【鉄道大手3社】2019.3(決算比較分析)

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今回は2019.3期、大手鉄道3社(JR東、JR東海、JR西)の決算比較分析を行う。

決算情報は各社決算短信より。

単位は特筆なき場合全て百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

JR東 JR東海 JR西
売上高 3,002,043 1,878,137 1,529,308
営業利益 484,860 709,775 196,946
営業利益率 16.2% 37.8% 12.9%
営業CF 663,801 600,319 289,728
営業CFマージン 22.1% 32.0% 18.9%
最終利益 295,216 438,715 102,750

 

JR東がひとり、とうとう売上3兆円突破を成し遂げている。

都市部への人口集中や、観光需要、そして既得権を獲得するまでに至った、Suicaの威力などとも無関係ではないでしょう。

消費者として、決して乗り心地は良くないし、UXとかは最悪に近いのですが、まあ他に選択肢ないし、基本時間には正確だし、という点でやはり強い。

一方で、営業利益に目を向けると、これはもう、東海の圧勝ということだ。

売上では、1.2兆円も差がある東よりも、大きい営業利益を計上していて、営業利益率は37.8%も計上している。

これはあまりにも儲けすぎという誹りを免れないレベルのぼろ儲けなのでは。

営業CFマージンも、東海がダントツで良い。

あれだけ多くの、東海の、それほど役に立ってなさそうな、高齢のホワイトカラーの、分不相応に高い人件費を負担した後で、それでもなお、これだけの営業利益を計上しているという事実。

また、社内誌の「Wedge」とかいう読みもしない雑誌の制作費なども、新幹線の利用者が、その利用料金で負担させられているのです。

どうしても利用者を犠牲にして、高い利益率を堅持しているという印象がぬぐえず、賞賛には値しないと考えます。

 

決算パラメタ

JR東 JR東海 JR西
総資産 8,359,676 9,295,745 3,237,596
株主資本 2,996,473 3,436,154 1,067,220
現金預金 173,908 587,867 109,327
有利子負債 3,169,455 4,894,611 1,084,727
流動資産 978,775 3,630,692 454,934
流動負債 1,438,975 650,260 608,554
支払利息 62,545 45,259 20,030
非資金的費用 377,480 211,262 163,188
EPS 773 2,239 533
BPS 7,849 17,536 5,539
配当金額 150 145 175
配当総額 57,267 28,412 33,716
発行済み株式数 381.780 195.947 192.665
株価 10,465 23,165 8,620
時価総額 3,995,323 4,539,117 1,660,771

 

東海、売上が1.8兆円で、総資産が9.2兆円。売上/総資産=19.5%

やはり図体の割には、売上が小さいなとは感じます。

当然、単純比較はできませんが、トヨタは売上が30兆円で、総資産が51兆円くらいなので、

売上/総資産=58.8%

要は、そう能力の高くない経営者やホワイトカラーによって、多くの資産がデッドストック化されてしまっていると評価することができます。

当然、国内で、政治家や官僚相手に、政治ばかりやっている経営者と、海外の厳しい市場で、しのぎを削っている経営者を比較することは大変に失礼なことです。

時価総額は東海が4.5兆円でトップ。株主資本が3.4兆円ですから、それを上回る部分についてはバリューがあると市場が評価しているということです。

所有しているキャッシュや土地、既得権益のヴァリュエーションです。

JR東 JR東海 JR西
自己資本比率 35.8% 37.0% 33.0%
D/Eレシオ 1.06 1.42 1.02
流動比率 68.0% 558.3% 74.8%
ネットキャッシュ △ 2,995,547 △ 4,306,744 △ 975,400
 対総資産比率 -35.8% -46.3% -30.1%

 

借金もダントツで、東海。

このうちの3兆円があの財政投融資。金利1%の破格の好条件です。

つまり、あまり資産などを上手く使えていない、能力の低い経営者に、大事な血税を3兆円も財政投融資しているという寸法ですね。

商売はともかく、政治は上手い会社ということです。

そういう政治の上手さで、東海は東や西に、一歩先んじているということでもあります。

 

当決算から計算する経営指標

JR東 JR東海 JR西
ROE 9.85% 12.77% 9.63%
ROA 3.53% 4.72% 3.17%
ROIC 5.06% 5.48% 5.89%
PER 13.5 10.3 16.2
PBR 1.3 1.3 1.6
WACC 1.9% 0.9% 2.5%
EBITDA 862,340 921,037 360,134
FCF 59,554 70,268 68,222
EV 6,990,870 8,845,861 2,636,171
配当利回り 1.43% 0.63% 2.03%
配当性向 19.4% 6.5% 32.8%

 

ROEとはすなわち、株主から投資してもらったカネをどれだけ上手く運用できているかという指標です。

そういう観点から見れば、東海は株主に、それなりに報いていると言えなくもないのかもしれない。

(新幹線の利用客には報いていないが)

ROAは社会の財産の一部を所有することで、どれだけ上手く運用できているかという指標。

これも東海が一番高いのだが、それでも及第点ギリギリというレベル。

これら資産を、もっと上手く活用してくれれば、もっと多くの人間がハッピーになれます。

ROICはDEBTとEQUITYをどれだけ上手に使えているか表す指標。

これも全社、軒並み低い。

日本の政財界が、ジジイババアに牛耳らることによって、国民の多くの幸せを取り逃しているように、この数字は語りかけてきます。

そして配当。一番稼いでいる東海が一番利回り・配当性向ともに低い。

これは社会の公器たる企業として、本当に良くない態度ですね。ずっと変わりません。

JR東 JR東海 JR西
グレアム指数 18.0 13.7 25.2
EV/EBITDA 8.1 9.6 7.3
PEGレシオ 13.4 9.7 15.7
FCFマージン 2.0% 3.7% 4.5%

 

まあ一番割安なのは東海なのかな、という感じの指標。

ただ安いのには安いなりの理由があるのは、全ての金融商品に共通します。

3社を比較すれば、それなりの好成績である東海ですが、投資家に選好されるかどうかは利益の良し悪しだけでは決まらないということですね。

 

業績予想から計算する経営指標

JR東 JR東海 JR西
売上 3,070,000 1,891,000 1,557,500
営業利益 488,000 676,000 198,000
営業利益率 15.90% 35.75% 12.71%
最終利益 301,000 416,000 118,500
EPS 788 2,123 615
予想配当金額 165 150 190
予想配当総額 62,994 29,392 36,606

 

東海だけが、営業利益、マイナス成長の業績予想です。

どうしてマイナス成長なのかは分かりませんが、売上はむしろ増えるので、運賃を値下げするとかそういう真に社会が求める、殊勝なことはやらないようです。

単に、しょうもない、無駄遣いをする、ということなのでしょう。

JR東 JR東海 JR西
ROE 10.05% 12.11% 11.10%
ROA 3.60% 4.48% 3.66%
ROIC 5.09% 5.22% 5.92%
PER 13.3 10.9 14.0
EBITDA 865,480 887,262 361,188
予想FCF 691,557 646,336 290,621
配当利回り 1.58% 0.65% 2.20%
配当性向 20.9% 7.1% 30.9%

 

ROEは全社、10%台に乗せてきています。

ROAは4%の閾値超えているのが、東海だけ。ROICも悪い。

こういう高齢で、頭の固い、レガシー企業が、いっぱいカネを使って、社会設計のフロントに立っているという事実が、若者(ミレニアル世代など)が未来に希望が持てない、何よりの原因ですね。

JR東 JR東海 JR西
グレアム指数 17.7 14.4 21.8
EV/EBITDA 8.1 10.0 7.3
PEGレシオ 13.2 測定不能 13.9
FCFマージン 22.5% 34.2% 18.7%

 

EV/EBITDAを見てしまうと、東海はもはや、割安ですらないです。

この会社は、株主や消費者、取引先などは眼中にないのでしょう。

見ているのは、官僚や政治家だけ。

そして、それが実に最適化に資するのも、日本の資本主義の問題と言えば問題なのですが。

 

総括

政策金利が0.3%の国で、それ以上の成長をしているのなら、それはイノヴェイションを起しているのか。

あるいは、誰かを犠牲にしているかのどちらかだと思います。

鉄道会社、特に、東海旅客鉄道に関しては、圧倒的に後者だと私は考えます。

諸外国に比べて圧倒的に高い運賃。

乗客のほぼ全員が興味のない雑誌(Wedge)などを強制的に搭載してその制作費を運賃に転嫁する傲慢。

こういう企業としての態度は全て、顧客や株主ではなく、行政当局や政治家などに対してロビィ活動する方が、インセンティヴが勝るという、その鉄道の公共経済性に所以しています。

つまり、彼らは彼らで、最適化戦略を取っているに過ぎないということですね。

ゆえに、もし彼らを変えるならば、それこそイノヴェイションが必要ということになります。

例えば、LCCでもっと京都や名古屋などの都市にアクセスしやすくなれば、東海道新幹線の利用客は減るでしょう。

また、自動運転車などが主流になれば、特に新幹線など使わなくとも、遠出することができるようになります。

こういうレガシー企業に、富を独占され、みんなの幸せが奪われている現実から決して目をそむけずに、新しいイノヴェイションに果敢に挑戦し続ける、それが我々に課せられた使命と言っても過言ではないでしょう。

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