【自動車大手3社】2017年度(本決算)

関連過去エントリ。

★2016年度自動車大手財務分析。

http://tamojun51.com/archives/1056

★2018.3期、日産自動車本決算

http://tamojun51.com/archives/1898

今回は、2018.3期、自動車大手3社(トヨタ・ホンダ・日産)の決算分析を行う。

決算情報および定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

トヨタ ホンダ 日産
売上高 29,379,510 15,361,146 11,951,169
営業利益 2,399,862 833,558 574,760
営業利益率 8.2% 5.4% 4.8%
営業CF 4,210,009 987,671 1,071,250
営業CFマージン 14.3% 6.4% 9.0%
最終利益 2,493,983 1,059,337 746,892

 

売上は29兆円で、トヨタがダントツのトップ。

営業利益率も8.2%でトヨタが王者です。営業利益は2.3兆円。

営業CFマージンでもトヨタが振るう。14.3%と高い。

経営成績では、やはりトヨタが文句なしトップ。

他を寄せ付けない。

 

当期決算パラメタ

トヨタ ホンダ 日産
総資産 50,308,249 19,349,164 18,746,901
株主資本 18,735,982 7,933,538 6,190,504
現金預金 3,953,513 2,256,488 1,134,838
有利子負債 19,347,564 6,799,010 7,738,356
流動資産 18,152,656 6,925,288 11,682,845
流動負債 17,796,891 5,624,099 6,744,386
支払利息 27,586 115,317 12,670
非資金的費用 1,734,033 713,093 889,231
EPS 846 591 191
BPS 6,357 4,425 1,583
配当金額 220 100 53
配当総額 648,420 179,309 207,291
発行済み株式数 2,947.365 1,793.089 3,911.158
株価 7,122 3,466 1,077
時価総額 20,991,134 6,214,846 4,212,317

 

総資産サイズは50兆円で当然、トヨタがトップ。株主資本は18兆円。

借金が19兆円とさすがは世界のトヨタ。規模が違う。

各社指標を見てみる。

トヨタ ホンダ 日産
自己資本比率 37.2% 41.0% 33.0%
D/Eレシオ 1.03 0.86 1.25
流動比率 102.0% 123.1% 173.2%
ネットキャッシュ △ 15,394,051 △ 4,542,522 △ 6,603,518
 対総資産比率 -30.6% -23.5% -35.2%

 

自己資本比率は各社とも高くはない。とりわけ日産は低い。

D/Eレシオでも日産が一番借金割合が大きい。

ネットキャッシュは日産が△6兆円で、対総資産比率が△35.2%とダントツのビリ。

日産の財務状況は3社の中でもかなり悪い。

ただ、他の2社も日産ほどではないですが、決して良くはなく、トヨタに至っては、ネットキャッシュは△15兆円の大赤字です。

さすがに、借金のサイズも大きい。

 

当決算から計算する経営指標

トヨタ ホンダ 日産
ROE 13.31% 13.35% 12.07%
ROA 4.96% 5.47% 3.98%
ROIC 4.06% 3.64% 2.66%
PER 8.4 5.9 5.6
PBR 1.1 0.8 0.7
WACC 1.8% 2.0% 1.6%
EBITDA 4,133,895 1,546,651 1,463,991
FCF △ 253,108 505,201 △ 61,444
EV 36,385,185 10,757,368 10,815,835
配当利回り 3.09% 2.89% 4.92%
配当性向 26.0% 16.9% 27.8%

 

ROE横並び。ホンダがトップ。ROAも同様。

ROICも横並び、トヨタが若干リード。

しかしこれらのスコア、どの会社も決して高くはないでしょう。

トヨタ ホンダ 日産
グレアム指数 9.4 4.6 3.8
EV/EBITDA 8.8 7.0 7.4
PEGレシオ 7.0 測定不能 測定不能
FCFマージン -0.9% 3.3% -0.5%

 

グレアム指数は各社とも軒並み低い。期待値が高くない。

やはり自動車産業はそう遠くない未来に、オワコンになると思われてでもいるのでしょうか?

EV/EBITDAも各社低い。

PEGレシオに関しては、トヨタのみ成長。他はマイナス成長なので、測定不能。

FCFマージンはトヨタと日産は赤字。ホンダがかろうじて黒というところ。

ここらへんから、自動車メーカーが割安に放置されている理由がなんとなくわかりそうです。

 

業績予想から計算する経営指標

トヨタ ホンダ 日産
売上 29,000,000 15,600,000 12,000,000
営業利益 2,300,000 700,000 540,000
最終利益 2,120,000 570,000 500,000
EPS 719 318 128
予想配当金額 220 108 57
予想配当総額 648,420 193,654 222,936

 

上記は各社業績予想。

トヨタトップ。売上29兆円。営業利益2.3兆円目標。

上記パラメタを入力して、経営指標を再計算したものがこちら。

トヨタ ホンダ 日産
ROE 11.32% 7.18% 8.08%
ROA 4.21% 2.95% 2.67%
ROIC 3.89% 3.06% 2.50%
PER 9.9 10.9 8.4
EBITDA 4,034,033 1,413,093 1,429,231
FCF 3,214,313 1,163,613 1,236,775
配当利回り 3.09% 3.12% 5.29%
配当性向 30.6% 34.0% 44.6%

 

ROEでトヨタがトップに。ROAも。ROICも。

王者トヨタがひとりで気を吐くか。

配当利回り・配当性向は各社とも高い。

どこも財務状況は決して芳しくないのに大丈夫か?

トヨタ ホンダ 日産
グレアム指数 11.1 8.5 5.7
EV/EBITDA 9.0 7.6 7.6
PEGレシオ 測定不能 測定不能 測定不能
FCFマージン 11.1% 7.5% 10.3%

 

グレアム指数、EV/EBITDAは各社とも低い。

ただどこもマイナス成長企図なので、成熟産業。

株価が大きくブレイクすることは難しいのかもしれません。

マイナス成長なので、PEGレシオは全社測定不能。

FCFマージンは(投資CF加味前ではあるが)トヨタ11.1%

各社とも、それほど高いわけではない。

 

総括

やはりトヨタは王者の風格。

しかし、自動車メーカーはどこも、規模は当然凄いのだが、ファンダメンタルズが良いと言い切れるのかというとよく分からない。

成熟産業。これから、成長していく企業ではない。

まず、ROE,ROA,ROICなどのスコアがそれほど伸びてきていないことから、それが分かる。

そして、財務状況もかなり悪い。この規模の会社なので問題はないのでしょうが、借金のケタは違います。

電気自動車や自動運転などのトピックが出ると、日本のメーカーは遅れているという論調も多いです。

内燃機関の技術などはそう単純なものではないのでしょうが、やはり自動車メーカーの未来が明るいのかというと言葉を濁してしまいがち。

しかし日本の基幹産業ですから、自動車メーカーが儲けられなくなったら、日本はたちまち貧乏国家です。

当面は自動車メーカーに頑張ってもらわねばなりませんから、危機感を感じるならば、こういう企業に投資するのも悪くない選択なのかもしれません。

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