【曙ブレーキ工業】2018.9(2Q決算)

独立系ブレーキメーカー。

内外で高シェア。GM、日産、トヨタ中心に多数のメーカーへ供給。

★曙ブレーキが私的整理

https://this.kiji.is/463001247383782497?c=113147194022725109

当記事によると当社が「事業再生ADR」を申請したとのこと。

事業再生とは穏やかでない事態。

企業はどういう風な状態になると事業再生するのか、ひとつの事例として、ここに記しておくこととする。

今回は2018.9期、2Q決算について分析。

決算情報は決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 126,443 2,487 129
前決算② 136,050 4,384 1,222
業績予想③ 244,400 7,500 2,000
YoY △ 9,607 △ 1,897 △ 1,093
92.9% 56.7% 10.6%
③-① 117,957 5,013 1,871
進捗率 51.7% 33.2% 6.5%

 

【対前四半期累計】

減収(△9,607、92.9%)、減益(△1,897、56.7%)

営業利益は大きく減益している。

営業利益率は2.0%で、対前四半期累計において、△1.2%

まあやはりそれなりに市況環境が厳しかったようではある。

ただ利益は(薄いが)確保はしていた。

【対業績予想】

進捗率。

売上は順調に消化している。ただ営業利益はかなり計画に劣後している。

予想以上の落ち込みということ。

業績予想では営業利益率は3.1%を見込んでいた。△1.1%

利益率の高いビジネスの減少や資材高騰、新製品開発費用などが利益を圧迫。

後は以前から懸念であった北米もよろしくない。

 

営業CF

営業CF マージン
当期 5,839 4.62%
前期 6,772 4.98%
増減 -933 -0.36%

 

ただ営業CFはそこまで悪いわけではない。

+58億円。マージンは4.6%、、そこまで悪くない。

主な増減内訳は以下の通り。

・税引き前利益→△12億円。

・売上債権→+11億円。

・投資有価証券売却損益→△5億円。

+58億円程度の営業CFでは賄いきれないほど、財政状態が厳しかったということでしょうか。

 

決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 業績予測 7,500
有利子負債 当決算期末残高 108,310
現金預金 当決算期末残高 12,143
株主資本 当決算期末残高 12,911
当期純利益 業績予測 2,000
総資産 当決算期末残高 189,066
発行済み株式数 当決算期末残高 133.221
支払利息 業績予測 2,094
非資金的費用 業績予測 11,884
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 15
BPS 純資産÷発行済み株式数 97
株価 直近株価 172
予想配当金額 決算短信 0.0
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 0.000
時価総額 株価×発行済み株式数 22,914

 

総資産1,890億円。株主資本129億円。自己資本比率6.8%

有利子負債1,083億円。D/Eレシオは8.39倍。

流動資産659億円。流動負債912億円。流動比率72.3%

ネットキャッシュ△961億円の大赤字。

現在の時価総額はおよそ229億円。

自己資本比率の低さ、D/Eレシオの高さ、流動比率の低さ、ネットキャッシュの大赤字。。。

これらを勘案すると、やはり財政状態はとんでもなく悪いことは明らか。

私的整理をする会社の財務状況はやはりそれなりに悪い、と結論づけて問題ないのだと感じました。

 

業績予想から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 15.49%
ROA 総資本利益率 1.06%
PER 株価収益率 11.46
PBR 株価純資産倍率 1.77
ROIC 投下資本利益率 3.98%
WACC 加重平均資本コスト 1.11%
EBITDA 減価償却前営業利益 19,384
FCF Free cash Flow 10,695
EV 企業価値 119,081
予想利回り 0.00%
配当性向 0.00%

 

自己資本比率がとんでもなく低いので、(債務超過とかではないが)ROEがやたらと良く出ている。

ここらへんがROEという指標の弱点なのではないかと私は考えていますが。

ROA,ROICは当然のように低い。

グレアム指数は20.3倍。PBRは1.77倍。滅茶苦茶安い、というほどではないプライス。

EV/EBITDAは6.1倍。安い。しかし営業利益が計画通りにいくか、という疑義もある。

FCFマージンは4.4%で意外にもプラス。営業利益よりも大きいことが見込まれる減価償却費などがあるため。

配当は当然になし。これで配当してたらおかしい。

 

総括

老舗のブレーキメーカー。

ゆえに、突然の「私的整理」は唐突感があった。マクロの自動車市場の環境自体はそれほど悪いとも見えなかったし。

しかし、財政状態などを軽く検分すると、確かに、「危険信号」は出ていたと思う。

今回のこれは、かなり貴重なケーススタディになろうかと思います。

実際に企業に投資を考える場合、表面的な経営成績だけではなく、財政面を少し見るだけでいい。

分かりやすい危険信号が出ていることに気付けます。

そう考えると、このファンダメンタル分析というのはやはりワークするんだな、という気持ちを新たにしました。

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