【昭和産業】2017.12(3Q決算)
昭和産業の過去エントリ。
【2Q決算】
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【1Q決算】
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【前期本決算】
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今回は2017.12期、3Q決算について見ていきます。
決算情報および定性情報は決算資料より。
単位は特筆なき場合すべて百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てている。
経営成績
経営成績 | 売上 | 営業利益 | 当期純利益 |
当決算① | 177,063 | 5,442 | 4,250 |
前決算② | 178,209 | 8,141 | 5,668 |
業績予想③ | 243,000 | 7,600 | 5,300 |
YoY | △ 1,146 | △ 2,699 | △ 1,418 |
-0.6% | -33.2% | -25.0% | |
③-① | 65,937 | 2,158 | 1,050 |
進捗率 | 72.9% | 71.6% | 80.2% |
対前四半期累計減収(△1,146、△0.6%)、減益(△2,699、△33.2%)
減益幅がなかなかに厳しい。△33.2%とは。
営業利益率は4.6%から3.1%へと△1.5ポイント。苦しい決算。
以下、セグメント情報。
事業構成比 | 売上 | セグメント利益 | 構成比 |
製粉 | 49,043 | 1,754 | 27.7% |
油脂食品 | 59,309 | 1,870 | 33.5% |
糖質 | 25,334 | 1,063 | 14.3% |
飼料 | 39,549 | 504 | 22.3% |
倉庫 | 2,113 | 540 | 1.2% |
不動産 | 1,495 | 816 | 0.8% |
その他 | 216 | 76 | 0.1% |
調整 | △ 1,184 | 0.0% |
色々な事業をやっていますが、主力は油脂食品・製粉・飼料事業。
それぞれ、利益率が3.2%、3.6%、1.3%と厳しい利益率です。
最近のグルテンフリーダイエットや糖質オフダイエットなどの影響も当然あるでしょう。
逆に利益率が良いのが、倉庫事業25.6%、不動産事業54.6%
本業でない利益率がすごい!
もういっそ倉庫業・不動産業に転身した方がいいのではないでしょうかW
対計画では、売上と営業利益はショートしている。最終利益は超過達成。
これは配当金や持ち分法利益によるもの。
本業より筋が良いと思うのは私だけではないでしょうW
本業を大胆にリストラし、倉庫・不動産・投資業に本腰を入れるわけにはいきませんでしょうか?
業績予想から計算する経営指標
当四半期末時点における決算パラメタ。
項目 | 情報ソース | パラメタ |
営業利益 | 業績予測 | 7,600 |
有利子負債 | 当決算期末残高 | 35,982 |
現金預金 | 当決算期末残高 | 2,451 |
株主資本 | 当決算期末残高 | 71,214 |
当期純利益 | 業績予測 | 5,300 |
総資産 | 当決算期末残高 | 168,120 |
発行済み株式数 | 当決算期末残高 | 31.575 |
支払利息 | 業績予測 | 185 |
減価償却費 | 業績予測 | 7,582 |
EPS | 当期純利益÷発行済み株式数 | 168 |
BPS | 純資産÷発行済み株式数 | 2,255 |
株価 | 直近株価 | 2,716 |
予想配当金額 | 決算短信 | 50 |
予想配当総額 | 1株当り配当×発行済み株式数 | 1,578.725 |
時価総額 | 株価×発行済み株式数 | 85,756 |
総資産168,120、株主資本71,214、自己資本比率42.4%とそこそこ。
有利子負債35,982、D/Eレシオ0.51倍とまだまだ低い。
流動資産71,869、流動比率42.7%と低い。
ネットキャッシュは△33,531と赤字。
財務的には少し苦しくなってきたか。
時価総額は857億円とそこそこ大きい。
以下計算結果。
各指標 | ||
ROE | 自己資本利益率 | 7.44% |
ROA | 総資本利益率 | 3.15% |
PER | 株価収益率 | 16.18 |
PBR | 株価純資産倍率 | 1.20 |
ROIC | 投下資本利益率 | 4.56% |
WACC | 加重平均資本コスト | 1.58% |
EBITDA | 減価償却前営業利益 | 15,182 |
FCF | Free cash Flow | 7,163 |
EV | 企業価値 | 119,287 |
予想利回り | 1.84% | |
配当性向 | 29.79% |
ROE,ROAは少し物足りない。
グレアム指数は19.5倍と割安でしょう。
EV/EBITDAは7.9倍と、こちらも割安。
PEGレシオはマイナス成長なので測定不能。
FCFマージンは2.9%と低い。営業利益率が低いので。
ROICも低い。
配当利回りと配当性向はそこそこ。カネ大丈夫か。
まとめ
なかなか苦しい決算だが、最終利益だけは計画数値を超過しているので、そこは評価したい。
あと、グレアム指数とEV/EBITDAが割安スコアなのも評価したいところです。
逆に言うと、その他のスコアは褒めるところがありません。
まずは何はともあれ、営業利益率を上げることでしょう。
そのためにどうすればよいか。方法はひとつしかない。
リストラでしょう。
特に製粉や糖質、というか食品事業を大胆にリストラするしかないのでは?
本業であるはずの食品事業が足を引っ張っています。
ここを縮小し、冗談でも何でもなく、倉庫業、不動産業、投資業にウェートを移していくしかないのではないかと感じました。
これからグルテンフリーや糖質オフは主流になりこそすれ、再度昔のようなパン食、砂糖食ブレイクに回帰していくことはないでしょう。
世の趨勢は健康志向なのです。
そんな地合いでいつまでも食品業を続けているのはあまりクレバーな経営方針とは言えないでしょう。
小麦粉も砂糖も私は好きですが、たまに食べるくらいがちょうどいい。
ですから食品事業のリストラ。
まずはこちらを推し進めていただけないか、と感じます。