本田技研工業決算報告書リリース

本田技研工業決算(単位:十億円)

売上高 営業利益
2017.3

(当期)

13,999

840

2016.3

(前期)

14,601

503

2018.3

(見込)

14,200

705

 

当期の決算については、惜しくも売上が14兆円に届かずというところでした。

しかし特筆すべきは、対前期比で見て、売上高が6,000億円以上減少で4.1%の減収。

にも関わらず、営業利益は、3,370億円増加で、67.0%の大増益です。

なぜこんな数値になっているのか。決算報告書を見ると、

減収は為替の影響が大きいとの事。

売上原価については、さすがは天下のホンダ。
どの期に電卓をたたいてみても、原価率は77.5%前後で一定です。
凄い原価管理です。

一方増益については、コストダウンが奏功したという事で、

・販管費の品質関連費用等が減少した事や、
・年金会計処理変更の影響や、
・売上の変動や構成差に伴う利益増と記載があります。

 

主要因はタカタ製エアバック関連費用の減少か。

タカタ製のエアバックインフレーターによる損失が前期は大きかったのが、当期の決算で大増益した理由なのではないかと推測できます。

ホンダは現在、アメリカやカナダなどでエアバックインフレーターにつき、複数の集団訴訟や民事訴訟を提起されている状態だそうで、その損害賠償請求リスクなどに襲われています。

それが発生したのが、2014年10月以降だったので、徐々にその損害賠償金額などの見積もりが精緻化されていくに従い、その損害賠償請求に係る引当金の繰入を前期(2016.3月期)にガツンと計上したのでしょう。

直近の売上と販管費の推移です。(単位は10億円)

  2015.3 2016.3 2017.3
売上高

13,328

14,601

13,999

販管費

1,720

2,108

1,601

販管費率

(%)

12.9

14.4

11.4

 

2016.3月期に販管費率がかなり上がっています。

この期において、エアバックインフレーター関連の損害補償損失引当金をいっぱい繰入たのではないでしょうか。

なぜならキャッシュフロー計算書(単位:10億円)が以下の通りでもあるからです。

  営業活動 投資活動 財務活動
2017.3

885,073

△650,618

115,423

2016.3

1,390,995

△875,077

△95,299

△505,922

   

 

2017.3月期は対前期で、67%も増益していたにも関わらず、営業キャッシュフローだけ見ると、対前期で、△5,000億円もネガティヴになっているんですね。

これは、前期に積んだ引当金が、損害補償というキャッシュアウトを以て、取り崩された事を意味するのではないかと思料します。

つまり67%増益とは言っても、カネはむしろ出て行ってしまっている状況で、PLの利益だけは良く見える、というそれほど楽観できる数字ではないわけですね。

このように大きな引当金を繰り入れたり取り崩したりする期はPLとCFがまったく逆の動きをしたりするので、ただPLの数字だけを見て、投資判断をしてはいけないという事が良くわかりました。

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