【東芝】2018.3(本決算)

東芝過去エントリ。

★2017.6期、1Q決算

http://tamojun51.com/archives/1157

★東芝の経営者こそ「キャプテン」を読むべきだ

http://tamojun51.com/archives/762

今回は2018.3期、本決算について分析。

決算情報および定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 3,947,596 64,070 804,011
前決算② 4,043,736 82,015 △ 965,663
2017業績予想③ 3,900,000 0 520,000
2018業績予想④ 3,600,000 70,000 1,070,000
①-② △ 96,140 △ 17,945 1,769,674
成長率 97.6% 78.1% -83.3%
①-③ 47,596 64,070 284,011
達成率 101.2% #DIV/0! 154.6%
④-① △ 347,596 5,930 265,989
成長率 91.2% 109.3% 133.1%

 

【対前期】

減収(△96,140、97.6%)、減益(△17,945、78.1%)

この会社のリリースを鵜呑みにしていいのか知りませんが、(決算短信は監査対象外ですし)仮に正しいという前提なら、減収減益している。

イメージとしては前期の決算の方がボロボロだったような気もしますが、当期の方が決算内容としては悪いようです。

原子力関連の減損やら引当金やらをいつ認識するか、金額はどうやって測定するのか、といったところが、議論されていたように記憶していますが、それらは解決したのでしょうか?

営業利益率は2.0%から1.6%へと0.4%もダウン。

しかし営業利益率が低い。いつ赤字になってもおかしくはない。

【対業績予想】

増収(+47,596、101.2%)

収益はほぼ見込み通り。しかし営業利益に関しては、業績予想では0を見込んでいたために、測定不能。

今更ながら、業績予想で営業利益を0で見込むというのは凄い。

蓋を空けてみれば、64,070の黒字ということなので、業績予想は大きく上回った計算。

しかしこの営業利益、信じていいのかという疑問は付いて回る。

【対次年度業績予想】

減収(△347,596、91.2%)、増益(+5,930、109.3%)

大きく減収する一方で営業増益。

この見積もりの達成可能性は高いのかどうか未知数。

私はやはり眉唾なんだろうなと思う。

 

セグメント情報

事業構成比 売上 セグメント利益 構成比
エネルギー 844,706 △ 14,808 21.4%
インフラ 1,246,776 48,001 31.6%
リテール&プリンティング 522,762 27,009 13.2%
ストレージ&デバイス 879,602 47,323 22.3%
インダストリアルICT 258,870 1,311 6.6%
その他 525,654 △ 48,681 13.3%
調整 -330,774 3,915 -8.4%

 

エネルギー事業は赤字。しかし148億円程度の赤字なのは意外とは感じる。

現時点で真に見積もれる赤字がないために、間に合わせで計上された数字なのではないか。

構成比トップのインフラ事業は減収減益。利益率は3.9%

リテール、プリンティングは増収増益。利益率は5.2%と相対的に調子の良い事業。

そして話題のストレージ&デバイスは増収減益。

利益率は5.4%で構成比22.3%の稼ぎ頭なのでしょう。

そこまで図抜けているわけではないと見えるけれど。

 

当決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 64,070
有利子負債 当決算期末残高 875,003
現金預金 当決算期末残高 500,820
株主資本 当決算期末残高 783,135
当期純利益 決算短信 804,011
総資産 当決算期末残高 4,458,211
発行済み株式数 当決算期末残高 4,935.983
支払利息 決算短信 29,364
減価償却費 決算短信 118,070
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 163
BPS 純資産÷発行済み株式数 159
株価(円) 直近株価 312
配当金額 決算短信 0
配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 0.000
時価総額 株価×発行済み株式数 1,540,027

 

総資産4.4兆円。株主資本7,831億円。自己資本比率17.6%

債務超過は脱した。

有利子負債8,750億円。D/Eレシオは1.12倍と借金多い。

流動資産3.5兆円。流動負債2.4兆円。流動比率147.2%

ネットキャッシュは△3,741億円の赤字。

当然、財務状態は良くない。

時価総額は1.5兆円とまだ1兆円は割っていなかったようです。

 

当決算から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 102.67%
ROA 総資本利益率 18.03%
PER 株価収益率 1.92
PBR 株価純資産倍率 1.97
ROIC 投下資本利益率 2.49%
WACC 加重平均資本コスト 1.14%
EBITDA 減価償却前営業利益 182,140
FCF Free cash Flow 49,051
EV 企業価値 1,914,210
配当利回り 0.00%
配当性向 0.00%

 

自己資本比率が小さいので、ROEがとんでもなく馬鹿でかいスコアになっている。

ROAも大きい。しかしROICのスコアは悪い。

これは何故かというと、法人税やら雑収入などの影響が大きい。

しかし雑収入の中身が分からないので何とも言えない。

この会社の決算短信の見にくさは酷いレベル。

財務のセンスのなさも浮き彫りになっている。

こういうところも鑑みるとやはり一旦なくなってしまった方がいい会社のひとつなのではないかと感じる。

グレアム指数は3.77倍と低い。市場の信用をすっかり失っているのだから当然でしょう。

EV/EBITDAは10.51倍と割高。時価総額1.5兆円は確かに大きい。1.5兆円の価値がある会社なのか大いに謎。

マイナス成長なのでPEGレシオは測定不能。

FCFマージンは1.24%と低いが、一応黒字は確保。本物だろうか?

配当はなし。まあカネはないので。

 

業績予想から計算する経営指標

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 70,000
当期純利益 決算短信 1,070,000
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 217
予想配当金額 決算短信 0
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 0.000

 

上記の業績予想パラメタを入力して、経営指標を再計算する。

その結果がこちら。

各指標
ROE 自己資本利益率 136.63%
ROA 総資本利益率 24.00%
PER 株価収益率 1.44
ROIC 投下資本利益率 2.72%
EBITDA 減価償却前営業利益 188,070
FCF Free cash Flow 163,122
EV 企業価値 1,914,210
配当利回り 0.00%
配当性向 0.00%

 

ROEのスコアがとんでもない。理由は次年度の最終利益が1兆円を超える見込みのため。

嘘だろって感じですが。

メモリ事業の売却を織り込んでいるからこんなに最終利益がでかいのでしょうか。

グレアム指数は相変わらず低く、2.83倍。

EV/EBITDAは10.18倍と高い。

PEGレシオはなんと1.32倍と割安。まあPERが低すぎるのですが。

FCFマージンは4.18%、営業利益率が低いのはなんとも。

配当はない予定だが、メモリ売却の進捗によっては分からない?

 

総括

前提として、この会社の決算を鵜呑みにして良いのか、猜疑心は芽生えてきます。

現状でもファンダメンタルズは相当良くないのですが、(ROEはバカみたいに良いけど)もっと悪くなる可能性が頭から離れません。

ただ専門家の話など聞くと、やはり東芝のメモリ事業はかなり良いのだそうで、どっか良い外資にでも買われるか、あるいは、分社化して、上場し、独自に資金調達した方が良いという意見が大勢。

メモリ以外は原子力の撤退戦ですとか、インフラで細々やっていくことになるんでしょうかね。

いずれにせよ、こんな昭和の成功体験に憑りつかれた、古い体質の企業は、有望な事業をセパレイトしたらさっさとなくなってしまった方が良いのだと個人的には感じます。

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