【東海旅客鉄道】2018.3(本決算)

東海旅客鉄道過去エントリ。

★2017.12期、3Q決算

http://tamojun51.com/archives/1633

★2017.9期、2Q決算

http://tamojun51.com/archives/1389

★2017.6期、1Q決算

http://tamojun51.com/archives/1155

★2017.3期、本決算

http://tamojun51.com/archives/893

今回は2018.3期、本決算について分析。

決算情報および定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 1,822,039 662,023 395,502
前決算② 1,756,980 619,564 392,913
2017業績予想③ 1,791,000 618,000 374,000
2018業績予想④ 1,844,000 663,000 404,000
①-② 65,059 42,459 2,589
成長率 103.7% 106.9% 100.7%
①-③ 31,039 44,023 21,502
達成率 101.7% 107.1% 105.7%
④-① 21,961 977 8,498
成長率 101.2% 100.1% 102.1%

 

【対前期】

増収(+65,059、103.7%)、増益(+42,459、106.9%)

成長率は当然、あまり大きくはないが、これだけの成熟産業が徐々にでも未だ成長し続けているということが、「資本集約産業」「規制産業」の強さを物語っている。

営業利益率は35.3%から36.3%へとなんと1%もアップしている。

規制に守られ、競合のいない企業は本当にいい商売です。

【対業績予想】

増収(+31,039、101.7%)、増益(+44,023、107.1%)

対2017業績予想は楽々クリア。

とりわけ、営業利益の成長率が7%を超えている。

良い決算に見えるが、これだけ予想しやすい、しかもこれだけの規模の事業で、7%上振れるというのは、少し財務能力を疑問視することもできるのでは?

想定していたよりも儲けすぎている。殿様商売。

【対次年度業績予想】

増収(+21,961、101.2%)、増益(+977、100.1%)

次年度業績予想は保守的には見える。

当然、お役所なので、保守的な見積もりになるのは当然だが、営業利益の成長率が0.1%というのはちと保守的すぎるのでは。

どうせまた上振れることによる好感でも狙っているのだろうか。

あまり財務能力が高いとは言えないと個人的には感じる。

 

セグメント情報

事業構成比 売上 セグメント利益 構成比
運輸業 1,412,182 623,077 77.5%
流通業 243,228 8,224 13.3%
不動産業 46,117 18,534 2.5%
その他 120,510 13,208 6.6%
調整 △ 1,021 0.0%

 

ほぼほぼ新幹線の会社ですから、構成比トップは当然、運輸業。77.5%

利益率は44.1%、見えない税金による国民を搾取して稼ぎ出した利益率です。

この高い利益率は別にイノヴェイションでも何でもありません。

単なる政治活動の結果に過ぎません。

次点構成比の流通業は13.3%で利益率3.4%

規制されていない事業だと、新幹線の優位性をフルに利用しても、この程度の利益しか挙げることのできない会社。

一方不動産事業の利益率は40.2%

カネと規制にモノを言わせて、弱いモノから搾取する事業はお手の物ということがよく分かります。

 

当決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 662,023
有利子負債 当決算期末残高 4,904,212
現金預金 当決算期末残高 469,863
株主資本 当決算期末残高 3,020,245
当期純利益 決算短信 395,502
総資産 当決算期末残高 8,908,682
発行済み株式数 当決算期末残高 196.233
支払利息 決算短信 78,722
減価償却費 決算短信 216,027
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 2,015
BPS 純資産÷発行済み株式数 15,391
株価(円) 直近株価 21,970
配当金額 決算短信 140
配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 27,472.625
時価総額 株価×発行済み株式数 4,311,240

 

総資産8,9兆円、株主資本3兆円、自己資本比率33.9%

有利子負債4.9兆円。D/Eレシオは1.62倍と高い。

内3兆円以上が国からの借金(税金)なんですが。

流動資産3.8兆円。流動負債6,028億円。流動比率631.2%

ネットキャッシュは△1.2兆円の大赤字。ただまあ国の借金が3兆円以上あるので、最悪踏み倒されても泣くのは国民だけです。

時価総額が4.3兆円。

 

当決算から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 13.10%
ROA 総資本利益率 4.44%
PER 株価収益率 10.90
PBR 株価純資産倍率 1.43
ROIC 投下資本利益率 5.38%
WACC 加重平均資本コスト 0.99%
EBITDA 減価償却前営業利益 878,050
FCF Free cash Flow -1,015,792
EV 企業価値 8,745,589
配当利回り 0.64%
配当性向 6.95%

 

自己資本比率が低いので、ROEは多少良く見えるが、ROAは良くない。

ROICも低い。資本効率は良くない。

これだけ利益率が良いにも関わらず、これだけ資本効率が悪い。

人件費やらでムダ金使っている証拠でしょう。

グレアム指数は15.56倍。当然期待値は低い。投資家はバカではない。

EV/EBITDAは9.96倍でギリギリ割安。しかし買おうとは思わないが。

PEGレシオは10.20倍と割安に見える。これは成長率が良いからではなく、PERが低いから。

人気がないのでしょう。

FCFマージンは△1兆円の大赤字。リニア関連の投資がかさんでいるのでしょう。

配当利回りと配当性向は低い。投資家軽視も甚だしい会社です。

 

次年度業績予想から計算する経営指標

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 618,000
当期純利益 決算短信 374,000
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 1,906
予想配当金額 決算短信 140
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 27,472.625

 

次年度の業績予想パラメタ。こちらを入力して経営指標を再計算したものがこちら。

各指標
ROE 自己資本利益率 12.38%
ROA 総資本利益率 4.20%
PER 株価収益率 11.53
ROIC 投下資本利益率 5.02%
EBITDA 減価償却前営業利益 834,027
FCF Free cash Flow 613,772
EV 企業価値 8,745,589
配当利回り 0.64%
配当性向 7.35%

 

上にも書いた通り、ROE,ROA,ROICのスコアは大したことはない。

営業利益率が36.0%でこの体たらく。どれだけ無駄な人件費やらなんやら使っているのでしょうか。

グレアム指数16.45倍。EV/EBITDAは10.49倍。PEGレシオは10.76倍。

どちらも割高とは言えませんが、嫌われる企業には嫌われるだけの理由があると思います。

FCFマージンは投資CF加味前で、34.27%

国民から見えない税金として巨利を収奪しているわけですから、カネも唸るようです。

そして配当利回り・配当性向は相変わらず超低空飛行。

投資家軽視・資本主義軽視も甚だしい会社。

 

総括

上に書いてきた内容からもお分かりのように、私はこの会社が好きではありません。

確かに新幹線は産業のために必要不可欠です。

しかしだからと言って、規制でガチガチに縛って、高い運賃を正当化する理由にはなりません。

というか、地域創生とか、産業創出とか言うならば、運賃を下げて、もっと人の行き来を促進させるべきでしょう。

今はG.W時期できっと新幹線は激混みでしょう。

利用客が多すぎるので、運賃を下げるモチヴェイションに繋がらない。

と考えると、やはりこういう規制産業が高い運賃を肯定できないようにするためにはどうしても必要な存在があります。

それは「競合」です。

これが資本集約型・規制事業でなければ、つまり参入障壁さえ高くなかったら、市場原理により、競合が出現して、東海の高すぎる運賃も粛清されるはずなのですが、新幹線競合は参入障壁が高すぎて、容易に市場原理をワークさせてくれないという背景があります。

AIR LINEなのか、自動運転車なのか。

いずれにせよ、新幹線に代わる競合が出現しないと東海の不必要なホワイトカラー社員の高い給料を維持するための、巨額の運賃が社会的に是認される状況を変えられません。

権力は批判しないと腐る一方です。

こういう腐った準公営企業を駆逐できるような方法を日夜考えています。

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