解雇規制を撤廃し、労働市場を流動化すべし。

日本の自殺者が2016年は22,000人という事で、かなり減りました。
一時期は30,000人くらいの規模だったので、減った事は純粋にいいことでしょう。

この自殺者の数は失業率と相関があると言われています。

失業率を相対化すると下記の通り。

欧米諸国 5~10%。日本は3%前後で推移。

アメリカ 8%、ドイツ 5%。

こうして見ると、日本の失業率は相対的に低いのがわかります。

ところが、若者の失業率を見ると、数字は飛躍的に跳ね上がり、なんと失業率8%にもなる。

まあ若者の失業率は世界的に多い傾向にあり、イタリアなどは若者の3人に1人は失業者だと言われています。

こういう若者が職にありつけない。

美味しいモノを食べたりできない。

綺麗ないい女と付き合ったり結婚したりできない。

ムカつく。

ホームグロウンテロ。IS入信。

と言った負の連鎖が発生しているのでしょうね。
ちなみに、失業者とは就業意志があるにもかかわらず職に就いていない人、という定義ですので、これにニート率を加えれば、日本の失業率は3%どころじゃ済まないと思われるかもしれませんが。

日本のニート率も世界相対的には低いのです。
ここに言うニート率とは年齢レンジが15~25歳で、就業・就学・職業訓練のいずれも行っていない人の割合という事です。

このニート率は日本では10.1%だそうです。
10人に1人がニートだとかなり多いと思われがちですが、実はG7の中では最も少ないニート率。

上記したイタリアなどは5人に1人がニートだそうです。

では、成長率が決して高くなく、景気が悪く、デフレだと言われ続けている日本の失業率がなぜこんなにも低いのか。

理由は以下2つです。

・新卒一括採用
・流動性に乏しい労働市場

新卒一括採用のような特殊な就業システムを運用しているのは実は世界的にも珍しいのです。
ゆえに大学を卒業した学生はみんながそうするのと足並みを合わせ就職するので、22~23歳くらいの若者の失業率はおしなべて低いわけです。

このシステム自体はいいか悪いかは議論があるでしょう。
私は特に何とも思いませんが。

2つ目の流動性の乏しい労働市場。これは問題があると思っている。

欧米諸国などは仕事がなくなるとすぐに社員の首を切ります。
首を切る。この表現でお馴染みの解雇に日本人はとてつもないアレルギーがあります。

解雇をする会社は非人道的であり、社員とその家族を路頭に迷わせる鬼である。というわけです。

まあなんと会社に甘えた考えなのか。そんなに会社に甘えて会社にぶら下がり続けるのなら、会社の文句を言うべきではない。
会社にもっと忠誠を誓って、サービス残業もよしとすべきでしょう。

欧米のビジネスマンは日本のサラリーマンと違って甘えていません。
首を切られたらすぐ次の仕事を見つける努力をします。
欧米の会社は解雇規制が日本と比べて格段に緩く、会社は社員をすぐ辞めさせられるので、すぐに社員を雇う事ができる。
社員を解雇する事のハードルが低いがゆえに、社員を雇うハードルも低いのです。
ここが重要です。

翻って日本はどうか。
日本の労働者は正社員になると労働契約法16条や日本食塩事件の最高裁判決などで、かなり強固な解雇規制に守られます。
つまり一旦会社に入ったら簡単には会社を辞めさせられない、強い立場になるという事です。
これは一見いいことに見えますが、さにあらず。
会社としては1回雇ってしまったらよほどの事がないとその社員を辞めさせる事ができないのですから、入社させるのには細心の注意を払います。
だから不要とも思える面接を3回とか、多い所だと5回もやるのです。

この面接回数の多さだとか、面接担当者の恣意性により、選ばれるシステムを疑問に思った事はないですか?
私は何度となくあります。
一体面接で私の人となりの何がわかるのか。
なぜ面接を複数回行い、面接者に負担を強いるのか。

会社員でなくなった今も、全くわかりません。
わかるのは解雇規制という、一見社員を守っているシステムが結局社員を労働市場から締め出しているという厳然としたその事実だけです。

会社に合わない人材が仮にいたとして、その人は欧米ではその人をさっさと辞めさせます。
辞めさせられた人は合わない会社ではなく、次は自分にマッチした会社に巡り合えるかもしれません。

日本は合わない人でも解雇規制があるので、ずっと雇い続けなければいけません。
ゆえに、雇用のミスマッチがあったとしても、無理やりその人材を会社に留め置く事で、その会社の人件費増やその人材のマンパワーをスポイルする方向になるわけです。
数回面接しただけで、その会社に合うかどうか判断できりゃ苦労はないわけでね。

欧米と日本、どちらが、人間として正しいあり方でしょうか。

議論はあるでしょうが、私は日本の雇用システムは逆に人間を不幸にしていると断言します。

20数年生きてきただけの何も知らない若造が、ちょっと企業研究、ちょっとOB訪問したくらいで自分という有機的な個に適合する会社を見つけるのなんてほぼ不可能の運ゲーです。

しかし日本ではその運ゲーを軽々こなし、それから40年以上も同じ会社で働き続ける人生こそが最良であると日本人を思考停止にしてきたわけです。

人生ってそんな分かりやすいものでしょうか。
山もあれば谷もあるのが人生。
失敗したらやり直せる社会でないと恐ろしくて挑戦などできっこない。

挑戦しなければ、グーグルやAmazonみたいな税収をあげてくれる企業なんか日本から生まれっこない。
つまり日本はデフレから脱却できず、ずっと陰鬱な顔をして満員電車に揺られなければならない。

解雇規制とは、多くの日本人から夢や希望を奪う、悪手なわけです。
失業率が低いのに、いまだ日本人の自殺者が多い理由はここにある。

ですから、私はここに解雇規制の撤廃を強く訴えます。
失敗しても何度でも立ち上がって挑戦できる日本にしましょう。

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