【東京エレクトロンデバイス】2017.9(2Q決算)

東京エレクトロンデバイスの過去エントリ。

http://tamojun51.com/archives/1106(1Q決算)

東京エレクトロンという冠がつくが東京エレクトロンの持分は33.8%で子会社ではない。

しかし関連会社上場ということで、潜在的な利益相反取引可能性があります。

子会社で資金調達したカネを親会社が運用しているという歪みも介在しています。

この上場は本当にすべきだったのか議論はあるところでしょう。私はすぐさま非上場になるべきだと思いますが。

事業構成比はこちら。

事業構成比 売上 セグメント利益 構成比
半導体・電子デバイス 68,468 691 89.6%
コンピューターシステム 7,963 291 10.4%

 

半導体商社という触れ込みであるため、収益のほとんどは半導体・電子デバイス関連が占めています。

しかし半導体関連の利益率が1.0%、コンピューターシステム関連も3.7%と利益率はとんでもなく低いです。

原価が抑えられていないことが要因なのか。いずれにせよ、商売が上手い会社ではなさそうです。

以下決算情報、定性情報は決算資料より。

単位は特筆なき場合全て百万円とする。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 当期純利益
当決算① 76,431 1,006 699
前決算② 60,241 △ 128 233
業績予想③ 154,000 2,000 1,200
YoY 16,190 1,134 466
26.9% 885.9% 200.0%
③-① 77,569 994 501
進捗率 49.6% 50.3% 58.3%

 

対前四半期増収(+16,190、+26.9%)、増益(+1,134、+885.9%)

一見すごい成長率に見えますが、ただ単に、前期が悪すぎただけ。

営業利益率は△0.2%から1.3%へと1.5ポイントアップ。

しかしそれにしてもこの営業利益率の低さはかなりの問題でしょう。

対業績予想では、売上はショートしますが、営業利益と最終利益は超過達成しそうではあります。

しかし業績予想自体が営業利益率1.3%という、相対的に、とてつもなく保守的かつ意欲的ではない数字であるということは加味して見ないといけない数字でしょう。

 

当初業績予想から計算する各経営指標

当四半期末時点における決算パラメタは以下の通り。

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 業績予測 2,000
有利子負債 当決算期末残高 29,415
現金預金 当決算期末残高 3,297
純資産 当決算期末残高 23,766
当期純利益 業績予測 1,200
総資産 当決算期末残高 82,054
発行済み株式数 当決算期末残高 10.092
支払利息 業績予測 132
減価償却費 業績予測 522
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 119
BPS 純資産÷発行済み株式数 2,355
株価 前日終値 2,140
予想配当金額 決算短信 60
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 605.494
時価総額 株価×発行済み株式数 21,596

 

総資産82,054、純資産23,766、自己資本比率29.0%とかなり低い。薄い自己資本。

有利子負債が29,415、D/Eレシオが1.24倍と高い。財政も悪い。

流動資産76,637、流動比率93.4%、売掛債権が多い。

ネットキャッシュは△26,118の赤字。カネがない。

別にこれは意欲的に投資しているからカネがないというよりも単に本業の利益が薄すぎて、カネがないだけです。

時価総額215億円。親子上場の問題もありますが、これほどに小さい会社がなぜスモールIPOしなければいけなかったのか、理解に苦しみます。株主軽視と言ってもいいでしょう。

以下計算結果。

各指標
ROE 自己資本利益率 5.05%
ROA 総資本利益率 1.46%
PER 株価収益率 18.00
PBR 株価純資産倍率 0.91
ROIC 投下資本利益率 2.42%
WACC 加重平均資本コスト 1.30%
EBITDA 減価償却前営業利益 2,522
FCF Free cash Flow -4,050
EV 企業価値 47,714
予想利回り 2.80%
配当性向 50.46%

 

ROE,ROAが低い。特にエクイティは上で見たように、自己資本比率が29.0%と小さいにも関わらずこの数字ですから、稼ぐ力がかなり弱いことを表しています。営業利益率が1.3%なので当然です。

PER,PBRはそれほど高くはない。適正と言っていいのではないでしょうか。買う人はなぜ買うのかはわかりませんが。

ROICも低い。かろうじてWACCより大きいですが、いつ抜かされてもおかしくないでしょう。

EV/EBITDAは18.9倍。かなりの割高。逆にこれだけ稼ぐ力が弱いのに、18.9倍で収まっているのが不幸中の幸いか。投資家の人気もないのでしょう。

FCFは当然のように赤字です。繰り返しますが、投資により赤字になっているのではなく、単に本業が振るわないので、CFも赤字なのです。

配当利回りと配当性向は高いです。あまり投資が上手くないのだから、少しでも利益が出たらすぐ分配するべきでしょう。大株主からの圧力(というか意のままなのでしょうが)もあるでしょう。

 

進捗率から計算する各経営指標

現状の進捗率から業績予想パラメタを計算したものがこちら。

修正業績予想 売上 営業利益 当期純利益
業績予想④ 152,862 2,012 1,398
④-③ △ 1,138 12 198

 

売上はショート。しかし営業利益と最終利益はポジティヴです。

営業利益2,012、最終利益1,398のパラメタで各経営指標を再計算するとこちら。

各指標
ROE 自己資本利益率 5.88%
ROA 総資本利益率 1.70%
PER 株価収益率 15.45
ROIC 投下資本利益率 2.43%
EBITDA 減価償却前営業利益 2,534
FCF Free cash Flow -4,042
配当性向 43.31%

 

最終利益がポジティヴになったので、ROE,ROAも改善。

しかしそれでも良いスコアとはお世辞にも言えない。

PERだけは割安に見えるが、総合的に判断すると決して買い推奨銘柄ではない。

営業利益もポジティブになったが、それでも低いROIC.

EV/EBITDAも18.8倍と変わらず割高。

買ってはいけない銘柄だと、私は思う。

 

まとめ

何度も繰り返して恐縮ですが、私ならこの銘柄は絶対買わないでしょう。

スマホの普及やデータセンターの重要性を鑑みれば、今後も半導体の需要がなくなることはありえない。

しかしそれは半導体メーカーはある程度安泰だと言っているのであって、半導体商社はどうか。

そもそも商社という機能が、このインターネット全盛期に必要なのでしょうか。

卸や中間マージンみたいなモノはインターネットにより不要な業態になっていくのだと私は考えています。

なぜなら極論すれば、メーカーと消費者が直で繋がれるから。

それを媒介する中間マージン分が余計なコストとなるに決まっています。

この会社の1.3%という薄い利益率がその仮説を証明しているでしょう。

世の中に必要なサーヴィスやプロダクトを生産していれば、それは市場原理により適切にプライシングされます。

この会社の利益率1.3%は、その適切にプライシングされた結果なのです。

私ならこの会社は買わないと言うのは、そういう考え方に立脚しています。

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