不動産オーナーがどれだけ「優遇」されているかを考える

一流ネットメディア「現代ビジネス」の記事。

【松本人志「ネカフェ難民は、ちゃんと働いて」発言に足りなかったもの】

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54595

これを読んで、問題の根幹は何なのか考えて、私が思いついたのが、

「不動産オーナーが優遇され過ぎていることが一番の問題なのではないか」と考えるので、その理由を書いていこうと思います。

 

多額の初期費用、つまりカネの優遇

大体日本国内で賃貸アパートやマンションを借りようとすると、でかい初期費用で逡巡します。

初期費用の内訳は「初月分家賃」「敷金(deposit)」「礼金」「仲介手数料」「保険料」などがあります。

仮にひと月分の家賃を10万円として、敷金は2か月分、礼金は2か月分、仲介手数料1か月分も取られるような人気物件を考えてみると、その初期費用はいくらになるか。

項目 単位・万円
初月分家賃 100,000
敷金 200,000
礼金 200,000
仲介手数料 108,000
火災保険 20,000
合計 628,000

 

仲介手数料はサービス料なので、消費税込です。

大体の計算で628,000円。裕福な家庭なら気にならないのかと思いますが、これは普通のサラリーマンには大きな負担でしょう。

「敷金(補償金・deposit)」は理解できないことはない。これは海外で物件を借りる時も発生する費用で、物件を無事に返した時には返金されるカネ。

しかし礼金などという文化は海外にはありません。

初月分家賃もいずれは発生するものだから仕方ないですが、何で前払いしなければいけないのかは謎。

普通、サービスだろうが、プロダクトの提供だろうが、引き渡してから対価が発生するのが通常の取引。

にも関わらず、賃貸住宅の家賃だけは、住む前から、カネを要求される。変な話だ。

カネの面で、なぜこれほどまでに、不動産オーナーが優遇されているのか、私は謎で仕方がない。

 

保証人を必須とする優遇

不動産を借りる時、絶対必要とされるのが、保証人です。

お父上を始めとした御親族など、ある程度収入のある家族に頼み込まざるを得ないでしょう。

しかしこれもおかしなもので、そんな裕福な親族のいない人も多いでしょう。

そうすると、家賃保証会社とかそんな金融サービスに無理矢理加入させられ、ここでもカネがかかります。

保証人を頼れないなら、ここでも初期費用が膨れ上がるのです。

仮に頼れる保証人が運良くいる人でも、そのお父さんや何やらの情報やら何やらを明け渡して審査させられます。

審査とは、何とも気分の良いものではないですね。

そもそもdepositやら何やら払うのに、何で保証人まで必要なのかと、このルールには改めて慄然とさせられるでしょう。

不動産を借りる時に、保証人まで賃借人に用意させようとするのは、いくら何でもやり過ぎ、行き過ぎではないでしょうか。

 

定職が必要という優遇

賃借人自身の定職および定期給与があることも要求されます。

まあ、これは理解できないことはない。

定期的な収入がなければ、家賃払えないわけで、そしたらオーナーとしては困りますから、その審査は当然必要でしょう。

しかしいわゆる無期雇用社員つまり正社員でなければならない、というのだったらそれはオーナー側の過度な保守主義でしょう。

そもそも、上にリンクを張った現代ビジネスの記事に出てくるようなネットカフェ難民は定住所がないから、正規雇用にありつけない、という社会的側面もある。

ていうか、deposit(保証金)とguaranter(保証人)のふたつの要件を満たせば、審査上、もう必要十分すぎるとは思いませんか?

多額の初期費用・裕福な保証人・そして自身の潤沢な財務能力。

これら3つが揃った人間でないと賃貸マンションやアパートが借りられないのです。

これはハードルとして高すぎはしないでしょうか。

 

まとめ

つまり、上の現代ビジネスの記事にあるように、ネットカフェ難民、あるいは、定住所がない人間たちを救うのに、松本人志というタレントを攻撃していても仕方ないし、そんなの意味はないということです。

攻撃すべきなのは、やたらと社会的な優遇を受けている、不動産オーナーの方なのではないでしょうか。

不動産オーナーが求めてくる、

「多額の初期費用」

「保証人」

「本人の定職・定期収入」

この3つの内、いずれかさえ満たせば、審査はOKという風に社会の仕組み、そして強欲な不動産オーナーを変えていかないとこの問題は解決されないのだと私は感じました。

また、最後に。

松本人志の発言は確かに貧困層に対する不理解はあるな、とは感じないではなかったです。

彼はたまたま、芸能人として超成功して、カネは腐るほどあるだろうし、女にもモテモテで幸せな芸能人人生を歩んでいるので、真の貧困にあえいでいる人の気持ちはそりゃ分からないでしょう。

だから芸能人のひとつの見解だと思って見過ごせば良いのですが、そこには成功者バイアスに対する一種の嫉妬のようなものも感じないではなかった、とも思いました。

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