【リクルートホールディングス】2017.6(1Q決算)

生活情報分野の販促メディア展開。

主業は人材募集、派遣業も。求人突合サイト「indeed」など好調。

住宅、結婚、旅行、飲食、美容とカヴァーする領域は幅広いが何と言っても当社の代表事業としては、人材業でしょう。

草分け的存在ともいえる、人材業。事業構成比は下記の通り。

事業構成比 売上 構成比
人材 364,400 69.5%
その他メディア 159,996 30.5%

 

人材業の事業依存度は70%

当然のことながら大きい。人材業というのは企業がある限りなくならない安定した仕事とも思えるので、事業基盤は強固。

以下決算情報、定性情報は当社決算資料より。単位は特筆なき場合、全て百万円とする。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 営業CF
当決算① 524,396 56,326 25,829
前決算② 438,580 50,041 26,133
業績予想③ 2,084,000 185,500
①-② 85,816 6,285 △ 304
成長率 19.6% 12.6% -1.2%
③-① 1,559,604 129,174
進捗率 25.2% 30.4%

 

対前四半期増収(+85,816、+19.6%)、増益(+6,285、+12.6%)

未だに二けた成長と言うのはすごい。牽引しているのは案の定人材業。

当社の経営というより、人材業が好況なだけと言えば、それが原因。

人材業のプラットフォーマーゆえ、波が来たら強い。

しかし営業利益率は前四半期の11.4%から10.7%へ0.7ポイントダウン。

理由はなぜかは分からないが、海外企業買収などの影響か。しかしこれだけ対前期で成長させていれば、買収はワークしていると評価せねばならないだろう。

営業CFは対前四半期比で△304、△1.2%のマイナス成長。営業利益は成長しているのにこれはなぜか。

大きな要因としては、「その他の増減」で△14,481。その他の増減とは何なのか、内訳が書いていない。

これでは営業CFを載せていてもさして意味はない。きちんと内訳を示すべし。

対計画進捗度は売上が25.2%、営業利益が30.4%と順調な消化具合。

現状のペースを維持すれば、目標達成は固いでしょう。

 

各指標

以下のパラメタを入力して各指標を算出する。

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 会社業績予想 185,500
有利子負債 当決算期末残高 211,330
純資産 当決算期末残高 749,062
当期純利益 会社業績予想 122,000
総資産 当決算期末残高 1,442,995
発行済み株式数 当決算期末残高 1,695.960
支払利息 会社業績予想 12
減価償却費 会社業績予想 58,120
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 72
BPS 純資産÷発行済み株式数 442
株価 前日終値 2,199
予想配当金額 決算短信 22
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 37,311.121
時価総額 株価×発行済み株式数 3,729,416

 

総資産が1.4兆円で、純資産が7,500億円。自己資本比率は、53.5%

時価総額は3.7兆円。なんだかんだ言って超巨大企業であるリクルート。

各指標の算出結果は以下の通り。

各指標
ROE 自己資本利益率 16.29%
ROA 総資本利益率 8.45%
PER 株価収益率 30.57
PBR 株価純資産倍率 4.98
ROIC 投下資本利益率 12.43%
WACC 加重平均資本コスト 3.89%
EBITDA 減価償却前営業利益 243,620
FCF Free cash Flow 152,307
予想利回り 1.00%
配当性向 30.58%

 

ROE,ROAのスコア、高い。バランスもいい。青山財産ネットワークスhttp://tamojun51.com/archives/1125などの方が若干良いが。それでもこの図体で、これだけROEとROAを実現できるのは素直にすごいと言えるでしょう。

よってPERとPBRは割高。知名度も高いし、割高なのは当然の帰結でしょう。

ROIC>WACC,ROICのスコアもいい。10%を超えている企業を久しぶりに見ました。正直、営業利益率が10%前後程度で、自己資本比率が50%超えているにもかかわらず、ROICが12.43%とは驚きですね。のれんと無形固定資産合わせて、5,500億円くらいありますが、有形固定資産を保有しなければできない仕事ではないのが奏功しているのでしょうか。

EBITDA,FCFも余裕ある。1,500~2,000億円くらいの投資余力があります。全体最適を考えると話題のWantedlyとか買収しても面白いんじゃないのかな。素人考えでしょうか。

利回りは低いが、配当性向はなかなか高い。30%超えは立派。

東海旅客鉄道http://tamojun51.com/archives/1155という、大した経営センスがあるわけでもないのに、資本集約型で規制ビジネスでしこたま儲けているにも関わらず、配当性向がたったの8%という超ドケチ企業に比べればかなりマシです。あるのは政治力だけ。

東海旅客鉄道のような半官半民組織はとても無駄が多い。それが新幹線の利用料金になって、利用者の負担へと転化されている。

こんな会社はいっそ国営に戻してしまった方が社会のためなのではないかと考えています。まあどっちもどっちなのですが。これだけ巨大な資本集約型の企業だと、競合と言っても参入できるわけもないので、濡れ手に粟の大儲け。資本主義社会においてあまりいい企業とは言えないと思いますね。

 

理論株価

理論株価は(妥当PER×妥当EPS)で算出。
妥当PERは直近の業界平均PER.
妥当EPSは当社業績予測における当期純利益を当四半期末時点の発行済み株式数で除して求める。

サービス業の直近の平均PERは25.5倍。EPSは上記で計算したとおり、72円です。

これを乗じると、

理論株価
業界PER*EPS 1,834.36 業界PERは日本取引所HP(http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html)より

 

現在の株価が2,180円なので、割高ですね。

ただ1Qの成績を見ると、当期純利益はまだまだ伸びそうですから、EPSはもっと高く見積もってもいいのかなとは思いますが。

ROE,ROA,ROICがとてもいいですし、財務的にも安定感が強いので、数字だけ見ると大変良い企業。

しかしそれは投資家視点からという話です。

実際リテールの利用者としての使い心地につき苦言を呈します。

就職・転職サイトとして、盤石なプラットフォームを築いているからでしょうか、大変に不遜なキャリアコンサルタントが多いと思います。

【就職活動の謎】なぜ書類を紙で持参しなければならないか。

とある失礼な企業に面接に行った時の話

サービス料金としてマージンを払うのは企業ですし、リテールはそれにただ乗りしている状態ですので、企業に神経を使うのは分かりますが、リテールの求職者だって立派な飯のタネでしょう。

粗略に扱っていいという話にはならないはず。

しかし、最近のリクルート社の対応などを受けていると、大変に尊大で、リテールを軽く扱う意識が感じられますので、ここに記します。

それに、このままリクルートが就職プラットフォームを強固にしていっても大丈夫だろうか、という危惧もあります。

今、日本で就職活動をしようと思ったら、リクルートを避けては通れません。それだけのプラットフォームを組成した努力は賞賛されるべきですが、それがリテールのサービスレベルを押し下げる、いわば大企業病、官僚化を招いているとすれば、これは由々しき事態と言わねばならないでしょう。

今やこれだけ、就職活動業界を席巻してしまっている状況で、競合に期待するのは苦しいものがありますが、リクルートはこのままだと就職業界の電通みたいになってしまうのではないでしょうか。

東海旅客鉄道も電通もリクルートも、企業が肥大化すると、その分、根元から腐敗してきます。

私は消費者や投資家、従業員ももう企業の言いなりにならないで、おかしい事はおかしい、ダメなモノはダメ、と上司だろうが、経営者だろうが、大企業だろうが、堂々と発言する胆力を養うべきだと思います。

後輩や同僚など、強く言いやすい自分より弱い者にだけ強いなんてとてもダサい事です。

貧しくとも辛くとも、弱きを助け、強きをくじく人間でありたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です