【キーエンス】2019.3(本決算)

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【キーエンス】2018.3(本決算)

今回は2019.3期、本決算について考察。

決算情報は決算短信より。単位は特筆なき場合全て百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 587,095 317,868 226,147
前決算② 526,847 292,890 210,595
①-② 60,248 24,978 15,552
成長率 111.4% 108.5% 107.4%

 

※当社は業績予想の開示はしていない。

【対前期】

増収(+60,248、111.4%)、増益(+24,978、108.5%)

営業利益率は55.6%から54.1%へと若干ダウン。

ダウンとは言っても、元のスコアが異常に良すぎる。

粗利率でも、54.1%も出すのはしんどいのでは。

★前期実績と当期実績の差異について

https://www.keyence.co.jp/company/outline/pdf/tan20190424-2.pdf

上は会社のリリースですが、販売統制をより強化(今以上に?)して、新商品開発が奏功した結果の増収増益とのことです。

★日経新聞、キーエンス、7期連続最高益の秘密

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44499910X00C19A5TJ3000/

キーエンスという会社が優秀なセールスが過酷とも言える販売統制の中で、寸暇も惜しんで販売努力をしているために、常軌を逸した利益率を保持できるというのはもはや有名な話ですが、上記記事内の下記の表現がつまりは当社の強さの源泉なのかもしれません。

ある中国企業は「他社がカタログベースの説明に終始するなか、キーエンスだけはニーズを捉えた提案を自らしてくる」と評価する。

つまり、プロダクトアウトではなく、サービスインあるいはマーケットイン。

自分たちが作りたいものではなく、顧客が(潜在的にでも)欲しがっているものを提供することに腐心している。

それが当社の強さの理由なのでしょう。

これは言うのは簡単ですが、なかなか実践するのは難しいということは、キーエンスが一人勝ちしていることからも明らかです。

まず何より、マーケットインするために、顧客の潜在的なニーズを捕まえる必要がありますが、ここがかなり難しいのでは。

そこは緻密で献身的なデータ分析などの賜物なのでしょう。

見習うべき点が多そうです。

 

営業CF

営業CF マージン
当期 209,380 35.66%
前期 202,934 38.52%
当期-前期 6,446 -2.85%
成長率 103.18% -7.41%

 

当期の成績としては、209,380で、マージンが35.6%

対前期で、+6,446、マージンは▲2.8%、成長率が103.18%という出来上がり。

営業利益率54.1%と比較すると、営業CFは少し弱い。(それでもすごい数字ではあるが)

主な増減内訳は以下の通り。

・税引き前利益→ +21,000

・売上債権→   +21,956

・棚卸資産→     +7,043

・仕入債務→     ▲7,700

・法人税等の支払額→▲40,953

運転資本はかなり改善していたが、ここでも足を引っ張るのはやはり税金。

これだけ大金(409億円)を、税金という形で、合法的にせよ、収奪できる国家権力の強さを感じます。

やはり政治家や官僚にこれ以上の力を持たせると、より一層に、腐敗の度合いを深めるでしょう。

日本の政治家数は多すぎるのか(定数削減すべきなのか)検証する。

センスのない、政治家や官僚などが、カネを使うよりも、キーエンスのような強い会社の経営者などが、カネを使う方が、よほど世の中のためになり、より多くの人がハッピーになるはずでしょう。

やはり法人税率はもっと減らしていくべきなんだなと感じます。

 

決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 317,868
有利子負債 当決算期末残高 0
現金預金 当決算期末残高 468,206
株主資本 当決算期末残高 1,581,753
当期純利益 決算短信 226,147
総資産 当決算期末残高 1,682,357
発行済み株式数 当決算期末残高 121.264
支払利息 決算短信 0
減価償却費 決算短信 6,288
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 1,865
BPS 純資産÷発行済み株式数 13,044
株価(円) 直近株価 67,180
配当金額 決算短信 200.0
配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 24,252.864
時価総額 株価×発行済み株式数 8,146,537

 

総資産1.6兆円。株主資本1.5兆円。自己資本比率94.0%

有利子負債はなし。

流動資産1.0兆円。流動負債856億円。流動比率は1274.2%

ネットキャッシュは+4,682億円で対総資産比率が27.8%

当然に金持ち。

とりわけ流動比率がかなり良い。

当社は、自前でメーカー機能は持たないファブレス経営でも有名。

開発と営業という徹底した分業と、それを可能にするアウトソーシングによって、一切の無駄を省いているということでしょう。

個人も同じで、モノを持たない方が、身軽で良い、というのは私個人の信条でもあります。

それだけ開発力や営業力に自信があるのでしょう。

 

当決算から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 14.30%
ROA 総資本利益率 13.44%
PER 株価収益率 36.02
PBR 株価純資産倍率 5.15
ROIC 投下資本利益率 12.93%
WACC 加重平均資本コスト 1.53%
EBITDA 減価償却前営業利益 324,156
FCF Free cash Flow -11,386
EV 企業価値 7,678,331
配当利回り 0.30%
配当性向 10.72%

 

ROE,ROA,ROICのスコアは当然良いのだが、ただ、営業利益率54.1%の会社からすると少し物足りない感はある。

株主資本と資本コストが重たすぎるのでしょう。それと税金も。

グレアム指数が185倍でまあ、普通に高い。PBRは5.15倍。

EV/EBITDAは23.69倍。こちらも高い。

PEGレシオは33.19倍。割安感はないですね。

そしてFCFが赤字。▲113億円。

理由は運転資本の悪化。(売上債権▲9,066、棚卸資産▲3,502、仕入債務▲4,336)

それと投資CFも大きい。(▲205,350)

稼いだカネは使い切っているということのようです。

あと、これだけ稼いでいる会社だと、法人税の負担が本当に大きいですね。

配当利回り、配当性向は大きくない。

まあ、ガンガン投資してもらった方が世の為、人の為なんでしょう。

 

総括

営業利益率54.1%、営業CFマージン35.6%はやはり圧巻。

当期も圧倒的な仕上がりだったのではないでしょうか。

当社がこれだけの高収益・高利益体質を維持できる理由とは以下の3つと考えられます。

・徹底した上意下達システムで優秀なセールスを圧倒的かつ経済合理的な統制環境に置く。

・徹底的なサービスイン・マーケットインによる品質管理。

・それらを可能にする、緻密な数的・定量的分析。

特に、徹底した上意下達システムというのは、一歩間違えると、ヤクザとか官僚組織みたいになりがちとも思えますが、サービスイン・マーケットインによる圧倒的な顧客視点や、アカデミックな定量分析により、事情作業が働いているように見えます。

(そうなっていないのが、JR東海とかの準官僚組織です。【東海カーボン】2018.12(本決算)

やはり民間の厳しい競争環境が、真に靱性の高い企業を作るということと結論づけられると思います。

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