【広告大手3社】2017-2018(決算比較分析)

関連過去記事。

★電通2017.12期、決算

http://tamojun51.com/archives/1685

★はあちゅうvs岸

http://tamojun51.com/archives/1516

★電通の存在意義とは??

http://tamojun51.com/archives/48

今回は嫌われ者、広告代理店・ネット広告の3社(博報堂DY、電通、サイバーエージェント)の決算を比較分析。

決算情報は各社決算短信より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

博報堂DY 電通 サイバーエージェント
売上高 1,335,030 928,841 371,362
営業利益 52,187 137,392 30,700
営業利益率 3.9% 14.8% 8.3%
営業CF 32,372 141,557 21,624
営業CFマージン 2.4% 15.2% 5.8%
最終利益 29,834 105,478 4,024

 

売上トップは、1.3兆円の博報堂DY。

やはり大広と読売広告社と組んでいる効果は大きい。電通を規模で超えている。

単体ならば、国内トップの電通の売上は0.92兆円で1兆円未達。

国内トップなら1兆円の売上は確保したいところ。

ちなみに、世界のGoogle(Alphabet)の売上高と営業利益は以下の通り。

・Revenues $110,885mil(約12.19兆円)

・Income from operations $26,146mil(約2.87兆円)

売上は電通の約12倍。営業利益に至っては約21倍。

Googleは営業利益率23.5%の超高利益体質。

かたや電通の営業利益率は14.8%と遠く及ばない。

若い人間を過労自殺するまでこき使い倒している会社と、社内で卓球したり遊びながら仕事している会社。

それがここまで経営成績に差をつけられているというのが大変に痛快です。

むしろ悲しくなるほどに、経営者の性能差というものをまざまざと見せつけられています。

電通などの広告代理店が嫌われているのはここに所以しているのかもしれません。

翻って、日本の広告代理店に話を戻すと、売上はトップの博報堂の営業利益率が低い。(3.9%)

営業利益率では辛うじて電通がトップ。やはり残業代などの人件費を節約している効果なのでしょうか。

営業CFマージンでも電通がトップ。

メディアなどを牛耳るその政治力で、稼ぐ力を担保しています。

(少なくとも国内においてはまだその威光が通用する)

 

決算パラメタ比較

博報堂DY 電通 サイバーエージェント
総資産 799,901 3,562,857 164,009
株主資本 282,439 1,093,211 74,672
現金預金 146,171 305,760 46,614
有利子負債 9,955 460,512 1,119
流動資産 550,856 1,836,584 117,010
流動負債 390,851 1,742,215 62,799
支払利息 183 11,391 13
非資金的費用 8,010 55,587 8,450
EPS 80 373 32
BPS 758 3,867 594
配当金額 26 90 32
配当総額 9,692 25,443 4,023
発行済み株式数 372.776 282.702 125.731
株価 1,719 5,170 5,720
時価総額 640,802 1,461,571 719,182

 

総資産の規模ではやはり電通がでかい。3.5兆円。

とは言っても、およそ8,000億円もの、のれんが計上されていたりするんですが。。

株主資本も1兆円超え。しかし繰り返しますが、このバランスシートには8,000億円もののれんが計上されていますので、お気を付けください。

時価総額でもトップはやはり電通。1.46兆円。

ちなみにGoogleの時価総額は50兆円とかです。

もはや比較するのは、Googleに対して失礼でしょう。

そして驚きなのは、売上トップの博報堂DYよりも、サイバーエージェントの方が時価総額が大きいということ。

博報堂DYが良いのは売上だけ。これはこれでまた悲しい。

博報堂DY 電通 サイバーエージェント
自己資本比率 35.3% 30.7% 45.5%
D/Eレシオ 0.04 0.42 0.01
流動比率 140.9% 105.4% 186.3%
ネットキャッシュ 136,216 △ 154,752 45,495
 対総資産比率 17.0% -4.3% 27.7%

 

自己資本比率はどこも高くはないが、とりわけ借金の多い電通は低い。30.7%

D/Eレシオは0.42倍でやはり電通が一番高い。滅茶苦茶借金が多いというほどではないが。

そもそも広告代理店のようなビジネスで何をそんなに借金をする必要があるのかは謎でもある。

流動比率もどこも高くはないが、さすがにサイバーエージェントなどは相対的には高い。

仕入債務などが財務的にかなり大きいのである。テレビ局向けとか?

ネットキャッシュに至っては、電通だけ△1,547億円の大赤字。

借金が多いというよりも、キャッシュが少なすぎる。

そうか、M&Aとかで散財しているのか。

 

当決算から計算する経営指標

博報堂DY 電通 サイバーエージェント
ROE 10.56% 9.65% 5.39%
ROA 3.73% 2.96% 2.45%
ROIC 11.49% 5.69% 26.07%
PER 21.5 13.9 178.7
PBR 2.3 1.3 9.6
WACC 3.4% 2.4% 5.3%
EBITDA 60,197 192,979 39,150
FCF 9,154 70,238 7,202
EV 504,586 1,616,323 673,687
配当利回り 1.51% 1.74% 0.56%
配当性向 32.5% 24.1% 100.0%

 

ROE,ROAはどちらも博報堂DYが一番高い。

ROAに至っては、低いレベルの争いです。

ただROICになると様相が一変、サイバーエージェントが26.07%というかなりの好成績で抜群に良くなる。

これは少ない株主資本で、それだけ営業利益を稼ぎ出しているという証左。

当期サイバーエージェントは、投資損失や減損などで、当期純利益は結構悪化させたので、ROE,ROAのスコアは悪いが、本業の営業利益はしっかり稼いでいたということでしょう。

新しい事業に積極的に投資した結果ですから、単純に責めることもできない。

ただこのROICのスコアを見る分には、この会社の期待値が高いことは満更、理解できなくもないとは思いました。

ちなみに、当社は、上記したように営業外損失と特別損失が大きすぎて、配当性向が100%になってしまっています。

博報堂DY 電通 サイバーエージェント
グレアム指数 48.7 18.5 1721.3
EV/EBITDA 8.4 8.4 17.2
PEGレシオ 19.5 測定不能 測定不能
FCFマージン 0.7% 7.6% 1.9%

 

グレアム指数はざっと見ると、やはりサイバーエージェントの期待値だけが飛びぬけて大きいのが分かります。

1700倍はいくら何でも高すぎでしょう。

EV/EBITDAは博報堂DYと電通は安い。CAは高い。

これも期待値の表れ。もはや古いおっさん企業の博報堂と電通なぞに期待している投資家はそんなにいない。

PEGレシオも電通とCAはマイナス成長で測定不能。

電通のマイナス成長はこれは既定路線のようにも思います。

CAのマイナス成長は、新事業への投資がかさんだからという理由づけには納得できます。

FCFマージンはどこも薄いが、電通は7.6%を確保。

日本の消費者(エンドユーザー)から掠め取ったマージンで、世界に投資。

電通が嫌われ者である理由がうかがい知れる数字となっています。

 

業績予想から計算する経営指標

博報堂DY 電通 サイバーエージェント
売上 1,460,000 1,006,900 420,000
営業利益 55,100 112,900 30,000
営業利益率 3.77% 11.21% 7.14%
最終利益 40,200 61,600 5,000
EPS 108 218 40
予想配当金額 28 90 32
予想配当総額 10,438 25,443 4,023

 

各社業績予想。

電通が売上1兆円超えを目指します。ただ営業利益は減益を覚悟で、1兆円を追う模様。

そしてCAも減益予想。最終利益がかなり小さくなっている。

また来期も、投資損失や減損損失を見込んでいるのか??

以下計算結果。

博報堂DY 電通 サイバーエージェント
ROE 14.23% 5.63% 6.70%
ROA 5.03% 1.73% 3.05%
ROIC 12.13% 4.68% 25.48%
PER 15.9 23.7 143.8
EBITDA 63,110 168,487 38,450
FCF 43,472 128,249 27,758
配当利回り 1.63% 1.74% 0.56%
配当性向 26.0% 41.3% 80.5%

 

ROE,ROAはまた博報堂強い。ROICのバランスも良い。

CAのROICは引き続きすごい。25%超え。

これだけの営業利益を、今の少ない株主資本で出せているのは脅威。

どういうカラクリが??

それにつけても酷いスコアなのは電通。

数字やスコアまで博報堂やCAに負けてしまうのならば、一体この会社の取り柄って何なのでしょうか???

博報堂DY 電通 サイバーエージェント
グレアム指数 36.2 31.7 1385.3
EV/EBITDA 8.0 9.6 17.5
PEGレシオ 15.1 測定不能 測定不能
FCFマージン 3.0% 12.7% 6.6%

 

グレアム指数。どこも高いが、とにかくCAは高い。

それだけ経営者などへの期待値の表れ。カリスマ藤田晋。

EV/EBITDAは博報堂と電通はまあまあ安い。CAは高い。

PEGレシオは電通とCAは営業利益減益予想なので測定不能。

博報堂のスコアはまあまあ。

FCFマージンは電通がトップ。上記同様。日本のエンドユーザーから搾取したカネで世界で博打を行っている。

 

総括

本命は博報堂DY。

大穴がCAというところ。

電通は相変わらずの嫌われ者。

上に書いてきた文章からも分かるように、私もご多分に漏れず、電通という会社が大嫌いです。

別に明日なくなっても困らない会社だと思っています。

なくなったら同業の代理店は喜んで、電通の仕事を奪っていくでしょう。

Googleがなくなったら、ガチで困りますが、電通がなくなったら、割と喜ぶ人が多い。

それが答えなのではないかと思っています。

持前の政治力を駆使して、消費者を搾取することは一丁前ですが、ではそれで何か人々に幸せを享受しているのか、と問うと、この会社は特にそんなことはしているようには思えない。

それどころか、社員を過重労働で自殺に追い込んだりしている有様です。

むしろなくなった方が、世の為、人の為、なのではないでしょうか。

世の中に、広告代理店なんていっぱいありますから、本当に、電通がなくなったところで、誰も困りはしないのではないかと本気で思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です