【回転寿司3社】直近決算比較分析(2017-2018)

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今回は回転寿司チェーン大手3社(スシロー・くら寿司・かっぱ寿司)の直近決算の比較分析。

決算情報および定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

スシロー くら寿司 カッパ・クリエイト
売上高 156,402 122,766 78,728
営業利益 9,204 6,341 378
営業利益率 5.9% 5.2% 0.5%
営業CF 11,574 8,235 2,533
営業CFマージン 7.4% 6.7% 3.2%
最終利益 6,952 4,884 810

 

王者スシロー。いつ行っても混んでいるので納得の結果。

しかし、売上は1,564億円ぽっち?意外と小さい。2位くら寿司は1,227億円。

回転寿司チェーン店の売上の規模は実は全然大きくないと感じる。

ということはまだまだ成熟には程遠いということ?

営業利益率は5.9%でこれもスシローが王座。続いて5.2%でくら寿司が追う。

かっぱは0.5%とかなり低い。。つらい経営が続く。

スシローとくらも決して高い営業利益率とは言えないが。

営業CFマージンもスシロートップで7.4%

しかし営業利益率の低さが災いしていて、やはり全体的に低い。

 

各社決算パラメタ

スシロー くら寿司 カッパ・クリエイト
総資産 125,562 52,745 32,027
株主資本 31,853 34,529 11,884
現金預金 8,538 12,840 7,617
有利子負債 48,861 4,547 7,611
流動資産 11,975 15,671 11,996
流動負債 27,722 12,876 11,323
支払利息 248 53 57
非資金的費用 3,904 3,547 1,706
EPS 253 247 17
BPS 1,160 1,749 244
配当金額 45 30 5
配当総額 1,236 592 244
発行済み株式数 27.459 19.743 48.725
株価 6,700 7,360 1,443
時価総額 183,975 145,309 70,310

 

総資産1,255億円でトップはやはりスシロー。しかしこちらも規模は小さい。

実はそこまで資本が必要な業態ではないということなのか。

時価総額はスシローが1,839億円。くら寿司が1,453億円。さすがに1,000億円オーバーだが、業態2トップとしては少し寂しい規模か。

スシロー くら寿司 カッパ・クリエイト
自己資本比率 25.4% 65.5% 37.1%
D/Eレシオ 1.53 0.13 0.64
流動比率 43.2% 121.7% 105.9%
ネットキャッシュ △ 40,323 8,293 6
 対総資産比率 -32.1% 15.7% 0.0%

 

自己資本比率を見ると、スシローとかっぱがかなり低いのと比べて、くら寿司は65.5%とかなり高い。

D/Eレシオも、くら寿司は0.13倍とかなり低い。

流動比率のスコアもくら寿司が一番良い。

ネットキャッシュも同様に、82億円でくら寿司がベスト。(対総資産比率15.7%はなかなか)

財務内容では、くら寿司が他を引き離して、かなり健全。

逆にスシローはネットキャッシュが△403億円、D/Eレシオ1.53倍とちときつそう。

流動比率も低く、スシローの財務状況は決して健全とはいえないと見ます。

 

当決算から計算する各社経営指標

スシロー くら寿司 カッパ・クリエイト
ROE 21.83% 14.14% 6.82%
ROA 5.54% 9.26% 2.53%
ROIC 7.34% 10.44% 1.25%
PER 26.5 29.8 86.8
PBR 5.8 4.2 5.9
WACC 1.8% 1.7% 1.5%
EBITDA 13,108 9,888 2,084
FCF 3,784 2,171 3,412
EV 224,298 137,016 70,304
配当利回り 0.67% 0.41% 0.35%
配当性向 17.8% 12.1% 30.1%

 

経営指標を見比べると、ROEに関しては、スシローが圧倒的に高い。

自己資本比率の低さもある。

そう見ていくとバランスが取れているのはくら寿司。

ROE,ROA,ROIC、全てのスコアが軒並み高く、バランスが良い。

ROAはくら寿司がトップ。ここはかなり良いポイントでしょう。

スシロー くら寿司 カッパ・クリエイト
グレアム指数 152.8 125.2 513.5
EV/EBITDA 17.1 13.9 33.7
PEGレシオ 21.6 測定不能 50.4
FCFマージン 2.4% 1.8% 4.3%

 

グレアム指数を比較すると、125.2倍のくら寿司が相対的には一番割安。それでも高いが。

かっぱの513.5倍は高すぎでしょう。手を出してはいけない銘柄というのが分かります。

EV/EBITDAもどこも割高ではあるが、13.9倍のくら寿司が相対的には一番マシ。

ただPEGレシオを見ると、くら寿司だけはマイナス成長で測定不能になっている。

ここに来て、一社だけの成長鈍化はあまりよろしくないでしょう。

FCFマージンも軒並み低い。厳しい経営環境。

かっぱが4.3%でFCFマージンはトップ。

理由としては投資CFの黒字が挙げられる。

不採算事業や店舗などの売却収入がある。

要は積極投資というよりも、撤退戦を展開している状況がFCFについては良く出ていると言う結果。

決して良い兆候ではないというのは分かります。

 

次年度業績予想から計算する経営指標

スシロー くら寿司 カッパ・クリエイト
売上 169,361 126,950 81,533
営業利益 9,939 6,810 1,631
営業利益率 5.87% 5.36% 2.00%
最終利益 6,620 4,910 798
EPS 241 249 16
予想配当金額 85 30 5
予想配当総額 2,334 592 244

 

なかなか苦しい経営環境ではあるが、営業利益率5%などは堅守したい構えか。

かっぱのみは営業利益率2%だが、徐々にこれを上げていきたい。

上記業績予想パラメタを入力して計算した結果がこちら。

スシロー くら寿司 カッパ・クリエイト
ROE 20.78% 14.22% 6.71%
ROA 5.27% 9.31% 2.49%
ROIC 7.93% 11.22% 5.38%
PER 27.8 29.6 88.1
EBITDA 13,843 10,357 3,337
FCF 10,301 7,930 2,756
配当利回り 1.27% 0.41% 0.35%
配当性向 35.3% 12.1% 30.5%

 

先程と同様、ROEだけはやたらと良いスシロー。

しかしROE,ROA,ROICのバランスで見ると、結局はくら寿司が圧倒的に良いということが分かる。

スシロー くら寿司 カッパ・クリエイト
グレアム指数 160.5 124.5 521.3
EV/EBITDA 16.2 13.2 21.1
PEGレシオ 25.7 27.6 20.4
FCFマージン 6.1% 6.2% 3.4%

 

グレアム指数も相変わらず一番安いのはくら寿司。

EV/EBITDAも同様。

PEGレシオでは一番割安はかっぱ。成長、というか利益を高める余地はまだまだ残されているのがかっぱ、ということなのでしょう。

FCFマージンはやはり軒並み低い。

この業界はこの営業利益率の低さが課題。飲食店はどこもそうではあるのだが。

 

総括

一長一短。それでもやはり一番いい銘柄はくら寿司なのかなあ、という雑感。

財務内容とROE,ROA,ROICなどのバランスを見ると、くら寿司が相対的にトップのように見える。

無論課題は多いのだが。

しかしトップのスシローでも売上が1,500億円という業界。

これはまだまだのびしろがあるということを意味しているのだろうか?

それとも、寿司というのはやはり高級嗜好品で、回らない寿司屋で食べたいというニーズは根強く、回転寿司の市場としては既に成熟してしまっているということなのだろうか。

そこらへんはよく分からない。しかし寿司という元来高級品だったものをファストフード感覚で食べられるようになっている状況は決して悪いそれではないと思いますので、各回転寿司チェーンには、これからもしのぎを削ってもらえると良い、とは思いました。

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