【ファンコミュニケーションズ】2017.12(本決算)

ファンコミュニケーションズ過去エントリ。

【2017.6期 2Q決算】

http://tamojun51.com/archives/1247

アドテク企業。

セグメント情報は以下の通り。

事業構成比 売上 セグメント利益 構成比
CPA 25,794 4,947 66.0%
CPC 12,845 1,838 32.8%
その他 463 19 1.2%
調整 △ 1,055 0.0%

 

収益の大きな柱はCPAとCPC

CPAとはコンヴァージョン1件を達成するための広告料金のこと。

コンヴァージョンとは、顧客情報データ取得や、商品の購入などの、その広告サイトの目的のことを指す用語。

CPA=広告料金÷コンヴァージョン件数、で求められる。

CPCは広告バナーやらテキストやらの1クリック当たりの広告料金のこと。

GOOGLEのADSENSEとかがこれに当たる。

課金されるのが、1クリックということで、コンヴァージョンよりもハードルが低いので、単価もそれなりに安い。

CPC=広告料金÷クリック数、で求められる。

当社のセグメント情報を見ると、CPAの方が大きい。利益率は19.2%とかなり高い。

CPCも利益率14.3%となかなか良い商売をしているように見える。

以下、今回は2017.12期、本決算について分析。

決算情報および定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 39,102 5,749 4,228
前決算② 37,515 5,825 3,912
業績予想③ 38,500 5,000 3,470
YoY 1,587 △ 76 316
104.2% 98.7% 108.1%
③-① △ 602 △ 749 △ 758
YoY 98.5% 87.0% 82.1%

 

対前期増収(+1,587、104.2%)、減益(△76、98.7%)

増収なのに減益は痛い。

営業利益率も15.5%から14.7%へと0.8%も低下している。

原因はCPCの不振。単価の減退圧力や動画広告の開発費用先行など。

そして次年度の計画もかなり減退している。

売上が98.5%、営業利益87.0%、最終利益82.1%と大きくマイナス成長を見込む。

なかなか苦しい決算のように見えますが。

 

当決算期末時点における決算パラメタ

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 5,749
有利子負債 当決算期末残高 0
現金預金 当決算期末残高 16,822
株主資本 当決算期末残高 19,466
当期純利益 決算短信 4,228
総資産 当決算期末残高 26,085
発行済み株式数 当決算期末残高 76.791
支払利息 決算短信 0
非資金的費用 決算短信 264
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 55
BPS 純資産÷発行済み株式数 253
株価(円) 直近株価 709
配当金額 決算短信 19.0
配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 1,459.034
時価総額 株価×発行済み株式数 54,445

 

総資産26,085、株主資本19,466、自己資本比率74.6%

有利子負債はなし。

流動資産22,431、流動負債6,393、流動比率350.9%

ネットキャッシュが+17,819で対総資産比率68.3%

ご覧の通り、財務内容自体は超優等生。

資産はほとんどがカネです。

時価総額は544億円。そこまで大きい会社では、まだない。

 

当決算から計算する経営指標

各指標
ROE 自己資本利益率 21.72%
ROA 総資本利益率 16.21%
PER 株価収益率 12.88
PBR 株価純資産倍率 2.80
ROIC 投下資本利益率 19.01%
WACC 加重平均資本コスト 7.50%
EBITDA 減価償却前営業利益 6,013
FCF Free cash Flow 2,869
EV 企業価値 37,623
配当利回り 2.68%
配当性向 34.51%

 

ROE,ROA,ROICはどれも好スコア。

グレアム指数は36.02倍とちと高いか。

EV/EBITDAは6.26倍と割安でしょう。

PEGレシオはマイナス成長のため、測定不能。

FCFマージンは7.34%、まあそこそこ。

配当利回りと配当性向もそこそこ良いと思います。

 

業績予想から計算する経営指標

業績予想パラメタは以下の通り。

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 決算短信 5,000
当期純利益 決算短信 3,470
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 45
予想配当金額 決算短信 19.0
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 1,459.034

 

このパラメタを入れ替えて経営指標を再計算。

各指標
ROE 自己資本利益率 17.83%
ROA 総資本利益率 13.30%
PER 株価収益率 15.69
ROIC 投下資本利益率 16.53%
EBITDA 減価償却前営業利益 5,264
FCF Free cash Flow 3,482
EV 企業価値 37,623
配当利回り 2.68%
配当性向 42.05%

 

ROE,ROA,ROIC,どれも悪くはないのですが、当決算から考えると結構減退しています。

時価総額1,000億円未満の会社がこの時点でマイナス成長で息切れ、というのはあまり印象良くはないでしょう。

グレアム指数も43.88倍と少し割高に振れている。

EV/EBITDAも割高に振れる。まだ割安圏ではありますが。

PEGレシオは、マイナス成長なので、こちらも測定不能。

FCFマージンは投資CFを加味しない状態で9.04%ともう少し欲しいところだ。

配当利回りは変わらず。配当性向は利益が落ちた分だけ上がる。

 

総括

ファンダメンタルズはとても良い。

財政状態は文句のつけようがない。

ROE,ROA,ROICなどのスコアもとても良い。

グレアム指数、EV/EBITDAなどもそこまで割高とも思えない。

しかし、ネックはマイナス成長でしょうね。

これだけ若い会社がもう息切れしているんだ、というのは若干の失望が伴うのは致し方ない。

最近のリリースだとこんなのがある。

https://www.fancs.com/news_release/2018/03/28/4794

正直内容は難しくて詳細はよく分からないが、とにかく新しい広告効果測定テクノロジーらしい。

広告主にとって、広告効果の測定は費用対効果を知る上での一番の関心事ですから、これの精度が上がるのは、ありがたい流れ。

どの程度、精度が高くなるのかは分かりませんが、こういうアドテクがどんどん普及していくのは良い流れでしょう。

しかし、これだけで経営成績が劇的に改善するほど楽観的にはなれないでしょう。

事実、会社の計画はかなり保守的になっていますので。

今後は、いかにネット広告をコモディティ化させずに独自路線を先鋭化していけるか、そこにアドテクやマーケティング企業の命題、経営課題の多くが潜んでいます。

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