【カジュアルウェア小売3社】直近決算比較分析(2017-2018)

関連過去エントリ。

★スタートトゥデイ決算

http://tamojun51.com/archives/1847

★トイレタリー大手3社比較

http://tamojun51.com/archives/1923

★回転寿司大手3社比較

http://tamojun51.com/archives/1948

今回は、カジュアルウェア小売大手3社(ファーストリテイリング、しまむら、アダストリア)の決算比較分析を行う。

決算情報および定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績比較

ファーストリテイリング しまむら アダストリア
売上高 1,861,917 565,102 222,787
営業利益 176,414 42,896 5,005
営業利益率 9.5% 7.6% 2.2%
営業CF 212,168 29,795 10,685
営業CFマージン 11.4% 5.3% 4.8%
最終利益 119,280 29,717 863

 

売上は王者ファーストリテが他を大きく引き離している。1.8兆円。王者の貫録。

営業利益率でも、ファーストリテがトップ。9.5%と強い。

営業CFマージンも同様。ファーストリテが11.4%でトップ。

王者としての強さを見せつける。

一方でアダストリアがきつい決算。

営業利益率、営業CFマージンともにしんどい。

 

財政状態比較

ファーストリテイリング しまむら アダストリア
総資産 1,388,486 397,534 91,123
株主資本 731,770 348,420 50,480
現金預金 683,802 22,849 19,446
有利子負債 291,394 110 2,657
流動資産 1,077,598 225,303 49,785
流動負債 311,421 39,240 38,446
支払利息 2,932 1 25
非資金的費用 39,688 5,695 10,392
EPS 1,170 809 18
BPS 7,176 9,480 1,073
配当金額 350 240 50
配当総額 35,691 8,821 2,352
発行済み株式数 101.975 36.754 47.041
株価 47,760 9,730 1,256
時価総額 4,870,346 357,616 59,084

 

総資産もファーストリテが桁違いの規模。1.38兆円。

時価総額も当然ファーストリテ。4.8兆円の規模を誇る。

しまむらの時価総額は3,576億円。アダストリアは590億円。

スタートトゥデイは1兆円を超えているので、実は、ファーストリテの真のライバルはスタートトゥデイなのかもしれない。

ファーストリテイリング しまむら アダストリア
自己資本比率 52.7% 87.6% 55.4%
D/Eレシオ 0.40 0.00 0.05
流動比率 346.0% 574.2% 129.5%
ネットキャッシュ 392,408 22,739 16,789
 対総資産比率 28.3% 5.7% 18.4%

 

財政状態。自己資本比率は87.6%という超安定性を誇るしまむらトップ。

しまむらはほぼ無借金経営。流動比率もかなり高いのがお分かりになるでしょう。

ただネットキャッシュはそこまで大きくはなく、対総資産比率は5.7%

有価証券を1,430億円保有していることが大きいようです。

なぜこの規模の有価証券を持っているのかは謎。これをキャッシュとして含めれば、ネットキャッシュはかなり改善する。

ただどの会社も借金は少なく、財政状態は安定している。

ファーストリテのネットキャッシュが大きく、財政状態の良さも際立つ。

アダストリアもファーストリテには及ばないが、財政状態は良い。

 

当決算から計算する経営指標

ファーストリテイリング しまむら アダストリア
ROE 16.30% 8.53% 1.71%
ROA 8.59% 7.48% 0.95%
ROIC 11.10% 7.92% 6.06%
PER 40.8 12.0 68.5
PBR 6.7 1.0 1.2
WACC 3.8% 2.5% 4.5%
EBITDA 216,102 48,591 15,397
FCF 267,434 △ 36,512 8,859
EV 4,477,938 334,877 42,295
配当利回り 0.73% 2.47% 3.98%
配当性向 29.9% 29.7% 272.5%

 

ROE,ROA,ROICではファーストリテ強い。一人勝ちか。

ただしまむらも悪くない。財政状態が良いので、ROEとROAにほとんど差がなく、バランスが良い。

ただアダストリアがひとり悪い。ROICが多少頑張っているかなあという感じ。

アダストリアは粗利は前期比で増加したが、その伸び率よりも販管費が増えた。

主には、人件費、家賃、など。要は増加率の問題。

当期は既存商品の値下げなどの経営判断もあり、とのこと。

27億円の減損などもあり、苦しい決算。

ファーストリテイリング しまむら アダストリア
グレアム指数 271.8 12.4 80.1
EV/EBITDA 20.7 6.9 2.7
PEGレシオ 29.5 測定不能 測定不能
FCFマージン 14.4% -6.5% 4.0%

 

ご覧の通り、グレアム指数では、ファーストリテが滅茶苦茶割高である。

それもそのはず。この3社で成長できたのが、ファーストリテだけ。

他の3社はみな、マイナス成長。

スタートトゥデイの影響などもあるのかもしれない。

スタートトゥデイの前澤代表は、みんなをハッピーにすることが至上命題ということであるが、実は、しまむらとかアダストリアはそこそこ不幸にしてしまったのかもしれない。

しまむらはスタートトゥデイの軍門に降るということですし。

★しまむら、ついにEC進出 7月にゾゾタウン出店

https://www.wwdjapan.com/643469

この3社の決算を比較しただけで、「ファーストリテVSスタートトゥデイ」のタイマン構造が浮き彫りになってしまいます。

 

次年度業績予想から計算する経営指標

ファーストリテイリング しまむら アダストリア
売上 2,050,000 587,500 227,000
営業利益 200,000 51,005 8,400
営業利益率 9.76% 8.68% 3.70%
最終利益 120,000 35,000 4,400
EPS 1,177 952 94
予想配当金額 350 240 50
予想配当総額 35,691 8,821 2,352

 

業績予想。ファーストリテは売上が2兆円突破。営業利益は2,000億円へ。

しまむらもECでハネるのか期待できるのかもしれません。

ファーストリテイリング しまむら アダストリア
ROE 16.40% 10.05% 8.72%
ROA 8.64% 8.80% 4.83%
ROIC 12.58% 9.42% 10.17%
PER 40.6 10.2 13.4
EBITDA 239,688 56,700 18,792
FCF 168,408 38,522 15,798
配当利回り 0.73% 2.47% 3.98%
配当性向 29.7% 25.2% 53.5%

 

ROE,ROA,ROICではやはりファーストリテ強い。

ただしまむらとアダストリアのスコアもかなり良いのだが。

実現できればかなり意欲的な計画数値。

ファーストリテイリング しまむら アダストリア
グレアム指数 270.1 10.5 15.7
EV/EBITDA 18.7 5.9 2.3
PEGレシオ 35.8 8.6 8.0
FCFマージン 8.2% 6.6% 7.0%

 

グレアム指数は当然、ファーストリテが高い。

EV/EBITDAもファーストリテが高すぎます。

逆にしまむらとアダストリアは買い時に見えなくもない。

PEGレシオもしまむらとアダストリアは、割安。ただ業績予想を本当に達成できればの話だが。

FCFマージンはどこもあまり高くはない。

小売で利益率を出すのは大変な経営努力ですから。

 

総括

ファーストリテの王者は揺るがないように見える。

しかしヒタヒタと追走してくるスタートトゥデイの陰。

ファーストリテVSスタートトゥデイという図式がいよいよ鮮明になってきたのかなという印象。

これは言い換えれば、

“リアル店舗”VS”EC”の闘いとも言えるのではないでしょうか。

ここにAmazonなどの対外大手なども絡んできて、正にアパレル戦国時代とも言える様相に。

ゾゾはスーツなどにも業容を拡大するので、オフィシャルウェアにもその影響力やプレゼンスを発揮しようとしています。

ここは、ゾゾにBETするのが正しいのではないかと私は考えます。

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