【アバント】2018.12(中間決算)

関連過去記事。

★2018.6期、本決算

http://tamojun51.com/archives/2261

★2017.12期、中間決算

http://tamojun51.com/archives/1667

今回は2018.12期、中間決算について分析。

決算情報は決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 6,933 1,015 641
前決算② 5,689 660 431
業績予想③ 13,578 1,654 1,078
YoY 1,244 355 210
121.9% 153.8% 148.7%
③-① 6,645 639 437
進捗率 51.1% 61.4% 59.5%

 

【対前四半期累計】

増収(+1,244、121.9%)、増益(+355、153.8%)

かなりの増益をしているように見える。

営業利益率は11.6%から14.6%にアップ。

アウトソース事業などを始めとして、大型案件受注により、売上高が増進したという説明。

【対業績予想】

進捗率。

売上、営業利益共に、過達している。特に営業利益はかなり順調に見える。

営業利益率は12.2%を見込んでいたので、かなり計画を上振れているようである。

業績予想の修正・配当予想の修正ともになし。

 

営業CF

営業CF マージン
当期 -219 -3.16%
前期 -202 -3.55%
増減 -17 0.39%

 

驚くべきことに、営業CFが赤字!!▲2.1億円。

なぜ、営業利益が良くなっているのに、営業CFはむしろ悪化しているのか。

対前期で、増減内訳を見てみる。

・税引き前利益→+3.5億円。

・賞与引当金→+1.2億円。

・仕入債務→+1.1億円。

・法人税等の支払→▲2.3億円。

・売上債権→▲2.8億円。

・前受収益→▲0.9億円。

利益が+3.5億していても、売上債権▲2.8億や、前受収益▲0.9億で結局赤字。

また、役員賞与引当金を▲90,268も積んでいる。

損金算入要件を満たしているのかどうかは知りませんが、役員にボーナスを支給しようとしているようです、この会社は。

どんなに利益が良く見えていても、営業CFが赤字の会社はダメ、というのが持論です。

(利益も悪くて、その結果、営業CFも悪いが、将来的に見込みがある会社はまあ別ですが)

この会社は「利益は良く出ているのに、CFが悪い」という私から見ると、かなり性質の悪い会社なのです。

 

決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 業績予測 1,654
有利子負債 当決算期末残高 12
現金預金 当決算期末残高 3,995
株主資本 当決算期末残高 5,214
当期純利益 業績予測 1,078
総資産 当決算期末残高 8,715
発行済み株式数 当決算期末残高 18.778
支払利息 業績予測 0
非資金的費用 業績予測 154
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 57
BPS 純資産÷発行済み株式数 278
株価 直近株価 1,398
予想配当金額 決算短信 15.0
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 281.674
時価総額 株価×発行済み株式数 26,252

 

総資産87億円。株主資本52億円。自己資本比率は59.8%

有利子負債12MIL,D/Eレシオはほぼゼロ。

流動資産70億円。流動負債33億円。流動比率は212.1%

ネットキャッシュは+39億円。対総資産比率は45.7%

カネはまあある。

時価総額は262億円。

カネはないことはないが、利益だけが良く見えている会社で、この時価総額は高すぎるのではないか?という感じがしないでもないです。

 

業績予想から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 20.68%
ROA 総資本利益率 12.37%
PER 株価収益率 24.35
PBR 株価純資産倍率 5.03
ROIC 投下資本利益率 20.37%
WACC 加重平均資本コスト 5.39%
EBITDA 減価償却前営業利益 1,808
FCF Free cash Flow 627
EV 企業価値 22,269
予想利回り 1.07%
配当性向 26.13%

 

ROE,ROA,ROICはかなり良いスコアに見えている。

グレアム指数は122.6倍と高い。PBRは5.03倍とこちらも高い。

EV/EBITDAは12.3倍とこちらも割高。

PEGレシオは15.84倍と、気持ち割高に思います。

FCFマージンは4.6%と14.6%の営業利益率から10%も下落している。

売上債権▲4.2億円、棚卸資産▲1.0億円など、運転資本が足を引っ張る。

配当利回りは高くない。配当性向はまあまあ。

つまり株価が、分不相応に高いということではないでしょうか。

 

総括

財務三表を矯めつ眇めつすると、「え?」という事実にぶち当たることもある。

とりわけこの会社は性質が悪いと感じた。

PLは凄く良く出ている。ただ、CFが赤字。

粉飾決算をしている、とまでは言わないが、大型案件急増による、予想外の売上増によって、売掛債権の管理などに、運用が追い付いていないようなリスクはないだろうか?(あるいはそれに類するようなリスク)

紙の上で、いくら利益が出ていても、肝心のキャッシュが稼げていないと、会社はいけなくなる。

逆に言えば、利益なんか出ていなくとも、カネさえあれば。

CASH IS KING.

PLというのは、もちろん重要な帳票ではあるのでしょうが、それだけで、会社の状況を類推してしまうのはとても危険。

なので、私は、順番的に、PL→CF→BSを見るように心掛けています。

やはり財務三表というのは、先人の叡智や合理性などが集積されてきた結果なので、あだ疎かにすべきではないのでしょう。

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