【電通】2018.12(本決算)

関連過去記事。

★2017.12期、本決算

http://tamojun51.com/archives/1685

★広告大手3社決算比較(2017-2018)

http://tamojun51.com/archives/2034

★ネット広告に支配される既存広告

http://tamojun51.com/archives/921

今回は2018.12期、本決算について分析。

決算情報は決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 1,018,512 111,638 90,316
前決算② 928,841 137,392 105,478
当期業績予想③ 1,006,900 112,900 79,500
翌期業績予想④ 1,097,900 122,500 61,400
①-② 89,671 △ 25,754 △ 15,162
成長率 109.7% 81.3% 85.6%
①-③ 11,612 △ 1,262 10,816
達成率 101.2% 98.9% 113.6%
④-① 79,388 10,862 △ 28,916
成長率 107.8% 109.7% 68.0%

 

【対前期】

増収(+89,671、109.7%)、減益(▲25,754、81.3%)

営業利益率は14.8%から11.0%へと、大幅ダウン。

セグメント別で見ると、2017年度は、

国内(売上):416,671 国内(セグメント利益):88,801 利益率21.3%

海外(売上):519,405 海外(セグメント利益):75,146 利益率14.4%

2018年度は、

国内(売上):430,292 国内(セグメント利益):80,268 利益率18.6%

海外(売上):600,140 海外(セグメント利益):72,963 利益率12.1%

上記のように、ぼろ儲けしている国内市場が少し渋くなってきたことが分かる。

そして、海外売上の成長率は115.5%となかなか高いのだが、むしろセグメント利益は減益してしまっている。

利益率は14.4%から12.1%に大きく下落。それでもまだ、高い利益率ではあるようだが。

これはとりもなおさず、電通の提供している広告サービスの地盤沈下の傾向と見て間違いないのではないか。

もはや広告といえば、Google、そしてFacebookの時代。

逆に、電通の提供するサービスの付加価値に対して、これだけの利益率をまだ保全できていることに、違和感しかない。

【対当期業績予想】

増収(+11,612、101.2%)、減益(▲1,262、98.9%)

営業利益率は11.2%を見込んでいたので、ショート。

収益も利益も、ほぼ見込み通り。とはいえ、増収減益である、ということは大きいように思う。

会社が予想していたよりも、自社サービスの付加価値の毀損は激しいということの予兆ではないか?

【対次年度業績予想】

増収(+79,388、107.8%)、増益(+10,862、109.7%)

営業利益率は11.2%を見込むが、どうか?

売上は、1兆1,000億円を少しショートするくらいの規模感。

ただそうは言われても、電通が今更、米企業を相手にとって、増収増益を達成する地合いなのだろうか?

素人目にはそんな風には見えないのだが、結果は進行年度の決算で判断することとする。

 

営業CF

営業CF マージン
当期 133,049 13.06%
前期 141,557 15.24%
当期-前期 △ 8,508 -2.18%
成長率 93.99% -14.29%

 

対前期に置いて、▲85億円。マージンは▲2.18%

営業CFマージン自体は13%超ということで決して悪くはないが、右肩下がりの状況には変わりなし。

主な増減内訳はこちら。

・営業債権→+804億円。

・関係会社株式売却損益→▲521億円。

・営業債務→▲977億円。

売上は増えたのに、営業債権自体はむしろ減っているのは悪くはない感じ。

ただ、営業債務の減少がかなり大きい。▲1,000億円弱の減少。

関係会社株式売却損益▲521億円も痛い。

 

決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 111,638
有利子負債 当決算期末残高 538,859
現金預金 当決算期末残高 416,668
株主資本 当決算期末残高 1,047,619
当期純利益 決算短信 90,316
総資産 当決算期末残高 3,638,488
発行済み株式数 当決算期末残高 281.898
支払利息 決算短信 13,364
減価償却費 決算短信 59,739
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 320
BPS 純資産÷発行済み株式数 3,716
株価(円) 直近株価 4,720
配当金額 決算短信 90
配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 25,370.805
時価総額 株価×発行済み株式数 1,330,558

 

総資産3.6兆円。株主資本1.0兆円。自己資本比率は28.8%

有利子負債5,388億円。D/Eレシオは0.51倍。

流動資産1.9兆円。流動負債1.7兆円。流動比率は108.4%

ネットキャッシュは▲1,221億円の大赤字。

財政状態はお世辞にも良いとは言えない。借金も少なくない。

のれんが、7,868億円計上されている。対総資産比率は21.6%もある。

要は、本当に価値があるんだか、ないんだかわからないようなただの費用の塊であるだけののれんが、総資産の、1/4弱を占めているという状態である。

それなりに危険な会社と評価できると思う。

時価総額は1.3兆円と、まだ1兆円OVERも少し信じがたいくらい。

のれんが8,000億円弱計上された上で、総資産が、3.6兆円の会社。

見合いの借金は、5,400億円ある。本当に1兆円を超える価値がある会社なのかは甚だ疑問であるところ。

 

当決算から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 8.62%
ROA 総資本利益率 2.48%
PER 株価収益率 14.73
PBR 株価純資産倍率 1.27
ROIC 投下資本利益率 4.53%
WACC 加重平均資本コスト 2.14%
EBITDA 減価償却前営業利益 171,377
FCF Free cash Flow 66,013
EV 企業価値 1,452,749
配当利回り 1.91%
配当性向 28.09%

 

ROE,ROA,ROICのスコア、どれも良くない。

このスコアを見ただけで、この銘柄を買うことはない。

どのスコアも良くないが、とりわけ、ROAが悪い。

これは上にも書いた通り、単なる費用の塊に過ぎない、のれんが8,000億円弱もアセットに乗っかっていることは大きいでしょう。

そう考えると、ROAというのは、ROEよりもむしろ重要な指標と言うことができるのかもしれません。

グレアム指数は18.71倍と高くはない。まあそれだけ市場の期待値が低くなっていることの表れでもあろう。

PBRは1.27倍と、こちらも決して高くはないだろう。

EV/EBITDAは8.48倍とこちらも高くはない。

EVの1.45兆円は、そんなにびっくりするほど高いわけではないのだろうか?

マイナス成長なので、PEGレシオは測定不能。

FCFマージンは6.48%と悪い。運転資本の悪化(棚卸資産▲65億円。仕入債務394億円)が大きい。

配当・配当性向はそこそこ。

 

次年度業績予想から計算する経営指標

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 122,500
当期純利益 決算短信 61,400
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 218
予想配当金額 決算短信 95
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 26,780.294

 

当期純利益は614億円と結構低い。

各指標
ROE 自己資本利益率 5.86%
ROA 総資本利益率 1.69%
PER 株価収益率 21.67
ROIC 投下資本利益率 4.97%
EBITDA 減価償却前営業利益 182,239
FCF Free cash Flow 138,580
EV 企業価値 1,452,749
配当利回り 2.01%
配当性向 43.62%

 

当期純利益がダウンしたことで、ROE,ROAのスコアもかなり悪化している。

ROICも多少改善されたが悪い。

グレアム指数も27.52倍と悪化。

EV/EBITDAは7.97倍と良化。

PEGレシオは19.75倍。高くはないんだけど、、うーん。

FCFマージン、投資CF加味前で、13.76%

FCFがここまで良く出るかは疑問。

配当・配当性向はかなり良くなっている。

 

総括

ネット広告大手(Facebook/Google)に電通が勝てる時代が来るとは、とても思えない。

その思えない、というのは、経営/ビジネスの素人の私が言っているだけであり、もしかしたら、起死回生の一手があるのかもしれないが、それはとてもあるようには、今のところ感じられない。

なので、次年度の業績予想における、増収増益も、絵に描いた餅以上の何物でもないのでは?という疑いはぬぐい切れない。

国内における利幅は減少傾向にあり、元々国内と比べると利幅の薄い海外に売上を依存しつつある。

利益率はむしろ、翌期以降、もっと落ちるのではないだろうか。

みんな、Googleがなくなったら、本当に困るが、電通がなくなっても困る人はそんなに多くないでしょう。

(むしろなくなった方がいいんでは?)

それが利益率に表れているだけではないかな?と思います。

【スポンサーリンク】
------------------------------- 技術者募集 -------------------------------
【企 業 名】株式会社ファンコミュニケーションズ
【概  要】「A8.net」を開発運用するアフィリエイトソリューションプロバイダー
     の株式会社ファンコミュニケーションズが業務拡大につき技術者を募集中。
【業務内容】A8.net/Moba8.netの企画・設計・開発・運用・保守など。
----------------------------------------------------------------------------
第二新卒向けの就職支援サービス
----------------------------------------------------------------------------
ウズウズカレッジ
----------------------------------------------------------------------------
登録1万円キャンペーン他♪各種キャンペーン実施中!
薬剤師の派遣・転職 株式会社AXIS(お仕事ラボ運営)

----------------------------------------------------------------------------
薬剤師の求人・転職なら「ファルマスタッフ」
----------------------------------------------------------------------------
掲載課金・採用課金型の本格的な求人サイトを構築【求人サイト基本システム】
----------------------------------------------------------------------------

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です