インフレには実質的な資産税課税と同様の効果がある。

高齢世帯が保有する個人金融資産は1,000兆円を超えると言われている。
実際にそのカネは市場には出回っておらず、高齢世帯が銀行などに現金で預けている、あるいは、タンス預金をしているなどと言われている。
こうしてカネを使わない事がモノが売れずに供給過多になり、モノの値段が下がる事を助長している。
モノが売れずにモノの値段が下がれば、それはサラリーマンの給与に跳ね返ってくるわけで、給与は上がらないどころか、減るような事例も見られる。
給料が上がる見込みがなく、むしろ減ってしまうような状況にあるから、特に若年サラリーマンはカネを使う余裕がない。より一層デフレが進展するという悪循環にここ30年間ほど日本は陥っている。
現状のような歴史的な低金利時代でも、現金として保有しているだけで使わないのだから、日本人がカネを使わないのはもはや国民病と言っても過言ではなかろう。

贈与税を0%。相続税を100%にする税制改革

では、高齢世帯が保有して動かないである1,000兆円のもカネを市場に引っ張り込むためには何をしたらいいか。
私がずっと提唱してきたのは、贈与税を0、つまり無税にし、相続税を100%にするという税制改革だ。
この税制が仮に施行されれば、私は富の移転が急激に進むと思っている。
なぜなら、生前贈与なら無税で、相続人に財産を相続できるのに比べ、もし財産を保有したまま死んだら、それは全て税金として国に没収されてしまうからだ。
普通の人間の心理として、国にみすみす財産を没収されるくらいならば、子や孫に相続したいと考えるものだからだ。
高齢者が貯蓄に勤しむ背景としては、老後の不安がある、という理由が大きいが、もし仮に財産を生前贈与したなら、子供などが運用してあげて、親の面倒を見るくらいの動きは起こりそうである。
何も同居しなくとも、自分の家と近所のマンションを保証人になって借りてあげてもいい。親子関係も回復するし、一石二鳥ではないか。
あるいは、子供が親の為に老人ホームを探してあげてもいい。
そんな風に生前贈与にして、親子間のコミュニケーションを復活させた方が全方位的にハッピーになる可能性が高いと思料するものである。

FTPLによりリフレ、あるいはインフレを導く

それと最近流行りのシムズ理論。このFTPLによって、敢えてインフレを導くというのは、借金大国日本に残された唯一の財政再建政策ではないかと最近考えている。
どういう財政・金融政策かと簡単に言うとこうだ。
まず財政的に国債を今よりもっと発行する。
これは高齢者福祉に当てるものでもいいし、子育て支援の為にするのでもいい。
個人的には子育て支援のために国債を発行するのが一番日本経済に効果的だとは思うが。
しかる後に、この発行した国債を日本銀行がガンガン買って、市中にカネを落とす。いわゆる積極的買いオペの実行だ。
国債発行→買いオペでマネタリーベースが大きくなる。これを以て、日本がハイパーインフレになると心配する声があるが、これだけデフレマインドが進んでいる国内ですぐにそれはない。
まずマネタリーベースを増大させるのが先決。そうして市中にカネが供給されるとどうなるか。
多少のインフレが起こる。インフレとはつまり、貨幣の供給量が多くなり、その貨幣の価値が毀損される事である。
つまり高齢世帯の保有する金融資産が実質的に目減りするという事を意味しているのだ。
むろん、資産と対を為す、負債の金額も数字自体は跳ね上がるが、その負債の負担自体はインフレにより軽減されるという事なのである。
こうして、もし仮に「物価上昇目標2%増」やあるいは「GDP600兆円達成」などの一定のインフレの効果が表れた時、初めて緊縮財政の話になってくる。
そう消費税増税である。
デフレ時期に消費税の増税などを絶対やってはいけない。ただでさえ低空飛行を続けるデフレがより一層加速してしまうからだ。
だから、ある程度の数値目標が達成できた時に初めて、国債発行量を絞ったり、増税、あるいは財政支出を削減すればいいのだ。
今の日本経済で緊縮財政など以てのほかなのである。

ただし消費増税はいつかのタイミングで必要

もちろん今のようなデフレの状況下で消費増税はこれ以上ない悪手なのだが、いずれは消費税は増税しないといけないとは思う。
なぜなら日本は成熟経済社会だからだ。
成熟経済というのは、経済成長が飽和しており、個人所得税や法人所得税は大きな税収増は見込めない状態。
そういう成熟社会で税収増を狙うならば、資産を持つ高齢者からも平等に徴税できる消費税しかない。
今後は高齢化が進み、より高齢者福祉にカネがかかってくるわけで高齢世帯にも応分の負担を求めねばならない。
それが消費税という事になる。
だから、物価目標が達成された時こそが消費増税の絶好のタイミングであり、時の政権がどこであれ、そのタイミングが来たら増税を実行しなければならない。

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