【航空運送サービス大手3社】2019.3(決算比較分析)

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今回は航空運送サービス大手3社(ANA,JAL,SFJ)の決算比較。

決算情報は各社決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

ANA JAL SFJ
売上高 2,058,312 1,487,261 39,937
営業利益 165,019 176,160 1,264
営業利益率 8.0% 11.8% 3.2%
営業CF 296,148 296,717 265
営業CFマージン 14.4% 20.0% 0.7%
最終利益 110,777 150,807 513

 

売上トップはANA.2兆円超え。

続くJALが1.5兆円弱で、それなりに差がある。

ずっと遅れて3位がSFJ。399億円と桁がふたつほどダウンしてしまっている。

安い運賃で頑張っているSFJ。

営業利益率では11.8%でJALがトップ。

JALといえば前科持ちなわけだが、その反省を現経営に活かしている結果が見える。

ANAの営業利益率は8.0%とちと寂しい。

例えば、陸路運送のJR東海だと、営業利益率がなんと脅威の37.8%!!

これは競合がほとんどいないから。

(東京から、ビジネスマンや帰省者、旅行者が、名古屋や大阪、京都に行こうと思ったら、現状、東海道新幹線しかなく、競争相手がほぼいないので)

こういう暴利を貪る既得権益企業と比較すると、航空会社各社は、かなり適性な競争が行われていることが明瞭です。

SFJの営業利益率なんて、3.2%。。。

薄い利益で頑張り過ぎでしょう。

こういうSFJのような存在が、ANAやJALの営業利益率にも当然影響する。

小さな巨人といった風情でもある。

 

決算パラメタ

ANA JAL SFJ
総資産 2,687,122 2,030,328 28,087
株主資本 1,066,644 1,186,421 8,428
現金預金 68,301 462,064 5,982
有利子負債 788,649 142,153 8,863
流動資産 700,230 761,539 12,631
流動負債 685,933 454,399 7,280
支払利息 6,995 803 159
非資金的費用 163,572 124,104 1,702
EPS 331 432 179
BPS 3,188 3,399 2,941
配当金額 75 110 10
配当総額 25,097 38,391 29
発行済み株式数 334.632 349.006 2.865
株価 3,636 3,452 3,890
時価総額 1,216,723 1,204,769 11,146

 

時価総額を比較すると、

ANAとJALが1.2兆円でほぼ変わらず。瞬間では、JALが逆転してもおかしくないくらいの規模感。

SFJが111億円とかなり小さい。規模だけで語るなら、航空運送会社はANAとJALの二強でしかありえない。

ANA JAL SFJ
自己資本比率 39.7% 58.4% 30.0%
D/Eレシオ 0.74 0.12 1.05
流動比率 102.1% 167.6% 173.5%
ネットキャッシュ △ 720,348 319,911 △ 2,881
 対総資産比率 -26.8% 15.8% -10.3%

 

財務状況の比較。

JALが一番財務的に安定しているのは一目瞭然。

1社だけネットキャッシュが黒字。3,200億円弱もある。

行政や金融機関などに下駄を履かせてもらった過去があるわけで、ANAにしてみればフェアな競争ではないと感じられるだろう。

陸路運送も航路運送もどちらも同じだが、

まず交通インフラへの投資でカネがかかる。

借金が多くなり、その分、資金的な経営については多少難易度が増すが、公共交通機関ということで、借金や料金設定などもかなり行政などから優遇されている。

上記したように、航空運送各社については、かなり熾烈な競争が展開されており、利益率がかなり薄くなっているが、前述したJR東海などはその既得権益を最大限利用し、営業利益率37.8%を継続している。

JR東海へのリニアへの財政投融資3兆円は有名な話。

行政に頼ったもん勝ちになって、それで競争相手に不公平になってしまうあり方は自由競争の大いなる崇高な理念を大きく毀損しているだろう。

 

当決算から計算する経営指標

ANA JAL SFJ
ROE 10.39% 12.71% 6.09%
ROA 4.12% 7.43% 1.83%
ROIC 5.72% 8.53% 4.70%
PER 11.0 8.0 21.7
PBR 1.1 1.0 1.3
WACC 1.7% 3.0% 1.1%
EBITDA 328,591 300,264 2,966
FCF △ 43,226 53,698 △ 3,672
EV 1,937,071 884,858 14,027
配当利回り 2.06% 3.19% 0.26%
配当性向 22.7% 25.5% 5.6%

 

ということで、ROE,ROA,ROICを比較すると、明らかにJALのひとり勝ち状態。

それぞれのスコアもバランスが良い。

ANAは何とか及第点は突破しているか。

SFJについてはROAなどがかなり薄い。4%くらいにはしたいところだが。。

ANA JAL SFJ
グレアム指数 12.5 8.1 28.7
EV/EBITDA 5.9 2.9 4.7
PEGレシオ 11.0 7.9 測定不能
FCFマージン -2.1% 3.6% -9.2%

 

そういうことで、JALが安い。

ANAも安いが、JALはかなりの安さと思われる。

JALはFCFも1社だけ黒字。

PBRもJALが一番安い。

そういう背景もあり、JALの配当利回りが一番高い。

カネもあるので。

 

翌期業績予想から計算する経営指標

ANA JAL SFJ
売上 2,150,000 1,563,000 42,400
営業利益 165,000 170,000 1,100
営業利益率 7.67% 10.88% 2.59%
最終利益 108,000 114,000 400
EPS 323 327 140
予想配当金額 75 110 10
予想配当総額 25,097 38,391 29

 

売上は2.1兆円でANAがトップの見込みだが、JALの猛追。

売上成長見込み率では、

ANAが+4.5%、JALは+5.1%

売上トップの座に、ANAは安穏としてはいられないでしょう。

営業利益率については各社ともマイナス成長の見込み。

燃料費や、人件費などの高騰のマクロ経済環境を懸念して。

ANA JAL SFJ
ROE 10.13% 9.61% 4.75%
ROA 4.02% 5.61% 1.42%
ROIC 5.72% 8.24% 4.09%
PER 11.3 10.6 27.9
EBITDA 328,572 294,104 2,802
予想FCF 269,766 233,516 2,410
配当利回り 2.06% 3.19% 0.26%
配当性向 23.2% 33.7% 7.2%

 

レバレッジをかけているだけあって、ANAのみ、ROEが二けたを超えた。

しかしROE,ROA,ROICのバランスだけを見るなら、やはりJALが一番良い。

SFJはもう少し頑張りたいところだが、あれだけ安い運賃だと難しいのでしょう。

ANA JAL SFJ
グレアム指数 12.9 10.7 36.9
EV/EBITDA 5.9 3.0 5.0
PEGレシオ 測定不能 測定不能 測定不能
FCFマージン 12.5% 14.9% 5.7%

 

ここでも相対的最安はJAL

EV/EBITDAが3.0倍というのはかなり安いでしょう。

FCFマージンももう少しで15%に乗りそうであり、それも大きいポイント。

 

総括

実質、日本の航空大手というのは、ANAとJALの二強であることが浮き彫りに。

ただ、スターフライヤーという格安航空会社の存在で、二強もある程度、運賃に上方硬直圧力がかかる。

JR東海の37.8%という超破格の営業利益率から見ると、航空会社というのは、かなり熾烈な競争をしていることが分かる。

これは自由資本主義経済下において当たり前のことであり、JR東海が既得権益をテコに、暴利を貪っている方が、異常悪なのですが。

そんな航空大手を比較すると、ロングするべきは、JAL一択という結果も浮き彫りに。

営業利益率、財務状況、CF、経営指標、割安感、

全てのスコアが、JALが一番良いということを指し示すデータとなっている。

しかし、そうは言ってもやはり、何か釈然としないものを感じる。

JALは過去、その放漫経営により経営破綻し、会社更生法の適用を申請した。

金融機関に5,000億円超の債権放棄をさせ、

公的資金が、3,500億円ほど注入されている。

また、株式は100%減資。

金融機関や投資家、そして、納税者に泣いてもらって、今のJALがある。

京セラ稲盛氏のアメーバ経営を伝授されたというのも有名な話。

ここまでおんぶにだっこされたならば、そりゃあ今この好成績も頷けるというものではないか。

ずっと真面目に経営してきたANAからすればそんな下駄を履かせてもらっている企業とまともに競争なんてできるはずがないのでは?

そういう意味では、数字的には、JALが圧倒的に買いであることは議論の余地がないが、

私は心情・感情的には、どうしてもANAを応援してしまうところではある。

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