【牛丼大手3社】2018-2019(本決算比較)

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今回は牛丼大手3社(ゼンショー、吉野家、松屋)について本決算の比較分析。

決算情報は各社決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

ゼンショー 吉野家 松屋
売上高 607,679 202,385 98,158
営業利益 18,834 104 3,884
営業利益率 3.1% 0.1% 4.0%
営業CF 33,129 2,830 5,085
営業CFマージン 5.5% 1.4% 5.2%
最終利益 9,924 -6,000 2,197

 

売上はすき家のゼンショーが独走。6,000億円超え。

逆にトップでも、売上は1兆円未達ということでもある。

営業利益率も各社低い。あれだけ安く売っていたら当然。

とりわけ、吉野家が異常値と言えるほどに、成績が悪い。

最終利益は赤字に。これはニュースにもなった。

最終が60億円の赤字。

何でこんなに赤字になってしまったのかと言うと、当然、営業利益が薄すぎるのが問題なのだが、

減損損失の51億円とかも効いている。

そして、これほど成績が悪いにも関わらず、法人税を12億円も計上している。

税法上、減損損失は、キャッシュアウトの伴わない損失であることから、所得計算において否認されてしまうため、赤字なのに税金だけはガッポリ持っていかれる。税当局というのはただの悪魔ですねw

営業利益が薄いのは、大きくは原材料高騰と人件費高騰によるもの。どちらもマクロ要因で、一経営者にヘッジできるものではない要素も大きい。まあ、ついていない、ということも多分にありそうだ。

進行年度の決算は割かし悪くないようだが。

★吉野家、2019.5期、1Q

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08813/fe9874b4/947a/453d/8fc3/5a012b882f90/140120190708468512.pdf

いつまでこの、「デフレの象徴」の看板を背負っていられるのか。

健全な経済成長を続ける国は、緩やかなインフレ状態にある。

いつまでも牛丼が安いということは日本がまだまだデフレの真っただ中にいるというベンチマークである。

私は1社くらい、勇気を持って値上げすればいいと思っている。

客数が減じればその分、人的マネジメントも楽になるのでは。

いかんせん、値下げというチキンレースから早く下りないと、回り回って、みんなが不幸になってしまうのである。

 

決算パラメタ

ゼンショー 吉野家 松屋
総資産 377,779 112,685 65,026
株主資本 74,143 52,024 40,874
現金預金 57,240 16,971 9,491
有利子負債 212,618 39,527 10,802
流動資産 114,675 34,260 17,706
流動負債 91,451 31,255 14,047
支払利息 1,213 176 43
非資金的費用 21,732 6,915 3,638
EPS 68 △ 93 115
BPS 507 806 2,145
配当金額 18 20 24
配当総額 2,630 1,291 457
発行済み株式数 146.099 64.566 19.056
株価 2,301 1,686 3,465
時価総額 336,173 108,858 66,030

 

時価総額の比較。

ゼンショーがトップで、3,361億円。

それにしても小さい。これだけ有名で、売上も6,000億円以上ある会社の時価総額が3,000億円ちょい。

そして牛丼の代名詞ともなっている吉野家の時価総額はやっと1,000億円を超えている、といった体。

なかなかシビアでリアリティのあるヴァリュエーションだと思いました。

ゼンショー 吉野家 松屋
自己資本比率 19.6% 46.2% 62.9%
D/Eレシオ 2.87 0.76 0.26
流動比率 125.4% 109.6% 126.0%
ネットキャッシュ △ 155,378 △ 22,556 △ 1,311
 対総資産比率 -41.1% -20.0% -2.0%

 

各社とも、ネットキャッシュは赤字。貧乏。

特に、ゼンショーがすごいレバレッジ。d/eレシオが2.87倍という自己資本の薄さです。

こんなにリスクを取って大丈夫なんでしょうか。

松屋などは自己資本は割と高めだが、それでもネットキャッシュは赤字。

キャッシュが薄い会社経営は見ているだけでヒヤヒヤしてしまいますね。

 

当決算から計算する経営指標

ゼンショー 吉野家 松屋
ROE 13.38% -11.53% 5.38%
ROA 2.63% -5.32% 3.38%
ROIC 4.23% 0.07% 4.84%
PER 33.9 △ 18.1 30.1
PBR 4.5 2.1 1.6
WACC 1.3% 1.6% 1.0%
EBITDA 40,566 7,019 7,522
FCF △ 27,452 △ 3,097 △ 1,903
EV 491,551 131,414 67,341
配当利回り 0.78% 1.19% 0.69%
配当性向 26.5% -21.5% 20.8%

 

ゼンショーのROEがやけに良い。

それもそのはずで、上に書いたように、当社はD/Eレシオが3倍弱もあり、レバレッジをかけまくっているので。

(自己資本を薄くすれば分母が減少するので、当然にROEが増大する)

その証拠に、ROAに至っては、松屋の後塵を拝しているくらいである。

ROICでも松屋が一番いい。

3社とも低空飛行とは言え、松屋のバランスが一番良いように見える。

まあ投資するならそれぞれスコアが2倍くらいになって欲しいところではあるが。

吉野家は赤字でお話にならない。

ただ、減損で膿だしをしたので、進行年度は少しは期待できるのか。

ゼンショー 吉野家 松屋
グレアム指数 153.6 -38.0 48.6
EV/EBITDA 12.1 18.7 9.0
PEGレシオ 31.7 測定不能 測定不能
FCFマージン -4.5% -1.5% -1.9%

 

みんな、日常的に、牛丼チェーンを利用することなどから、知名度は3社ともとても高い。

それゆえに、生み出す利益と比較すると、株価が高くなりがちである。

赤字の吉野家は論外としても、ゼンショーと松屋は高い。

その中でも松屋は安い方。

EV/EBITDAも松屋のみが10倍を下回っている。

FCFはどこも赤字。

 

業績予想から計算する経営指標

ゼンショー 吉野家 松屋
売上 661,367 208,000 104,050
営業利益 23,848 1,000 4,150
営業利益率 3.61% 0.48% 3.99%
最終利益 10,460 100 2,200
EPS 72 2 115
予想配当金額 20 20 24
予想配当総額 2,922 1,291 457

 

業績予想。こちらも吉野家だけ、やたら営業利益率が薄い。

ちなみに、1Qの営業利益率は1.9%と業績予想の数字を上回っている。

ただ比較的好調と言われて、営業利益率が2%弱ではいつまた赤字に転落するか知れたものではない。

やはりあとちょっと安定経営に資するために、最終製品の値上げに真っ向から対峙するしかないのではないか。

どんなに薄くとも、恒久的に企業を発展させるために、営業利益率5%くらいは必要なのではないだろうか。

ゼンショー 吉野家 松屋
ROE 14.11% 0.19% 5.38%
ROA 2.77% 0.09% 3.38%
ROIC 5.35% 0.70% 5.17%
PER 32.1 1,088.6 30.0
EBITDA 45,580 7,915 7,788
予想FCF 37,081 7,559 6,309
配当利回り 0.87% 1.19% 0.69%
配当性向 27.9% 1291.3% 20.8%

 

特徴として挙げるならば、

・D/Eレシオを3倍弱までレバレッジをかけている危険経営のゼンショーのROEはそれなりに高い。でもこれだけレバレッジかけて14%か。。。という感じもしないではない。

・吉野家の経営効率が比較するまでもなく薄すぎる。価格が安い。調達原価管理が甘い。人件費ヘッジが下手。色々要因はあると思うが、その前にまず、不採算店などリストラしなくて大丈夫なの?

・上記同様、松屋が一番バランスが良い。ただそうは言っても薄い。

価格競争が飽和状態になった時、ではどうするか。そこまで選択肢は多くないはずで、要は勇気の経営の時期がとおに来ているという理解。

ゼンショー 吉野家 松屋
グレアム指数 145.7 2277.8 48.5
EV/EBITDA 10.8 16.6 8.6
PEGレシオ 25.4 113.2 28.1
FCFマージン 5.6% 3.6% 6.1%

 

特徴や気付いた点、

・各社ともヴァリュエーションが高いが、特に吉野家が酷い。営業利益率が0.5%の会社の株が買われ過ぎ。何でみんなそんなに吉野家が好きなのか謎。

・吉野家ほどではないが、ゼンショーも高い。ROEは確かに高いが、それは借金過多の危険経営と表裏一体である。こういう会社を買って怖くはないんだろうか。

・松屋はこちらでもバランスが良い。特に1社だけ、EV/EBITDAが10倍を下回っているのは好感。FCFマージンも一番良い。営業利益率も4%弱で一番。

 

総括

牛丼大手3社、この内、どれか1社をどうしても買わないといけないのだったら、もう松屋一択でしょう。

ただそれはどうしても選ばなければいけない制約下での判断であって、牛丼チェーンというのはできれば買わない方が良い銘柄なのではないかと思います。

知名度が高いので、値動きがそれなりに激しく、機関投資家や裁定取引投資家のオモチャになっている?

とにかく利益が薄いのが大問題。

他の飲食店もそうですが、もう値上げ待ったなしの状況なのでは。

原材料の高騰。人手不足による人件費の高騰。人口減による需要パイの減少。

マクロ経済的に、もはや、

・採算店における値上げ

・不採算店の大胆なリストラ

・それらによる利益率の改善

これが最適解なのではないかと考えるものです。

特にとりわけ利益率の薄い吉野家は、何か抜本的な改革をしないといけないフェーズは既に過ぎているくらいなのではないでしょうか。

吉野家の牛丼は確かに旨い。食文化のひとつとしてこれは後世に残していきたいと感じる。

バラエティ勝負のすき家や味噌汁がついてくる自動前払い精算の松屋。

それと比較して、牛丼のクオリティに直球勝負の吉野家には頑張ってほしい。

もっと牛丼だけにメニューを絞ってしまえばいいとか思いますね。

とにかくこの多様化の時代、より先鋭化していくしかない。

深く掘ってもう競争という概念を排除したその先に、値上げという果実が待っているのでは?と思います。

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