ヤマトが基本運賃を値上げするそうで。
ヤマトが9月あたりから、基本運賃を5~20%のレンジで引き上げる方針だそうで。
これは27年ぶりの値上げになるんだそうです。
2017.3月期の決算は連結営業利益が340億円で対前期比△5割にも上るそう。
宅配便取扱数は約18億7,000万個で+8%なのにもかかわらずです。
売上は上がったけど、利益率が悪くなったという事は、まあまず間違いなく、Amazonに対するボリュームディスカウントに由来するものだと思われます。
また、ヤマトは自社社員のトラック運転手47,000人に対して、過去2年間で総額190億円の未払残業代がある事も明らかになっております。
そんな中での運賃値上げ。
距離が近く、荷物が小さい程、値上げ率が大きくなる?
値上げ率のレンジは5~20%という事ですが、なんと、距離が近く、荷物が小さい程、運賃の値上げ幅は大きいのだそうです。
これ、物流素人の私からなんかすると、普通逆じゃね?って思っちゃうんですよね。
普通、荷物が重くて、それを遠方に運ぶ方が、トラックドライヴァーの負担って重くありませんかね?
私の感覚がズレているのでなければ、そうだと思うのですが、まあヤマトの今般の値上げについては逆のようですわ。
これはどう考えればよいのでしょうか?
荷物が軽くて小さいならば、自分で届けろ、というメッセージが込められているのかな?
いずれにせよ、値上げとは大きなニュース。
デフレ脱却のベンチマークになりうるか。
値上げは悪い事ばかりではない。
この値上げがセールスドライヴァーの給料に跳ね返って、セールスドライヴァーがお金持ちになれば、それでもって、消費が活発化するはずです。
消費が活発化して、他産業も盛り上がれば、どんどん人手不足になり、デマンドプルインフレが起こります。
人手不足を是正するためには、給料を上げて、正社員化して、人材リソースを抱え込む必要が、企業側に出てきます。
こうした動きが顕在化してくればしめたもの。我々労働者側の売り手市場到来で、労働者側からすれば、稀に見るハッピーな時代なのです。
ただ、デマンドプルインフレはデマンドがあって成り立つわけで、まだ国内需要が細々とでもあるからこそ、成り立つインフレ。
日本は人口減少時代に入っているわけで、そのデマンドもそれに足並みを合わせ、シュリンクしていくのは当然です。
一過性の人手不足時代に胡坐をかいていては、今の、経済高度成長時代を生きた高齢社員のようなゆでガエルになる危険性がありますから、このいい時代を利用し、今の内に自分の専門性、コア・コンピタンスに磨きをかけておく必要がある時代だとも言えるでしょう。