東芝決算再延期の見通し

今日がタイムリミットだった決算発表が再延期される見込みだと日経新聞が伝えています。

おそらく監査法人である、PwCが監査報告を出せないのでしょう。

どうもそれがWHの内部統制の不備である可能性が高いとのことです。

【決算再延期の歴史】

2015.4.3   不適切会計発表

2015.8.31  15.3月期決算発表を再延期

2016.5.23  16.3月期決算訂正

2017.2.14  16年4~12月期決算発表延期

2017.3.14  決算再延期の見込み

2017.3.15  「特設注意市場銘柄」解除への内部管理体制確認書を再提出

 

東芝は「特設注意市場銘柄」(通称・特注)として東京証券取引所に指定されてしまっています。

それを解除したくて確認書を3月15日に再提出する予定でしたが。

関東財務局がこれを承認するなら、上場維持に直接影響はしないそうですが、度重なる決算の再延期はさすがの関東財務局にも心証が悪いだろうという大方の見方です。

決算再延期の主な理由は米原発子会社WHの内部統制の不備。

7,000億円規模の減損損失を計上する事がわかっていますが、WH会長のダニー・ロデリック氏ほか、WHの経営幹部が特別損失が出ないように現場に過度な圧力をかけたのではないかという疑惑をもたれていると言う事です。

監査法人は内部統制監査というものも会計監査と同様しなければならず、この内部統制監査が決着を見ないと決算を発表できないわけです。

もし経営幹部からの過度な圧力などにより、現場の職務執行において、内部統制が歪められているというような結論になれば、過年度の決算に遡及しなければいけなくなる可能も秘めており、かなり甚大な事務処理コストと不信感を再度惹起する事になります。

15.3月期の決算を2度延期した経緯があるわけで、今回で4度目の決算延期になります。

かほどに決算を延期する企業を私は寡聞にして知りません。

3月15日提出の確認書には、海外子会社の調査結果や再発防止策については盛り込めない可能性が高いという事です。

しかも決算再延期ですから、関東財務局の承認が仮にあるとしてもいつになるのやらと言った泥仕合の様相を呈しているわけです。

原子力事業については、WHを連結の対象から外す方針だと言う事ですが、果たしてそんな事が可能なのかどうかわかりません。

もし恣意的に連結の対象にしたりしなかったりできるのなら、そこが利益操作の温床になりうると思うからです。

WHは米連邦破産法11条の適用申請が有力案だそうです。

しかし、いまだにコストが増え続ける現状で、破産法適用でえんがちょなんて簡単にできるものでしょうか。

さすがに東芝の経営者が愚かだとは言え、もし逃げられるならば、もうとっくに原発事業を損切りしていたようにも思えるのですが。

原発事業を切り離すと進行年度の決算は売上高4兆円弱になる見通しとの事です。

これは、2008.3月期のおよそ半分程度の規模。

今後はエレベーターや鉄道など、社会インフラ事業くらいしか残らず、それで何とか経営を続けていきたい意向という事です。

2020.3月期は売上高4兆円以上。営業利益率は5%程度を見込むとの事ですが、画餅に終わる可能性は高そうです。

まず東芝は老害とも言うべき、経営陣を一掃する事から始めなければならないと思います。

一昔前までは有力な大手企業の代表格だった、東芝やシャープ、タカタなどのブランドがどんどん外資に支配されていく様を見るのは、隔世の感がありますね。

ただ現場の社員にとっては、外資が経営してくれた方が幸せなのではないかと思いますよ。

昔から日本には、外資はすぐにリストラとかをして、冷酷だ、などというイメージがありますが、今の東芝の体たらくを見たら、日経の無能で陰湿な経営者の下で働く方がよほど不幸になっていませんか?

今回の東芝問題で一番救いだったのは、東芝の半導体の技術が世界では渇望されていて、売ると決めたら、様々な企業やファンドが手を挙げている事です。

日本の技術力というものは、海外に比べて少しも見劣りしていないという事実を見て、それについては安心することができます。

問題なのは、日本の経営者という事でしょう。

日本人の経営力の低さは異常です。

現場の叩き上げで経営者になったはいいものの、今まで営業やら開発の現場での経験しかなく、経営なんて教えてもらえないから良くわからないのです。

これは会社にとっても本人にとっても不幸だと思います。

そもそも優秀な技術屋が優秀な経営者になる保証がありますか?

例えばプロ野球で言うなら、長嶋茂雄はプレイヤーとしては天才的だったかもしれませんが、監督としての能力をそれは、担保するものではないはずです。

餅は餅屋。技術屋は技術屋。

経営にタッチさせるよりも、専門性を追求した方が世の為人の為、そして本人の為。

もっと言うなら投資家の為なわけです。

経営センスのない日本人に無理に経営をやらせることはないのです。

かわいそうなのはいつも現場ですから。

現場の特に、東芝の原子力事業の技術者は、日本の福島第一原発事故の廃炉に頑張って取り組んでもらえたら、と切望しています。

福島第一原発は未曾有の惨状になっており、廃炉費用は21.5兆円とも、下手すりゃ70兆円なんて声も聞かれます。

しかしこれは裏を返せば、今後40年間は廃炉ビジネスはなくなりません。

まだ世界が見たこともない状態の惨状と言う事は、またとない研究対象ともいえるわけです。

この廃炉ビジネスに前向きに取り組んだら、資源貧国の日本のエネルギー供給において新境地が開拓できる可能性だってあります。

東芝の経営者などどうなってもいいですが、現場の研究者や技術者たちが、廃炉ビジネスや、自分たちの培ってきた技術で食っていけるような道筋を整備する事だけ、期待をしている所です。

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