【決算短信】改善して欲しい点

決算短信とは、株式を証券取引所に上場している企業が、証券取引所の適時開示ルールにのっとり、決算発表時に作成・提出・公開する帳票類のことです。

決算短信は証券取引所の自主規制に基づく開示で、特に法的に規制されている代物でありません。

しかし投資家の多くは、企業の決算状況をいち早く確認したいために、企業の決算開示で最も早い決算短信が最も多く閲覧されている帳票だということができるでしょう。

ちなみに、決算短信、四半期決算短信ともに、決算期末後45日以内に開示されることが適当と考えられています。

早ければ早いほど良いので、できれば30日以内が良いとも言われます。

しかし、上記したように法的に公開が義務付けられている帳票ではないために、これを公開しなかったことによる罰則などはありません。

ただ、決算短信のリリースなどが遅かったり、あるいは公開しないなどのアウトローな行為をしてしまうと、株式市場において投資家などから不信感や悪い心証を得てしまうために、ほぼ事実上、提出と公開が義務付けられているようなものです。

また、建前として、ここに記載されている数値などの決算情報は監査法人の会計監査などはパスしていない数字ということになっています。

決算短信や四半期決算短信などに遅れてリリースされる有価証券報告書あるいは四半期報告書などは、決算短信とは違い、金融商品取引法という法律によって、これの作成・提出・公開の義務が明文化されています。

こちらは監査法人の監査をパスしてきた数字なので、一応建前としては短信よりも信頼性が担保されたリリースということができます。

実質的には短信の数字と有価証券報告書の数字が大きく違うことはほとんどないようですが。

私はこの決算短信を見たりするのが趣味というか好きなので、それが高じて、各企業の決算分析などをブログで公開したりしていますが、日々色々な決算短信に触れている内に、

「ここはこう改善して欲しい」

と切望するようになった箇所が何点かありますので、ここで改善要求+備忘録としてブログを書いておこうと思います。

 

減価償却費およびのれん償却費の記載を義務付けて欲しい

この要望は主に、四半期決算短信についてです。

四半期決算短信だと、企業によっては減価償却費とのれんの償却費が記載がなくわからないことが多く、かなり困っています。

なぜこれらの償却費が分からないと困るかというと、これらが非資金費用だからです。

非資金費用とはつまり、カネが出て行っていないにもかかわらず、費用として利益の減少要因になる費用のこと。

これが分からないと、企業の実際の金回りを示す、FCFや簡易的な営業CF、EBITDAなどの重要な経営指標を算出できなくて大変に困ります。

四半期決算短信だと、キャッシュフロー計算書の記載を省略する企業が多いので、これらの数字が特定できないのです。

なので、少なくとも、減価償却費とのれん償却費は損益計算書に別掲するか、あるいは内訳としてどこかに記載する箇所を設けて欲しいものです。

短信でこれが分からないと投資家がストレスに感じることが察知できない企業の、財務情報開示のセンスのなさには絶望です。

 

営業CFを記載して欲しい

こちらも四半期決算短信についてです。

上記した通り、四半期決算短信においては、キャッシュフロー計算書の記載を省く企業がことのほか多いのです。

キャッシュフロー計算書とは、その企業のカネの流れを記述する、重要な財務諸表ですから、貸借対照表や損益計算書と共に、当然に記載を義務付けるべきだと思うのですが、おそらく、それを作るのが事務的な負担を誘発すると考えられていて、記載の省略が半ば黙認されているのでしょう。

しかしこれはかなり重要な財務諸表ですから、たとえ四半期決算だとしても、数字を見たいと普通の真剣な投資家なら考えるはずです。

特に営業CFは貸借対照表と損益計算書の数字が確定していれば、数字が自動的に決まる性質のCFです。

なので、営業CFを記載することがそこまで工数的に大変な作業とはちょっと考えられないのです。

百歩譲って、投資CFと財務CFは記載しなくていいとしても(これだって普通に作れると思うのですが)営業CFくらいは四半期決算短信でも記載を義務付けるべきではないでしょうか。

というかキャッシュフロー計算書を記載しない短信なら、もういっそのこと出さなければいいんじゃないかとすら思うくらいです。

四半期決算だからとナメて、CF計算書を出さないのは、もはや企業の怠慢とすら言えるのではないでしょうか。

 

各アイテムを一括して記載して欲しい

これはどういうことを言っているのかと言うと、たとえば「棚卸資産」

「棚卸資産」とは何かというと、製品や商品、仕掛品や材料原材料、未成工事支出金など。

要は、まだ売れていない在庫や、在庫を形成するその元になる材料・原材料などのブツのことです。

これら「棚卸資産」はFCFを計算するための、運転資本を計算するための重要なアイテムになります。

ですからこれを貸借対照表を閲覧しながら、電卓で足し合わせなくてはならないのですが、これがかなり億劫なのです。

ですから、貸借対照表に、「棚卸資産」として一括して集約された金額が記載されていると大変に助かるのです。

売掛債権も同様。売掛金と受取手形とか分けて表示されていますが、正直一緒にして欲しい。

仕入債権も同様。買掛金と支払手形を別にされても。あと未払い金とか未払い費用の中に、仕入債権が潜り込んでいそうな会社も時々散見される。

そして有利子負債。

これはなぜか、会社法や金融商品取引法のルールで、短期借入金と1年以内返済長期借入金を別アイテムとして管理しなければいけません。

しかし1年以内返済長期借入金って、つまり短期借入金のことでしょう?

なぜ別掲する必要があるのか、正直会計のルールに疑問を感じています。

もっと記載は簡略化して、見やすくて単純な財務諸表にする方が、作り手も、そして見る側の利益にも絶対資するはずなのです。

 

まとめ

私は決算短信に対して多くを求めているとは考えていません。

今よりもう少し、投資家に見やすい形にして欲しいと言っているだけです。

減価償却費・のれん償却費の記載やCF計算書の作成。そして各アイテムを一括表示する処理が果たして工数的に難しいとは思いませんが、そんなに難しいというのならば、もっと他の記載項目をリストラしてしまえばいいのではないか、と考えます。

短信は不要なものはあまりないと思いますが、有価証券報告書などは、新株予約権の付与に関してのごちゃごちゃとやたら多い注記など注記関係がもっとリダクションしても全然構わないな、と感じています。

必要な記載はきちんとして、不要な記載はなくしていく。

決算短信も当然に、最適化していくべきだと考えております。

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