【牛丼大手3社】2017年度(本決算)

★2016年度の牛丼大手比較

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★2017年度のコンビニ大手比較

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★2016年度の大手レストランチェーン

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今回は2017年度牛丼大手3社の財務比較分析。

決算情報および定性情報は各社決算資料より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

2017年度経営成績

ゼンショー 吉野家 松屋
売上高 579,108 198,503 93,006
営業利益 17,611 4,019 4,119
営業利益率 3.0% 2.0% 4.4%
営業CF 37,162 9,374 6,723
営業CFマージン 6.4% 4.7% 7.2%
最終利益 8,001 1,491 2,380

 

単純に牛丼の収益利益の比較ではありませんが。

まず売上では、3社の中でもゼンショーが群を抜いていることが明らかです。

しかし営業利益率では、4.4%で、松屋がトップ。

(各社とも、営業利益率はかなり低いですが。)

営業CFでも、営業CFマージンが7.2%で松屋がトップ。

収益では、ゼンショーがぶっちぎりですが、利益率では、松屋が少し先んじていることが分かります。

しかしさすがに、低価格の代名詞となっている牛丼。

どこの利益率も低いです。

 

2017年度決算パラメタ

ゼンショー 吉野家 松屋
総資産 296,769 115,613 58,308
株主資本 68,863 59,324 39,135
現金預金 26,142 21,913 8,813
有利子負債 150,319 33,061 7,823
流動資産 75,229 37,124 13,986
流動負債 95,084 33,681 12,959
支払利息 800 181 57
非資金的費用 20,361 6,503 3,284
EPS 54 23 125
BPS 466 919 2,054
配当金額 18 20 24
配当総額 2,658 1,291 457
発行済み株式数 147.682 64.541 19.057
株価 2,667 2,116 3,755
時価総額 393,867 136,568 71,558

 

時価総額では、ゼンショーが3,938億円でトップ。

松屋は意外にも、715億円ぽっちのサイズ感なのですね。

EPS,BPSともに、松屋が桁違いのトップです。

ゼンショー 吉野家 松屋
自己資本比率 23.2% 51.3% 67.1%
D/Eレシオ 2.18 0.56 0.20
流動比率 79.1% 110.2% 107.9%
ネットキャッシュ △ 124,177 △ 11,148 990
 対総資産比率 -41.8% -9.6% 1.7%

 

自己資本比率を見ると、ゼンショーが低い。一方松屋は高い。

D/Eレシオでは、これまたゼンショーが高い。借金が多すぎ。

吉野家と松屋はここまで借金が多くないことが分かります。

ゼンショーは流動比率の低さも際立っています。

ネットキャッシュで見ると、ゼンショーは△1,241億円の大赤字。

黒字なのは唯一、松屋だけ。

ゼンショーの財務は良くない。

一方で、松屋の財務状況はかなり優等生であることがお分かりいただけると思います。

 

2017年度経営指標

ゼンショー 吉野家 松屋
ROE 11.62% 2.51% 6.08%
ROA 2.70% 1.29% 4.08%
ROIC 5.17% 2.80% 5.65%
PER 49.2 91.6 30.1
PBR 5.7 2.3 1.8
WACC 1.6% 1.6% 1.1%
EBITDA 37,972 10,522 7,403
FCF 7,882 △ 366 2,294
EV 518,044 147,716 70,568
配当利回り 0.67% 0.95% 0.64%
配当性向 33.2% 86.6% 19.2%

 

上の決算パラメタから計算した各社の経営指標。

ゼンショーは自己資本比率が低いだけあって、ROEが少し高く出ている。

しかし各社とも、ROE,ROA,ROICのスコアがかなり低いことが明確です。

やはり牛丼という利益率の低い仕事が災いしているのでしょう。

ゼンショー 吉野家 松屋
グレアム指数 281.6 210.9 55.0
EV/EBITDA 13.6 14.0 9.5
PEGレシオ 45.8 測定不能 25.3
FCFマージン 1.4% -0.2% 2.5%

 

グレアム指数を並べて比較すると、ゼンショーと吉野家がバカ高い一方で、松屋はまだそこまで高値感はないですね。(それでも少し割高に感じますが)

EV/EBITDA比較でも、ゼンショーと吉野家は割高ですが、松屋はギリギリ割安圏確保といったところ。

PEGレシオでも、松屋の圧勝。

FCFマージンも松屋の勝ち。

しかしどこも利益率が低いので、FCFマージンがド低い。

吉野家に至ってはFCFが△3.6億円の赤字。これはいけません。

 

2018年度業績予想から計算する経営指標

各社、2018年度の業績予想は以下の通り。

ゼンショー 吉野家 松屋
売上 623,709 211,000 97,600
営業利益 20,391 4,100 4,200
最終利益 8,636 1,700 2,400
EPS 58 26 126
予想配当金額 18 20 24
予想配当総額 2,658 1,291 457

 

このパラメタを用いて、当年度の経営指標を再計算したものがこちら。

ゼンショー 吉野家 松屋
ROE 12.54% 2.87% 6.13%
ROA 2.91% 1.47% 4.12%
ROIC 5.99% 2.86% 5.76%
PER 45.6 80.3 29.8
EBITDA 40,752 10,603 7,484
FCF 33,485 9,142 5,987
配当利回り 0.67% 0.95% 0.64%
配当性向 30.8% 75.9% 19.1%

 

相変わらず、各社とも、ROE,ROA,ROICが低いです。あまり買いたい銘柄はない。

ゼンショー 吉野家 松屋
グレアム指数 260.9 184.9 54.5
EV/EBITDA 12.7 13.9 9.4
PEGレシオ 39.4 78.7 29.2
FCFマージン 5.4% 4.3% 6.1%

 

グレアム指数で比較すると、案の定、松屋が一番割安。他は高すぎ。

EV/EBITDAも同様。

PEGレシオも同様ですが、吉野家がやたら割高になっている。

吉野家だけ、やたらPERが高いのですが、なぜみんな買っているのでしょうか。謎ですね。

FCFマージンは各社とも、低い営業利益率によって横並び。

少し松屋が良く見えるか、といった争い。

 

総括

上記してきたように、牛丼各社ともに、ファンダメンタルズは良くない。

まず各社とも、財務状況が良くない。

唯一、松屋だけはネットキャッシュが黒字で、悪くないか、というレベル感。

ROE,ROA,ROICもどの会社も低い。

これも、唯一、松屋だけは見られるかなあ、という感じです。

というわけで、基本線としては、牛丼チェーンに投資することはオススメはしませんが、どうせするなら松屋一択なのではないでしょうか。

まあ、牛丼チェーンは投資するというよりも、消費者として使う方がお得だとは思います。

消費者フレンドリーの会社は往々にして、投資家には魅力的でない案件が多いとも言えます。

特に、B2Cの小売・飲食業だとそれが顕著。

しかし各社とも、やっぱり販売価格が安すぎるので、もう少し値上げをしていかないといけないフェーズなのではないかとはいつも思います。

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