【平田機工】2017.9(2Q決算)
生産設備エンジニアリング会社。
事業構成比は、自動車と半導体関連が半々くらいでその2つのセグメントが大半を占めている。
他にも物流機器や家電関連、産業用ロボットなども。
以下国別セグメント。
事業構成比 | 売上 | セグメント利益 | 構成比 |
日本 | 40,615 | 5,448 | 85.8% |
アジア | 4,045 | 394 | 8.5% |
北米 | 2,383 | 137 | 5.0% |
欧州 | 305 | △ 9 | 0.6% |
ほとんど日本シェア。利益率13.4%と高め。
アジアも9.7%となかなか。ここにも中国経済の恩恵が。
北米はやや寂しい5.7%、欧州は赤字。
自動車産業と同じです。
以下当社決算情報および定性情報は決算資料より。
単位は特筆なき場合全て百万円とし、百万円以下の金額は切り捨てるものとする。
経営成績
経営成績 | 売上 | 営業利益 | 当期純利益 |
当決算① | 47,350 | 5,807 | 3,966 |
前決算② | 31,503 | 3,287 | 1,903 |
業績予想③ | 90,000 | 9,000 | 6,000 |
YoY | 15,847 | 2,520 | 2,063 |
50.3% | 76.7% | 108.4% | |
③-① | 42,650 | 3,193 | 2,034 |
進捗率 | 52.6% | 64.5% | 66.1% |
対前四半期増収(+15,847、+50.3%)、増益(+2,520、+76.7%)
すごい増収増益幅である。
営業利益率も10.4%から12.3%へと1.8ポイントもアップ。
対業績予想では、売上、営業利益、最終利益ともに、軒並み超過達成している。
かなりの好決算でした。
業績予想から計算する経営指標
当四半期末時点における決算パラメタ。
項目 | 情報ソース | パラメタ |
営業利益 | 業績予測 | 9,000 |
有利子負債 | 当決算期末残高 | 27,619 |
現金預金 | 当決算期末残高 | 17,338 |
純資産 | 当決算期末残高 | 43,460 |
当期純利益 | 業績予測 | 6,000 |
総資産 | 当決算期末残高 | 101,592 |
発行済み株式数 | 当決算期末残高 | 10.136 |
支払利息 | 業績予測 | 117 |
減価償却費 | 業績予測 | 516 |
EPS | 当期純利益÷発行済み株式数 | 592 |
BPS | 純資産÷発行済み株式数 | 4,288 |
株価 | 直近株価 | 12,160 |
予想配当金額 | 決算短信 | 125 |
予想配当総額 | 1株当り配当×発行済み株式数 | 1,267.050 |
時価総額 | 株価×発行済み株式数 | 123,259 |
総資産101,592、純資産43,460、自己資本比率42.8%と高くはない。
有利子負債27,619、D/Eレシオ0.64倍とまだ高くはない。
流動資産79,792、流動比率78.5%と高い。
ネットキャッシュは△10,281の赤字。
財政状態は決して良いわけではない。
時価総額1,232億円。まだまだこれからでしょう。
以下計算結果。
各指標 | ||
ROE | 自己資本利益率 | 13.81% |
ROA | 総資本利益率 | 5.91% |
PER | 株価収益率 | 20.54 |
PBR | 株価純資産倍率 | 2.84 |
ROIC | 投下資本利益率 | 8.15% |
WACC | 加重平均資本コスト | 1.89% |
EBITDA | 減価償却前営業利益 | 9,516 |
FCF | Free cash Flow | -2,121 |
EV | 企業価値 | 133,540 |
予想利回り | 1.03% | |
配当性向 | 21.12% |
ROEは良いスコア。
グレアム指数(PER*PBR)は高い。
割高になってしまった。出遅れた。最近は話題のビットコインのトレードにうつつを抜かしていた。
余剰資金は全て、コインキャッシュのウォレットに移してしまっていて、カネもない。
そもそも割高になってしまっていて、当銘柄は買えないから、いいのだが。
ROICもなかなかのスコアだが、二けたいくと見栄えがもっと良い。
EV/EBITDAは14.0倍と高い。割高銘柄になってしまっていると思う。
FCFが赤字というのもいただけない。運転資本のサイトが良くない。
現状の株価だと、配当利回り、配当性向も良いとは言えないでしょう。
進捗率から計算する経営指標
現状の進捗率から計算する業績予想パラメタは以下の通り。
修正業績予想 | 売上 | 営業利益 | 当期純利益 |
業績予想④ | 94,700 | 11,614 | 7,932 |
④-③ | 4,700 | 2,614 | 1,932 |
軒並み超過達成。
営業利益11,614、最終利益7,932を業績予想パラメタとして再設定し、経営指標を再算出すると以下の通り。
各指標 | ||
ROE | 自己資本利益率 | 18.25% |
ROA | 総資本利益率 | 7.81% |
PER | 株価収益率 | 15.54 |
ROIC | 投下資本利益率 | 10.52% |
EBITDA | 減価償却前営業利益 | 12,130 |
FCF | Free cash Flow | -438 |
配当性向 | 15.97% |
最終利益がポジティヴになり、ROE,ROAはかなり改善されている。
グレアム指数も44.1倍と多少割安に。それでも高いとは思うが。
ROICも10%を超えてきた。
EV/EBITDAは11.0倍。まだ少し高い。
FCFは赤字のまま。これは良くないでしょう。
まとめ
成長の感じを見ると、バリュー株候補だったのかもしれないが、もはや割安銘柄とは言えないだろう。
というか高い。
良い会社は高い。市場は基本的には完全に効率化されており、ミスプライスされた銘柄などないのだと思い知らされる結果に。
あと財務状態が悪いことは気になる。
自己資本比率42.8%、ネットキャッシュ△10,281、FCF△438
カネはない。
これからどんどん儲かるのかもしれないが、現状のヴァリュエーションだと、買わない。
というかカネがなくて買えません。
バリュー株を見つけるのは一朝一夕にはいかない。
情報は大事です。