【ビール大手3社】2017.12期(本決算分析)

関連過去エントリ。

★2016.12期、ビール大手3社

http://tamojun51.com/archives/1084

★2017年度、コンビニ大手3社分析

http://tamojun51.com/archives/1832

★2017年度、牛丼大手3社分析

http://tamojun51.com/archives/1918

今回は、2017.12期、ビール大手3社(アサヒ、キリン、サッポロ)の財務成績を比較分析する。

決算情報および定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

アサヒ キリン サッポロ
売上高 2,084,877 1,863,730 551,548
営業利益 196,368 194,318 17,032
営業利益率 9.4% 10.4% 3.1%
営業CF 231,712 221,710 30,004
営業CFマージン 11.1% 11.9% 5.4%
最終利益 141,003 242,057 10,977

 

売上では、2兆円超えのアサヒがトップスコア。

営業利益率では、10.4%でキリンがトップ。営業利益率10%超えはご立派。

営業CFマージンも11.9%でキリンがトップ。

アサヒとキリンは売上、営業利益、営業CFともに、かなり競っている。

そして、3位、サッポロはご覧の通りかなり出遅れている数値。

営業利益率3.1%、営業CFマージン5.4%、これらのスコアはちと寂しい。

 

2017.12期、各社決算パラメタ

アサヒ キリン サッポロ
総資産 3,346,822 2,399,082 630,630
株主資本 1,145,135 957,895 148,193
現金預金 58,054 160,913 12,717
有利子負債 1,261,925 486,474 242,238
流動資産 812,426 865,023 168,852
流動負債 1,052,157 613,445 220,173
支払利息 6,725 13,769 1,924
非資金的費用 101,813 69,233 27,525
EPS 308 265 141
BPS 2,500 1,050 1,902
配当金額 75 46 40
配当総額 34,360 41,979 3,116
発行済み株式数 458.128 912.579 77.894
株価 5,545 3,009 2,816
時価総額 2,540,321 2,745,950 219,350

 

総資産3.3兆円でアサヒがトップ。株主資本も1.1兆円でアサヒ。

しかし時価総額では、キリンが2.7兆円で、アサヒをリードしている。意外。

正に、アサヒとキリンは甲乙つけがたい財務内容。

アサヒ キリン サッポロ
自己資本比率 34.2% 39.9% 23.5%
D/Eレシオ 1.10 0.51 1.63
流動比率 77.2% 141.0% 76.7%
ネットキャッシュ △ 1,203,871 △ 325,561 △ 229,521
 対総資産比率 -36.0% -13.6% -36.4%

 

自己資本比率は39.9%でキリンがトップ。

D/Eレシオも0.51倍のキリンがトップ。流動比率もキリン。

ネットキャッシュは3社とも、大赤字。

中でも、アサヒの△1.2兆円は結構大事でしょう。

アサヒの売上は2兆円ですから、ネットキャッシュ△1.2兆円は結構借金大きすぎな印象。

財務状況では、キリンが大きくリードしているという印象。

しかしキリンも借金は決して少なくない。

 

2017.12期決算から計算する経営指標

アサヒ キリン サッポロ
ROE 12.31% 25.27% 7.41%
ROA 4.21% 10.09% 1.74%
ROIC 5.25% 8.66% 2.81%
PER 18.0 11.3 20.0
PBR 2.2 2.9 1.5
WACC 1.7% 3.9% 1.3%
EBITDA 298,181 263,551 44,557
FCF △ 612,259 285,197 16,591
EV 3,744,192 3,071,511 448,871
配当利回り 1.35% 1.53% 1.42%
配当性向 24.4% 17.3% 28.4%

 

ROEトップはキリン。ぶっちぎりのトップ。スコアも結構良い。

そしてROAもキリン。10%超えはお見事。

ROICも8%超えてきているキリン。経営効率では他を引き離している。

アサヒ キリン サッポロ
グレアム指数 40.0 32.5 29.6
EV/EBITDA 12.6 11.7 10.1
PEGレシオ 13.6 10.6 測定不能
FCFマージン -29.4% 15.3% 3.0%

 

グレアム指数を見比べると、サッポロが一番安い。

EV/EBITDAでも、10.1倍のサッポロが一番安い。

しかしどの銘柄も割高。

PEGレシオだと、またしても、キリンがトップ。

FCFマージンはアサヒが6,122億円の大赤字。投資CFにカネをかなりつぎ込んでいます。

キリンのFCFマージンは15.3%とかなり大きい。

経営指標でも、キリンがやはり抜群に良い。

 

業績予想から計算する経営指標

アサヒ キリン サッポロ
売上 2,140,000 1,960,000 555,800
営業利益 220,000 196,000 18,700
営業利益率 10.28% 10.00% 3.36%
最終利益 142,000 155,000 11,100
EPS 310 170 143
予想配当金額 90 48 40
予想配当総額 41,232 43,804 3,116

 

上記業績予想パラメタを入力して、経営指標を再計算する。

結果がこちら。

アサヒ キリン サッポロ
ROE 12.40% 16.18% 7.49%
ROA 4.24% 6.46% 1.76%
ROIC 5.88% 8.73% 3.08%
PER 17.9 17.7 19.8
EBITDA 321,813 265,233 46,225
FCF 243,405 195,379 39,560
配当利回り 1.62% 1.60% 1.42%
配当性向 29.0% 28.3% 28.1%

 

ROE,ROA,ROICともに、案の定、キリンがトップ。

しかし当決算より、スコアは悪化している。

アサヒ キリン サッポロ
グレアム指数 39.7 50.8 29.2
EV/EBITDA 11.6 11.6 9.7
PEGレシオ 16.0 17.6 18.0
FCFマージン 11.4% 10.0% 7.1%

 

グレアム指数では相変わらず一番安はサッポロ。期待値が低いのでしょう。

EV/EBITDAもサッポロ。9.7倍でちと安い。

PEGレシオは各社横並び。アサヒが16.0倍でちょっといいか。

FCFマージンはアサヒが11.4%、当期は大赤字にもかかわらず。

キリンの10.0%のFCFマージンは保守的かもしれません。

 

総括

各財務スコアを見てきて総括すると、

「キリンが一番良い」のではないかというのが結論です。

財務能力(カネ)、経営効率等のファンダメンタルズを考慮すると、相対的に、キリンがトップと言ってよいでしょう。

ただ、やはりファンダメンタルズが強い分、キリンは高くなっています。

やはり市場は既に各ファンダメンタルズを織り込んで、かなり効率的だということがまた証明されました。

そうは言っても、買うならやはりキリンだな、とも思います。

進行年度以降、また何か材料が出てくると面白いな、と思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です