【レノバ】2019.3(本決算)

再生可能エネルギーの発電と開発・運営が2本柱。

太陽光からバイオマス、風力など多様化方針。

今回は2019.3期、本決算について分析。

決算情報は決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 14,098 5,025 1,659
前決算② 11,740 3,679 800
当期業績予想③ 14,000 5,000 1,650
翌期業績予想④ 17,500 9,400 2,100
①-② 2,358 1,346 859
成長率 120.1% 136.6% 207.4%
①-③ 98 25 9
達成率 100.7% 100.5% 100.5%
④-① 3,402 4,375 441
成長率 124.1% 187.1% 126.6%

 

【対前期】

増収(+2,358、120.1%)、増益(+1,346、136.6%)

営業利益率は31.3%から35.6%へと4.3%もアップしている。

それにしてもすごい利益率。

再生可能エネルギーとはカネばかりかかって儲からないと思っていたが、上手くインフラ投資して、行政と上手くやればそうとばかりは言えないということなのでしょうか。

【対当期業績予想】

増収(+98、100.7%)、増益(+25、100.5%)

営業利益率は35.7%を見込んでおり、ほぼ予想通りに落着。

上振れも下振れもなく、優秀な見積もり。

ここまで精緻な見積もりができる事業なんですね、とちと意外。

【対次年度業績予想】

増収(+3,402、124.1%)、増益(+4,375、187.1%)

営業利益率はなんと驚きの53.7% +18.1%のジャンプアップ。

これはすごい。多くの原資は税金なわけですが。

それだけ国民の反原発感情や化石燃料依存への恐怖などが反映されている数字なのかもしれません。

 

 

営業CF

営業CF マージン
当期 6,435 45.64%
前期 3,941 33.57%
当期-前期 2,494 12.08%
成長率 163.28% 35.97%

 

当期営業CFは+64億円。マージンが45.6%

マージンもかなり大きい。儲かっている。

対前期で、+24億円。+12%と成長率も半端じゃない。

主な増減内訳は以下の通り。

・税引き前利益→+16億円。

・売上債権→▲1.7億円。

・仕入債務→+3.0億円。

・法人税等の支払額→+6.3億円。

これだけ儲かっているのに、法人税等の支払額が6.3億円も減少している。

この会社は節税もかなり上手いようです。

つまり、行政との付き合い方が上手い。

この役所の上手な使い方については、多くの企業が学べる面が大きそう。

ところで少し気になるのが、貸倒引当金。

当期末においておよそ1.5億円くらいの短期貸倒引当金を積んでいます。

役所や電力会社からの売掛金が貸引の対象になるはずはないので、これはほとんどが、関係会社立替金33億円に対するものなのでしょう。

貸付金でもなく、立替金という響きがちょっと怪しさを醸し出しています。

何で立替金なんぞという科目を使っているのか、そんなことが気になります。

 

決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 5,025
有利子負債 当決算期末残高 61,715
現金預金 当決算期末残高 21,249
株主資本 当決算期末残高 9,025
当期純利益 決算短信 1,659
総資産 当決算期末残高 81,499
発行済み株式数 当決算期末残高 74.559
支払利息 決算短信 1,275
減価償却費 決算短信 3,105
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 22
BPS 純資産÷発行済み株式数 121
株価(円) 直近株価 809
配当金額 決算短信 0.0
配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 0.000
時価総額 株価×発行済み株式数 60,318

 

総資産814億円。株主資本90億円。自己資本比率11.1%

有利子負債617億円。D/Eレシオは6.84倍。

流動資産276億円。流動負債64億円。流動比率429.1%

ネットキャッシュは▲404億円という大赤字。

自己資本が極端に薄く、借金がかなり多いです。

当然、資本コストは、現状、DEBTの方が圧倒的に安いので、借金多めなのは経済合理的と言えなくもないですが、それにしても、借金が多い。

これはちょっとヒヤヒヤするほどのレバレッジです。

財務内容は決して良いとは言えない。

また流動比率が高い。

これは短期のDEBTが少ないため。この会社は銀行との付き合い方も上手なのでしょうか。

ここまで来ると、ある意味、かなり有能な経営者と言わざるを得ないのだと思います。

時価総額は603億円。それなりに大きい規模になってきた印象。

 

当決算から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 18.38%
ROA 総資本利益率 2.04%
PER 株価収益率 36.36
PBR 株価純資産倍率 6.68
ROIC 投下資本利益率 4.57%
WACC 加重平均資本コスト 1.16%
EBITDA 減価償却前営業利益 8,130
FCF Free cash Flow 1,992
EV 企業価値 100,784
配当利回り 0.00%
配当性向 0.00%

 

ROEのスコアはかなり高いけど、ROAは低い。自己資本比率が薄いので。

レバレッジをかなりかけている。私はこういう企業は基本的には敬遠します。

ROICも決して高くない。それだけDEBTが大きいのです。

グレアム指数は243倍。PBRが6.68倍。高い。買わない。

EV/EBITDA12.4倍。PEGレシオ26.62倍。高い。

FCFマージンが14.13%となかなか。投資CFで、40億円も使っているのに、これだけFCFが余る。

でも、配当はしない。これだけ借金があるのだから当然か。

 

次年度業績予想から計算する経営指標

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 9,400
当期純利益 決算短信 2,100
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 28
予想配当金額 決算短信 0.0
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 0.000

 

売上175億円。営業利益94億円。営業利益率53.7%

各指標
ROE 自己資本利益率 23.27%
ROA 総資本利益率 2.58%
PER 株価収益率 28.72
ROIC 投下資本利益率 8.55%
EBITDA 減価償却前営業利益 12,505
FCF Free cash Flow 9,155
EV 企業価値 100,784
配当利回り 0.00%
配当性向 0.00%

 

ROEが大きく上がっている。ROAはそれでもやはり弱い。

ROICも良化している。営業利益率53.7%なので、当然ですが、しかしこれだけの営業利益率で、このROICのスコアはやはり借金が大きすぎる。

グレアム指数191.97倍。EV/EBITDA8.06倍。PEGレシオ15.35倍。

グレアム指数的には絶対買ってはいけない感じだが、それ以外の指標はそうでもない。

安くはないけど。

FCFマージンは圧巻の65.3%

しかしこれだけ儲けても配当は一切しない。

有利子負債61,715をFCF9,155で割ると、およそ6.7年。

やはり借金のでかさは目立つ。

 

総括

とにかく営業利益率がすごい。再生可能エネルギーというのは、労多くして益少なし、というイメージでいたので、これは少し驚き。

しかしそれだけ税金が投入されているということ。この会社はその自然エネルギー盲信の流れに上手くフリーライドできたということ。

それはそれで、期を見るに敏、経営者の高い能力を証明しているとも言えるが。

しかし再生可能エネルギーは懐疑的な見方があるのも事実。

https://www.isep.or.jp/archives/library/11784

上記サイトを見ると、2018年の日本における発電の電源構成は以下の通り。

・化石燃料(石炭・LNG・石油など)→77.9%

・原子力→4.7%

・自然エネルギー(水力7.8%、バイオマス2.2%、地熱0.2%、風力0.7%、太陽光6.5%)→17.4%

つまりほとんど火力発電に依存している。

これだけ大騒ぎして、自然エネルギーの構成とはまだまだこれだけ低いということなのである。

とりわけこれだけ下駄を履かせている太陽光が未だ6.5%

これだけ血税を投入して、である。

しかも太陽光発電は、劣化してしまい、それを交換することは、また有限な資源を多く浪費してしまう。

また、太陽光発電に使われる蓄電池などを廃棄する時に、また産廃の問題が発生する。

そして、蓄電池などに使われる希少なレアメタルなども、惜しげもなくロックされてしまったりしている。

これだけ色々なリソースを犠牲にした上に、太陽光発電は成り立っていて、この会社はその上前をハネているということは理解しておく必要があるでしょう。

結局日本のように、国土が狭く、地熱発電を利用できるような地理的有利もない国は、火力と原子力でエネルギーを賄わなければいけないという既に選択肢はない状況なのでしょう。

それでも反原発などに起因する自然エネルギー信仰によって、多くのリソースが犠牲にされている。

火力発電に大きく依存していて、これはこれで大気汚染などの大きな問題があります。

この会社が大儲けしている状況を見て、日本のエネルギー政策の問題の深さを痛感しました。

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