【ファーストリテイリング】2018.8(本決算)

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★スタートトゥデイ(現ZOZO)2018.6期、1Q決算

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★セブン&アイHD、2018.8期、2Q決算

http://tamojun51.com/archives/2099

今回は2018.8期、本決算内容について分析。

決算情報は決算短信より。

単位は特筆なき場合全て百万円とし、それ以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 2,130,060 236,212 154,811
前決算② 1,861,917 176,414 119,280
当期業績予想③ 2,110,000 225,000 130,000
翌期業績予想④ 2,300,000 270,000 165,000
①-② 268,143 59,798 35,531
成長率 114.4% 133.9% 129.8%
①-③ 20,060 11,212 24,811
達成率 101.0% 105.0% 119.1%
④-① 169,940 33,788 10,189
成長率 108.0% 114.3% 106.6%

 

【対前期】

増収(+268,143、114.4%)、増益(+59,798、133.9%)

まだまだ成長を続けているのが凄い。

とりわけ営業利益の成長率が30%以上というのは驚異的。

営業利益率は9.5%から11.1%へと1.6%もアップしている。

【対当期業績予想】

売上、営業利益ともに、達成率100%以上。

公約実現。素晴らしい。

営業利益率は10.7%目標だったので、+0.4%の過達。

文句なしの好決算と思われます。

【対次年度業績予想】

当期に引き続き、売上2兆円超えを企図。

売上、営業利益ともに成長予想。

しかし営業利益の当期の成長率は33.9%という大きなものだったのに対して、次年度の成長は14.3%と少々控えめか。

この規模の会社で、更に10%超えの成長というのはそれはそれで普通に脅威だとは思うが。

ある程度成熟は余儀なくされるとは感じる。

 

セグメント情報

事業構成比 売上 セグメント利益 構成比
国内ユニクロ 864,778 119,040 40.6%
海外ユニクロ 896,321 118,897 42.1%
ジーユー 211,831 11,774 9.9%
グローバルブランド 154,464 △ 4,115 7.3%
その他 2,664 240 0.1%
調整 △ 9,624 0.0%

 

特筆すべきは、売上が、海外>国内となったことであろう。

国内市場の成長率は、106.66%だったのに対して、海外市場の成長率は、126.56%

飽和・成熟の足音がヒタヒタと忍び寄る国内市場に比べて、海外市場ののびしろにはまだまだ期待できそうな予感がある。

そしてユニクロの凄いのは、国内市場と海外市場の利益率がそれほど変わらないということ。

国内市場(13.8%)、海外市場(13.3%)

上記にリンクを貼ったセブン&アイや、例えば自動車(トヨタ、日産、ホンダ)も、海外の売上は大きいのだが、国内と比較すると利益率がガックンと落ちる。

それは、もちろん為替や、海外でのオペレーションによるコストがかさむこと、海外展開の初期費用や投資の回収などが大きいのだが、ユニクロにはそれがない。

むしろ国内のしみったれた市場よりも中国などで高く売るビジネスがワークしているようにも見える。

そこが経営の妙なのでしょう。

 

決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 236,212
有利子負債 当決算期末残高 674,525
現金預金 当決算期末残高 999,697
株主資本 当決算期末残高 862,936
当期純利益 決算短信 154,811
総資産 当決算期末残高 1,953,466
発行済み株式数 当決算期末残高 102.003
支払利息 決算短信 3,169
減価償却費 決算短信 45,055
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 1,518
BPS 純資産÷発行済み株式数 8,460
株価(円) 直近株価 56,070
配当金額 決算短信 440
配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 44,881.319
時価総額 株価×発行済み株式数 5,719,308

 

総資産1.9兆円、株主資本0.8兆円。自己資本比率44.2%

有利子負債6,745億円。D/Eレシオは0.78倍。

流動資産1.6兆円。流動負債0.5兆円。流動比率は324.0%

ネットキャッシュは3,251億円。対総資産比率は16.6%

財務的にもバランスが取れているように見受けられます。

時価総額が5.7兆円。さすがのサイズ。

株価56,070円は凄い。

 

当期決算から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 17.94%
ROA 総資本利益率 7.92%
PER 株価収益率 36.94
PBR 株価純資産倍率 6.63
ROIC 投下資本利益率 9.89%
WACC 加重平均資本コスト 3.05%
EBITDA 減価償却前営業利益 281,267
FCF Free cash Flow -28,757
EV 企業価値 5,394,136
配当利回り 0.78%
配当性向 28.99%

 

ROE,ROA,ROICもさすがに良いスコア。

グレアム指数は244.85倍とバカ高い。

EV/EBITDAは19.18倍とこちらもかなり割高。

PEGレシオも27.59倍と成長率は悪くないが、PERが重たい。

FCFはなんと赤字。大きな理由としては、運転資本の悪化。

とりわけ棚卸資産が、1,751億円も増えてしまっていて、これが大きい。

営業CFも212,168⇒176,403(83.14%)とマイナス成長。

これはあまり良くはない。

配当性向はそこそこ良いのに、配当利回りは低い。

まあ株価がちと高すぎるのでしょう。

単位株買うのに560万円が必要となると、多くの個人投資家は手出しできないのでは。

 

次年度業績予想から計算する経営指標

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 270,000
当期純利益 決算短信 165,000
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 1,618
予想配当金額 決算短信 480
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 48,961.439

 

上記の次年度業績予想パラメタを入力して経営指標を再計算する。

各指標
ROE 自己資本利益率 19.12%
ROA 総資本利益率 8.45%
PER 株価収益率 34.66
ROIC 投下資本利益率 11.30%
EBITDA 減価償却前営業利益 315,055
FCF Free cash Flow 218,827
EV 企業価値 5,394,136
配当利回り 0.86%
配当性向 29.67%

 

ROE,ROA,ROICのスコアはとても良い。

グレアム指数は229.73倍とやはりかなり高い。

EV/EBITDAは17.12倍とこちらも割高。

PEGレシオは30.32倍。成長率が鈍った分、30倍台の大台に。

FCFマージンは10.37%とそれなりに強い。

配当利回りはやはりそこまで良くはないでしょう。

 

総括

PBR6.63倍と高い。

これが王者の風格なのでしょうか。

ファンダメンタルズはとても良い。

一方で、業績予想などを見ると、多少成長が鈍化してきているか?と見えなくもない。

私はこの規模で、まだ成長見込みがあるのはやはり桁違いだな、と思ってしまう面がありますが。

しかし成熟の足音はやはり近づいてきているのかなという印象。

さはさりながら、海外売上が国内を抜き去り、しかも利益率で国内に劣っていないという事実を鑑みると、やはりユニクロには期待してしまう何かがありそうです。

ユニクロ王者時代はまだしばらくは続くのかな、という感じでしょうか。

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