現金が大好きで金融リテラシーの低い日本人を憂う

日本銀行の資金循環統計によると2016年末の家計の金融資産残高は1,800兆円。
過去最高を記録したとの事。

2015年末に対して17兆円の増加。(+0.9%)
2015年9月末に対して47兆円の増加。(2.7%)
円安・株高の影響が大きいとの事。

下表はその1,800兆円の主な内訳です。

2016年末 家計 金融資産残高1,800兆円の主な内訳

種類 金額 2015年末比
投資信託 96兆円 +0.2%
株式 167兆円 △0.4%
現金・預金 937兆円 +1.8%

 

ちなみに企業の金融資産残高は2016年末時点で1,101兆円。前年同期比3.9%
その内、現預金が244兆円。+7.5%
対外証券投資が39兆円。+39.3%

 

増える一方の現預金残高937兆円

消費にも投資にも寄付にも回されないカネがこんなにたくさん。
これは、高齢者の将来不安などに起因される機会損失を指し示しています。
高齢者は自分たちがいつまで生きるかわからないので、一体貯金をどれくらい保有していればいいかいつも不安に思っています。
株や投資信託に投資しても騙されて虎の子のカネを奪われるのではないかという疑心暗鬼になっており、最近ではタンス預金などが流行っているようです。
この1,000兆円になんなんとするカネを市場に引っ張り出さないと日本はいつまで経ってもデフレのままで一向に景気が良くなりません。

ではこれらのカネを市場に引っ張り出すためにどうすればよいか。

 

財政支出を拡大して、買いオペをしてインフレに導く

政府が公債を発行すると、それは国のバランスシートの負債にその分の金額がチャージされます。
いわゆる国の借金というヤツですが、これが増えすぎると財政が破綻して、そのツケを将来世代に回すという緊縮財政論も確かにあります。
しかし、今の日本はデフレに喘いでいます。
デフレとはモノが売れなくなるので、モノやサーヴィスが安く買いたたかれ、それに合わせて、サラリーも低くなってしまうという状態。
サラリーも低いままだから、消費に一向に向かわず、より不景気になるという悪循環がデフレスパイラルです。
このデフレ状態を脱却するためにはインフレに導くしかないわけです。
そのため、とりあえず今は増税などの緊縮財政は一切やめ、(特に消費増税をやってはいけない)財政支出を拡大させ、それを日銀が買いまくり、市場にカネをいきわたらせるしかないのです。
さすれば資金の供給量が上がり、世の中は自然にインフレ状態になります。
このインフレ状態が過熱してきた時に初めて、消費増税のタイミングや利上げのタイミングを窺うわけです。
今緊縮財政を行うのは時期尚早なわけですね。

インフレになるということは日本円の希少価値がなくなるという事です。
今1,000万円預金を持っていても、それが実質800万円の価値とかに減じてしまう。
いわばこの財政拡大によるインフレは、金持ちに対する資産税の効果があるという事ですね。

 

資産税を改正する

富が高齢世帯から、現役世帯へ再分配されない要因として私は贈与税の存在がかなり悪影響を及ぼしていると思います。
多額の税金を取られてしまうから、子や孫世代にカネを贈与できない状態。

これはみんなを不幸にしている。
生前贈与できないから、相続する事になり、これが被相続人不在で骨肉の遺産争いが起きる原因にもなっていると思います。

だから、この悪しき税法、贈与税は早く撤廃した方がいいです。
そして相続税はもっと重くした方がいいです。
贈与税をなくして、相続税を重くしたら一体どうなるか。
高齢者は税金で国に盗られるくらいなら、と自分たちの資産を生きているうちに子や孫にさっさと贈与する事を考えるでしょう。

そもそも、フロー(所得)に対して個人所得税や法人所得税を課すという考え方が間違っているというか時代遅れなのです。
これからは資産に課税する時代です。
資産への課税さえ整備されれば、今世界的に問題になっている富の二極化も是正できますし、カネが無意味に口座やタンスに放置されるという状態を防ぐ事もできるのです。

つまりこの税制改正を行う事で、財政拡大路線を取らなくてもデフレから脱却できる可能性が高いのです。

今タンス預金や銀行口座に眠っているカネを有効利用して、日本を不景気から立ち直らせるためには、上記2件を早々に実行すべきだと考えます。

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