【ゲーム・ソフト大手3社】決算比較分析(2018.3)

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今回は【ゲーム・ハード・ソフト】大手3社(任天堂、バンナムHD、スクエニHD)の決算比較分析。

決算情報は各社決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円未満の金額は切り捨てている。

 

経営成績

任天堂 バンナムHD スクエニHD
売上高 1,055,682 678,312 250,394
営業利益 177,557 75,024 38,176
営業利益率 16.8% 11.1% 15.2%
営業CF 152,208 55,138 30,638
営業CFマージン 14.4% 8.1% 12.2%
最終利益 139,590 54,109 25,821

 

売上は任天堂が1兆円超えで王者。

営業利益率も16.8%という好スコアで任天堂が王者。

しかし全社ともに、営業利益率は10%超えで、ゲーム業界は儲かっているように見える。

営業CFマージンも14.4%の高率で、任天堂が首位。

任天堂強い。

しかし意外なのは、スクエニよりもバンナムの方が売上が圧倒的に大きいこと。

「ドラクエ」「FF」世代の私としては、ゲーム業界は任天堂とスクエニがツートップと思い込んでいた。

バンナムはゲームというよりも、「仮面ライダー」「プリキュア」などのトイホビー系。

そして、スマホゲームが強く、他の二社とは、少し性格が違う。

 

決算パラメタ

任天堂 バンナムHD スクエニHD
総資産 1,633,748 540,490 259,713
株主資本 1,337,369 394,133 196,330
現金預金 744,555 185,517 136,785
有利子負債 0 0 8,931
流動資産 1,276,764 359,613 222,544
流動負債 278,076 136,273 58,842
支払利息 0 37 84
非資金的費用 9,064 23,735 5,859
EPS 1,162 246 215
BPS 11,136 1,794 1,637
配当金額 590 123 65
配当総額 70,858 27,023 7,794
発行済み株式数 120.099 219.699 119.913
株価 40,160 4,310 5,070
時価総額 4,823,169 946,903 607,957

 

株価が任天堂だけケタが違う。

当然時価総額も桁が違う。

任天堂の時価総額は4.8兆円。他を大きく引き離しています。

任天堂 バンナムHD スクエニHD
自己資本比率 81.9% 72.9% 75.6%
D/Eレシオ 0.00 0.00 0.05
流動比率 459.1% 263.9% 378.2%
ネットキャッシュ 744,555 185,517 127,854
 対総資産比率 45.6% 34.3% 49.2%

 

自己資本比率でも王者は任天堂。

任天堂とバンナムはしかも無借金経営。スクエニもほぼ無借金のようなものか。

流動比率も任天堂が図抜けて高い。

ネットキャッシュは各社とも大きい。

中でも、やはり任天堂の7,445億円は圧巻。

CASH/ASSETSでも各社高い。どこも高いが、とりわけ、スクエニの49.2%は凄い。

どの会社も財務的には超安定しています。

 

当決算から計算する経営指標

任天堂 バンナムHD スクエニHD
ROE 10.44% 13.73% 13.15%
ROA 8.54% 10.01% 9.94%
ROIC 8.54% 12.25% 11.97%
PER 34.6 17.5 23.5
PBR 3.6 2.4 3.1
WACC 5.3% 6.9% 3.8%
EBITDA 186,621 98,759 44,035
FCF 152,120 △ 7,471 14,561
EV 4,078,614 761,386 480,103
配当利回り 1.47% 2.85% 1.28%
配当性向 50.8% 49.9% 30.2%

 

ROE,ROA,ROICのスコアを見てみると、一番良いスコアを叩きだしているのがバンナム。

特にROAも10%に乗せているのは大変に好感。

一方で王者任天堂。悪くはないスコアだが、他2社に比べると多少見劣りする。

キャッシュを持ちすぎなのかもしれない。

配当利回りでもバンナムがお買い得。

任天堂 バンナムHD スクエニHD
グレアム指数 124.6 42.0 72.9
EV/EBITDA 21.9 7.7 10.9
PEGレシオ 5.7 14.8 19.3
FCFマージン 14.4% -1.1% 5.8%

 

グレアム指数およびEV/EBITDAはバンナムが一番割安。

一方PEGレシオでは任天堂が抜群に割安。5.7倍。

これは成長率が奏功。当期の任天堂の営業利益成長率はなんと脅威の600%超え。

SWITCHが強い。しかしこの神通力がいつまで効力を発揮するのかは神(市場・相場)のみが知るところです。

任天堂は運転資本は多少悪化(売掛債権は大きく減ったが、棚卸資産が大きく増加している)しているが、有価証券売却などで投資CFもプラスに転じたことなどから、FCFがとても良い。

逆にバンナムは投資を結構大きくしたことなどから、FCFは74億円の赤字になっている。

 

来期業績予想から計算する経営指標

任天堂 バンナムHD スクエニHD
売上 1,200,000 650,000 270,000
営業利益 225,000 60,000 30,000
営業利益率 18.75% 9.23% 11.11%
最終利益 165,000 43,000 21,000
EPS 1,374 196 175
予想配当金額 690 36 53
予想配当総額 82,868 7,909 6,355

 

任天堂はなかなか強気の業績予想。売上1.2兆円。

しかしバンナムとスクエニは揃ってマイナス成長と弱気。

 

任天堂 バンナムHD スクエニHD
ROE 12.34% 10.91% 10.70%
ROA 10.10% 7.96% 8.09%
ROIC 10.83% 9.80% 9.41%
PER 29.2 22.0 29.0
EBITDA 234,064 83,735 35,859
FCF 153,874 62,351 25,167
配当利回り 1.72% 0.84% 1.05%
配当性向 50.2% 18.4% 30.3%

 

ROE,ROA,ROICのスコアはなんと、任天堂がバンナムを逆転してしまう。

これが実現すると任天堂の実力はやはり本物だったと市場が畏れる展開になる。

飽くまで実現すればの話ですが。

SWITCH次第。つまり後続のソフトコンテンツ次第ということでしょう。

任天堂はこの大きな株価にも関わらず、配当利回りも3社トップになってしまう。。

任天堂 バンナムHD スクエニHD
グレアム指数 105.4 52.9 89.6
EV/EBITDA 17.4 9.1 13.4
PEGレシオ 23.1 測定不能 測定不能
FCFマージン 12.8% 9.6% 9.3%

 

グレアム指数、やはり任天堂高いが、相対的に、そこまで大きく高いという風に見えなくなってきた。

EV/EBITDAも同様。バンナムだけが割安感がある。

PEGレシオでは任天堂のみ気を吐く。バンナムとスクエニはマイナス成長。

FCFマージンも任天堂強い。

任天堂の天下が続くのか。

 

総括

任天堂の業績予想が実現したら、やはり任天堂の実力は本物なんだと納得せざるを得ないでしょう。

一方、任天堂の陰に隠れているが、バンナムも何気に良い決算だったように思う。

次年度は弱気だが、堅実と言い換えることもできる。

スクエニも弱気な業績予想だが、少し前こんな報道があった。

★テンセントとスクエニ合弁 中国でゲーム配信・開発

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34807390Q8A830C1TJ3000/

 

中国13億人にドラクエとかFFを販売というのはかなり良い線行ってるんじゃないの?と感じる。

中国人ってなんかゲーム好き多そうだし。何よりやっぱり市場が大きい。

子供の頃からドラクエやFFを楽しんでプレイしていた身として、ドラクエやFFが世界水準になっていくのを見てみたいという気持ちもある。

ただ、アメリカ人とかにはそれほどRPGがハケない、というような話も聞く。

コツコツとレベルアップしたり、カネを集めたりするのが性に合わない国民性とかが、もしかしたらあるのかもしれない。

別に統計取ったわけでもないので、確かなことは言えませんが。

テンセントと組んだからと言って、それでいきなりスクエニのコンテンツが爆発的に売れるようになるのかというと、多少の懸念もあるのではないかと考えるということです。

ただ、任天堂にしろ、スクエニにしろ、デフレでしみったれた、国内市場よりも、海外に打って出るという戦略は大きくは外していない経営だと思いますし、こういう会社のヴァリュエーションが上がる市場はやはり健全なのではないかと感じます。

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