、まさかここまで依存度が大きいとは驚くでした。

今はコンビニ好調だからいいのですが、ゆくゆくはどうなるか。人手不足で新規出店を差し控え、国内市場もシュリンクしていく中、セブンイレブンはどう立ち振る舞えばいいのか。

多角化で始めた百貨店事業はかなりお寒い状況になってしまったし、コンビニが好調なうちに、次世代を担いうる事業を仕込んでおかないと決して先行きに楽観ばかりはしていられないのです。

 

キャッシュフロー計算書

お次はキャッシュフロー。単位は10億円。

CF 2016.2 2017.2 増減
営業活動 488 512 24
投資活動 △ 335 △ 371 △ 36
財務活動 △ 2 △ 78 △ 76

 

減益だったのに営業CFはむしろ24billionの増加。これは何故か。

営業CF計算書の抜粋↓単位は百万円。

営業CF 2016.2 2017.2 増減
純利益 303,775 217,569 △ 86,206
減損損失 28,800 59,719 30,919
のれん償却 23,110 55,458 32,348
売上債権 △ 13,765 6,525 20,290
預かり金 7,433 31,094 23,661

 

特筆すべき増加額は「減損損失」の30,919百万円と「のれん償却」の32,348百万円ですかね。

2017.2月期の減損損失59,719百万円。前期の倍以上に膨れ上がっています。

これをどう見るか。私は鈴木敏文時代の膿だしのニュアンスって結構あるんじゃないかと思います。

将来CFを見積もる場合ってある程度経営的に緩く見積もれたりする。

それが証拠に将来CFをシヴィアに見積もっているんです。割引率を1.6%~6.0%(前連結会計年度は3.0%~6.0%)

鈴木政権時代の出店計画を言外に否定している見積もりなのではないでしょうかね。だとしたら金額的になかなかあからさまだなあとは思います。

また、のれん償却55,458百万円の内訳は「そごう・西武」にかかるものが、33,401百万円。バーニーズJapanが5,878百万円。

これはもう明確に鈴木政権の否定ですね。

小売の神様のように崇め奉られている鈴木御大ですが、実質残した負の遺産も大きい。

新生セブンイレブンがどうサヴァイヴしていくのか。かなりシヴィアな闘いが予想されますね。

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