【ユーザベース】2017.12(本決算)
ユーザベースの過去エントリ。
【2017.9期3Q決算】
http://tamojun51.com/archives/1423
【2017.6期2Q決算】
http://tamojun51.com/archives/1134
【2017.3期1Q決算】
http://tamojun51.com/archives/871
今回は2017.12期、本決算について書いていきます。
決算情報および定性情報は決算資料より。
単位は特筆なき場合すべて百万円とし百万円以下の金額は切り捨てています。
経営成績
経営成績 | 売上 | 営業利益 | 当期純利益 |
当決算① | 4,565 | 545 | 438 |
前決算② | 3,081 | 250 | 267 |
業績予想③ | 6,763 | 827 | 176 |
YoY | 1,484 | 295 | 171 |
48.2% | 118.0% | 64.0% | |
③-① | 2,198 | 282 | △ 262 |
YoY | 148.1% | 151.7% | 40.2% |
対前期増収(+1,484、+48.2%)、増益(+295、+118.0%)
成長はすごい。特に営業利益の伸びは凄い。2倍以上。
営業利益率は8.1%から11.9%へと3.8ポイントもアップして、二けたの大台に乗った。
事業構成比はこちら。
事業構成比 | 売上 | セグメント利益 | 構成比 |
SPEEDA | 2,904 | 415 | 63.6% |
NewsPicks | 1,661 | 130 | 36.4% |
SPEEDAは2B、NewsPicks(以下NP)は2Cである。
SPEEDAの利益率は14.3%と高い。NPの利益率も7.8%と2Cにしては高い。
好調決算と言わざるを得ないでしょう。数字だけ見れば。
次年度の計画数値も意欲的。
売上は+48.1%、営業利益は+51.7%もの大幅成長を狙う。
しかし最終利益に至っては、△59.8%のマイナス成長である。
これはなぜなら、次年度において、持分法投資損失で△431の営業外損失を見込んでいるから。
これは米国事業の投資損失のようで、現状、まだ利益化の軌道には乗っていないのでしょう。
一見良い決算に見えますが、実は内実はそんなことないのかもしれない。
当決算から計算する経営指標
当決算期末時点における決算パラメタ。
項目 | 情報ソース | パラメタ |
営業利益 | 決算短信 | 545 |
有利子負債 | 当決算期末残高 | 1,257 |
現金預金 | 当決算期末残高 | 3,217 |
株主資本 | 当決算期末残高 | 1,807 |
当期純利益 | 決算短信 | 438 |
総資産 | 当決算期末残高 | 4,408 |
発行済み株式数 | 当決算期末残高 | 28.947 |
支払利息 | 決算短信 | 10 |
減価償却費 | 決算短信 | 49 |
EPS | 当期純利益÷発行済み株式数 | 15 |
BPS | 純資産÷発行済み株式数 | 62 |
株価(円) | 直近株価 | 1,503 |
配当金額 | 決算短信 | 0 |
配当総額 | 1株当り配当×発行済み株式数 | 0.000 |
時価総額 | 株価×発行済み株式数 | 43,508 |
総資産4,408、株主資本1,807、自己資本比率41.0%
有利子負債1,257、D/Eレシオ0.7倍。
流動資産3,732、流動比率84.7%
ネットキャッシュは+1,960で対総資産比率が44.5%とかなりの金持ち。
時価総額は435億円。本当にここまでの価値はあるんだろうか。。
以下計算結果。
各指標 | ||
ROE | 自己資本利益率 | 24.24% |
ROA | 総資本利益率 | 9.94% |
PER | 株価収益率 | 99.33 |
PBR | 株価純資産倍率 | 24.08 |
ROIC | 投下資本利益率 | 11.45% |
WACC | 加重平均資本コスト | 0.21% |
EBITDA | 減価償却前営業利益 | 594 |
FCF | Free cash Flow | -170 |
EV | 企業価値 | 41,548 |
配当利回り | 0.00% | |
配当性向 | 0.00% |
ROE,ROAはなかなかのハイスコア。
グレアム指数は2391.69倍。とんでもない割高さ。絶対買わない。
EV/EBITDAは69.95倍。こちらもとんでもない割高。買わない。
PEGレシオは84.18倍。割高。
FCFは赤字。米国事業がまだまだ利益化されていないというのが大きいのでしょう。
ROICはそこそこ高い。
配当はなし。カネはあるのにね。
業績予想から計算する経営指標
業績予想にかかるパラメタ。
項目 | 情報ソース | パラメタ |
営業利益 | 決算短信 | 827 |
当期純利益 | 決算短信 | 176 |
EPS | 当期純利益÷発行済み株式数 | 6 |
予想配当金額 | 決算短信 | 0 |
予想配当総額 | 1株当り配当×発行済み株式数 | 0.000 |
こちらのパラメタを入力して計算すると。
各指標 | ||
ROE | 自己資本利益率 | 9.74% |
ROA | 総資本利益率 | 3.99% |
PER | 株価収益率 | 247.20 |
ROIC | 投下資本利益率 | 17.37% |
EBITDA | 減価償却前営業利益 | 876 |
FCF | Free cash Flow | 558 |
EV | 企業価値 | 41,548 |
配当利回り | 0.00% | |
配当性向 | 0.00% |
ROE,ROAがガッツリ悪くなる。最終利益悪化に伴い。
グレアム指数は脅威の5952.04倍。誰がこの銘柄買ってんの???
EV/EBITDAは47.43倍。こちらも超割高でしょう。
PEGレシオは162.91倍。超割高。
FCFマージンは8.25%、このうちいくらを投資に振り向けるのか。
ROICは良いスコア。だが、本当にこの営業利益を達成できるかはまだまだ未知数です。
配当は引き続きなし。事業投資にカネがいくらあっても足りないということなのでしょう。
まとめ
なぜここまでこの会社の期待値が上がるのか、スコアからはさっぱりわからない。
NPは日頃使っていて、確かにキュレーションサイトとしては重宝しないでもない。
悪くないサイトとアプリだとは確かに思うが、運営側が恣意的に、コメントの表示欄を調整したりして、世論操作や印象操作を行っている、極めて社会主義的志向の会社です。
とても時価総額435億円もの価値がある会社とは思えない。
ではいくらなら買うか。(時価総額の本当の価値はどのくらいか)
現在の株価が1,500円前後とかになっているが、これが150円。
つまり今の株価の1/10の価値はかろうじてあるんじゃないかな、と考える。
株価が150円になると、グレアム指数は23.82倍、EV/EBITDAは4.01倍と、少し買えなくもないスコアになってくる。
時価総額は43億円。これくらいが適正なプライシングなのではないか、と考えます。