【東海旅客鉄道】2018.9(2Q決算)

関連過去記事。

★2018.3期、本決算

http://tamojun51.com/archives/1854

★2017.9期、2Q決算

http://tamojun51.com/archives/1389

今回は2018.9期、2Q決算について分析。

決算情報は決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 918,127 390,998 244,727
前決算② 899,544 371,889 220,854
業績予想③ 1,855,000 673,000 411,000
YoY 18,583 19,109 23,873
102.1% 105.1% 110.8%
③-① 936,873 282,002 166,273
進捗率 49.5% 58.1% 59.5%

 

【対前四半期累計】

増収(+18,583、102.1%)、増益(+19,109、105.1%)

横ばいとはいえ、まだ成長を続ける。新幹線の強さが分かります。

営業利益率は41.3%から42.6%へと1.3%もアップしている。

このド高い営業利益率が、東海旅客鉄道が、乗客から大きく搾取していることを証明する何よりも定量的事実だと思われます。

「本当に必要なのか?」と見られる多くのホワイトカラーなどの、不当に高い人件費なども、すべて新幹線利用者が負担しています。

【対業績予想】

進捗率。

売上は若干ショートしていますが、営業利益率は大幅過達。

業績予想の営業利益率が36.3%なので、+6.3%もの達成率。

これが何か革新的な商品がサービスを開発したがゆえの結果ならば賞賛できるのですが、実質は上に書いたように、規制と資本力の高い壁に守られた競争のないブルーオーシャンです。

携帯電話会社が利用料金を値下げするような圧力が行政からかけられているという報道が最近かまびすしいですが、この鉄道会社にもそういう圧力が明らかに必要でしょうね。

 

セグメント情報

事業構成比 売上 セグメント利益 構成比
運輸業 719,116 371,651 78.3%
流通業 121,965 4,330 13.3%
不動産業 22,945 10,649 2.5%
その他 54,099 4,122 5.9%
調整 244 0.0%

 

およそ8割の売上を占める運輸業。利益率も51.7%と当然トップ。

しかし、51.7%の利益はいくら何でも異常ではないでしょうか?

不当に高すぎる利用料金にこれだけの利益が上乗せされていると、新幹線の利用者はみな、知っているのでしょうか?

構成比自体はそう高くはないが、不動産業の利益率も46.4%と高い。

規制と資本力で、搾取するのが上手い、行政の出先機関です。

流通業に関しては利益率は3.6%と低い。

あの駅立地などの破格に有利な条件をもってして、この程度の利益率しかあげられないところに企業の地力が表れていると毎度痛感します。

あの売場を、もっと民間の優秀な人間に解放すれば、もっとみんながハッピーになれるのではないでしょうか。

 

決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 業績予測 673,000
有利子負債 当決算期末残高 4,928,882
現金預金 当決算期末残高 3,398,160
株主資本 当決算期末残高 3,253,553
当期純利益 業績予測 411,000
総資産 当決算期末残高 9,066,490
発行済み株式数 当決算期末残高 195.881
支払利息 業績予測 80,990
非資金的費用 業績予測 204,430
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 2,098
BPS 純資産÷発行済み株式数 16,610
株価 直近株価 21,215
予想配当金額 決算短信 140.0
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 27,423.395
時価総額 株価×発行済み株式数 4,155,624

 

総資産9兆円。株主資本3.2兆円。自己資本比率35.9%

有利子負債4.9兆円。D/Eレシオは1.51倍。

流動資産3.7兆円。流動負債0.56兆円。流動比率670.4%

ネットキャッシュは△1.3兆円の大赤字。

時価総額は4.1兆円。

これだけの図体で、時価総額4兆円というのは、実は市場の評価はそう高くはない。

 

業績予想から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 12.63%
ROA 総資本利益率 4.53%
PER 株価収益率 10.11
PBR 株価純資産倍率 1.28
ROIC 投下資本利益率 5.29%
WACC 加重平均資本コスト 0.97%
EBITDA 減価償却前営業利益 877,430
FCF Free cash Flow 357,229
EV 企業価値 5,686,346
予想利回り 0.66%
配当性向 6.67%

 

ROE,ROA,ROICもあれだけの営業利益率の割にはしょぼい。

equityやらdebtやら、無闇に図体だけはでかいので。

グレアム指数は12.9倍、PBRも1.28倍と高くはない。

EV/EBITDAも6.5倍と安く見える。

PEGレシオは9.62倍とこちらも安く見える。

FCFマージンは19.3%と高い。しかし営業利益率42.6%を考えるとかなり低くなってしまっています。

無駄遣いをしてはいないかと投資家としては勘繰りたくもなるスコアなのではないか。

配当利回り、配当性向も低い。

投資家や新幹線利用者は、二の次、三の次。。

大事なのは、監督当局の覚えめでたいか否かくらいなもんです。

こういう規制産業は自然とお客さんとか投資家ではなく、政治家や官僚の方を向いて仕事をしだすことになります。

 

総括

営業利益率42.6%、営業CF+2,762億円。(営業CFマージンが30.09%)

明らかに稼ぎ過ぎに見えるのは私だけなのでしょうか?

全然、他の企業との競争に打ち克って、市場を独占している、とかの状況でしたら素直に感嘆の声を上げますが。

いくら何でも、この高い利用料金を保持してしまっていいのでしょうか。

★携帯大手3社決算比較

http://tamojun51.com/archives/1961

★ドコモ来年度値下げへ

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181029-OYT1T50004.html

菅官房長官や総務省などが携帯大手3社(MNO)の料金が高すぎる圧力がかかり、それに呼応して、携帯会社も渋々、値下げに踏み切るようです。

期待外れに終わらないことを祈りますが。

携帯電話は公共の電波を使っていますから、行政によるこういった類の圧力がかかるのはむしろ当然。

投資家はこれを、潜在する経営リスクとして認識しておかねばなりません。

翻って、同じことが、鉄道会社にも言えるのではないでしょうか。

こんなに高い利用料金を保全しておく、合理性が一利用者からすると見つけられません。

適性な価格に下げ、多くのステイクホルダーに報いる姿勢を少しは見せるべきでしょう。

しかし、東海の会長の葛西御大が、現政権の安倍総理と仲良しというのは、周知の事実。

携帯会社よりも、政治の上手い東海によって、東海帝国の牙城は死守されてしまうのでしょうか?

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