【日産自動車】2018.3(本決算)

日産自動車過去エントリ。

★2017.12期、3Q決算

http://tamojun51.com/archives/1669

★2017.9期、2Q決算

http://tamojun51.com/archives/1451

★2017.6期、1Q決算

http://tamojun51.com/archives/1119

★2017.3期、本決算

http://tamojun51.com/archives/1052

今回は2018.3期、本決算について分析。

決算情報および定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合、百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 11,951,169 574,760 746,892
前決算② 11,720,041 742,228 663,499
2017業績予想③ 11,800,000 565,000 705,000
2018業績予想④ 12,000,000 540,000 500,000
①-② 231,128 △ 167,468 83,393
成長率 102.0% 77.4% 112.6%
①-③ 151,169 9,760 41,892
達成率 101.3% 101.7% 105.9%
④-① 48,831 △ 34,760 △ 246,892
成長率 100.4% 94.0% 66.9%

 

【対前期】

増収(+231,128、102.0%)、減益(△167,468、77.4%)

微増収、にもかかわらず、大減益。

営業利益率は6.3%から4.8%へと1.5%もガツンと下がりました。

大減益の理由としては、

・国内の完成検査問題の影響。

・米国の販売会社の在庫調整を含む販売費の増加。

・原材料価格の高騰。

などが挙げられるようです。

【対業績予想】

増収(+151,169、101.3%)、増益(+9,760、101.7%)

業績予想はきちんとクリアしている。

ということは上記の大減益の要因は業績予想にしっかり織り込んでいたということなのでしょうか。

さすがにこの財務能力は日産の底力というところでしょうか。

営業利益率は4.8%を企図していて、見事着地と同率ですね。

【対次年度業績予想】

増収(+48,831、100.4%)、減益(△34,760、94.0%)

微増収だが、営業利益は減少する見込みです。

営業利益率は4.5%の見込みで、当期実績よりも0.3%落ち込みます。

ただでさえ、あまり高くない利益率が更に下がる。

あまり良い業績予想とは思えません。

 

セグメント情報

事業構成比 売上 セグメント利益 構成比
日本 2,194,482 284,198 18.4%
北米 5,978,226 200,047 50.0%
欧州 1,784,063 14,331 14.9%
アジア 1,001,973 53,572 8.4%
その他 992,425 △ 13,980 8.3%
調整 36,592 0.0%

 

売上構成比では北米がトップで、ちょうど半分を占めている。

利益率は3.3%と低いのだが。

国内市場の売上構成比は18.4%と低いが、利益率は13.0%と他セグメントと比較して図抜けて高い。

欧州の利益率は0.8%と危うく赤字。

アジアの利益率は5.3%と他セグメントとの相対的には悪くない利益率。

国内市場は長い目で見れば、シュリンクしていくのは決まっていますから、利益率は今後、どんどん下がるでしょう。

 

当期決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 574,760
有利子負債 当決算期末残高 7,738,356
現金預金 当決算期末残高 1,134,838
株主資本 当決算期末残高 6,190,504
当期純利益 決算短信 746,892
総資産 当決算期末残高 18,746,901
発行済み株式数 当決算期末残高 3,911.158
支払利息 決算短信 12,670
減価償却費 決算短信 889,231
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 191
BPS 純資産÷発行済み株式数 1,583
株価(円) 直近株価 1,146
配当金額 決算短信 53
配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 207,291.387
時価総額 株価×発行済み株式数 4,482,187

 

総資産18.7兆円。株主資本6.1兆円。自己資本比率は33.0%

有利子負債7.7兆円。D/Eレシオは1.25倍と高い。

流動資産11.6兆円。流動負債6.7兆円。流動比率は173.2%

ネットキャッシュは△6.5兆円の大赤字。

赤字の規模がとんでもない。

財政状態はやばそうに見えるのですが。借金だらけ。。

時価総額は4.4兆円。

 

当期決算から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 12.07%
ROA 総資本利益率 3.98%
PER 株価収益率 6.00
PBR 株価純資産倍率 0.72
ROIC 投下資本利益率 2.66%
WACC 加重平均資本コスト 1.55%
EBITDA 減価償却前営業利益 1,463,991
FCF Free cash Flow -61,444
EV 企業価値 11,085,705
配当利回り 4.62%
配当性向 27.75%

 

自己資本比率が低いので、ROEは多少良いスコアかもしれないが、ROA,ROICは良くない。

経営効率は決して良くない。営業利益率は低いし、借金も多すぎ。

グレアム指数は4.35倍とかなりの割安だが、ファンダメンタルズを鑑みると買うべきかどうかは大いに議論あるでしょう。

EV/EBITDAは7.57倍とこちらも高いとは言えないが。。

PEGレシオはマイナス成長なので、測定不能。

FCFは△614億円の赤字。この会社は赤字だらけ。

配当利回りがやたら高い。カネがないのに、謎の高利回り。

 

次年度業績予想から計算する経営指標

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 540,000
当期純利益 決算短信 500,000
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 128
予想配当金額 決算短信 57
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 222,936.020

 

上記、次年度業績予想パラメタを入力して、経営指標を再計算する。

その結果がこちら。

各指標
ROE 自己資本利益率 8.08%
ROA 総資本利益率 2.67%
PER 株価収益率 8.96
ROIC 投下資本利益率 2.50%
EBITDA 減価償却前営業利益 1,429,231
FCF Free cash Flow 1,236,775
EV 企業価値 11,085,705
配当利回り 4.97%
配当性向 44.59%

 

ROE,ROA,ROICどれも良くはない。

自己資本比率が低いので、ROEは多少いいかもしれないが。

グレアム指数は6.49倍なので割安。

EV/EBITDAは7.76倍なので、こちらも割安。

マイナス成長なので、PEGレシオは測定不能。

投資CF加味前のFCFマージンは10.48%と意外と高い。

なぜなら減価償却費が9,000億円弱程度あるから。

配当利回りも高いが、配当性向も高い。

カネ大丈夫なんだろうか。

 

総括

ファンダメンタルズは良いとはお世辞にも言えない。

財政状況は悪い。大きなネットキャッシュの赤字を抱えている。

また、ROE,ROA,ROICなどの経営指標も軒並み悪い。

ファンダだけ見たら絶対買わない銘柄でしょう。

ただ、現状の株価は確かに割安で放置されているように感じないでもない。

当然、上記のファンダや、今後シュリンクしていく国内市場、そして北米や欧州の利益率の低さなどを織り込んでいるから、この安さなのだろうけれども。

ただ財政状態が悪すぎるので私は手を出したくはないと考えるもの。

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