【トヨタ】2017.6(1Q決算)

今更ですが、トヨタ第一四半期決算。

4輪自動車では、世界でもトップクラス。ただし自動運転、電気自動車などで他国vehicle companyの猛烈な追い上げを受けている印象。トップの座を維持できるのか。

国内シェア4割超。日野、ダイハツ傘下。SUBARU、マツダ、スズキとも提携。

言わずと知れた日本が世界に誇るSUPER COMPANYです。

以下定性情報、決算情報は当社決算資料より。単位は特筆なき場合全て百万円とする。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 営業CF
当決算① 7,047,606 574,294 1,072,365
前決算② 6,589,113 642,230 1,178,213
業績予想③ 28,500,000 1,850,000
①-② 458,493 △ 67,936 △ 105,848
成長率 7.0% -10.6% -9.0%
③-① 21,452,394 1,275,706
進捗率 24.7% 31.0%

 

対前四半期増収(+458,493、+7.0%)、減益(△67,936、△10.6%)

売上は伸びたが、営業利益は減少。理由はほとんど原価。

前四半期の原価率が81.4%、当四半期の原価が82.7%と原価率が1.3ポイント増大。

たった1.3ポイントですが、何と言っても世界のトヨタの原価ですから絶大なインパクトがある。

増収を飲み込み、対前四半期で△10.6%も減益させてしまうほどです。

営業利益率は前期が9.7%で当四半期が8.1%で△1.6ポイント。トヨタの営業利益率が1.6ポイントも減ると言う事がどれほど数字的にでかいかという事です。

営業CFは対前四半期比で△105,848、△9.0%。営業利益の減少と足並みを合わせている。

対計画進捗率は、売上が24.7%、営業利益が31.0%

増収したはずの売上が若干ショートしているのに対して、減益した営業利益は大幅に達成している。

トヨタは業績予測をかなり保守的に見積もっていたのでしょう。業績予測における営業利益率は6.5%ですから。

それだけ世界の市況における競争が激化しているという事なのでしょうか。

しかしこの調子を継続すれば、営業利益の目標達成はかなり固いのではないかとお見受けします。

 

各指標

以下パラメタを入力して各指標を算出。

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 会社業績予想 1,850,000
有利子負債 当決算期末残高 19,577,583
純資産 当決算期末残高 19,023,803
当期純利益 会社業績予想 1,750,000
総資産 当決算期末残高 49,456,031
発行済み株式数 当決算期末残高 3,262.997
支払利息 会社業績予想 17,552
減価償却費 会社業績予想 1,602,472
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 536
BPS 純資産÷発行済み株式数 5,830
株価 前日終値 6,182
予想配当金額 決算短信 200
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 652,599.498
時価総額 株価×発行済み株式数 20,171,850

 

純資産が20兆円弱。総資産が50兆円弱。自己資本比率はおよそ40%

時価総額が20兆円超。予想配当総額が6,500億円。押しも押されもせぬ、超巨大企業です。

以下各指標。

各指標
ROE 自己資本利益率 9.20%
ROA 総資本利益率 3.54%
PER 株価収益率 11.53
PBR 株価純資産倍率 1.06
ROIC 投下資本利益率 3.08%
WACC 加重平均資本コスト 1.72%
EBITDA 減価償却前営業利益 3,452,472
FCF Free cash Flow 2,123,112
予想利回り 3.24%
配当性向 37.29%

 

ROE,ROAそれぞれ良いスコアです。しかしトヨタというビッグネームを考えると少し物足りない。特にROA.ただアセットの金額が大きいのでそれもやむを得ない面はある。ROEが10%超えると見栄えはいい。

PER,PBRも割安です。この割安放置の理由としては、もう既に大きくなり切っていて、これ以上の大幅スケールは望みにくいというのがあるでしょう。ただ安定性は抜群ですから、銀行預貯金などしているくらいなら、日本の誇る巨大企業を応援してあげるのが本当の保守ではないかと思います。

ROIC>WACC,上記した理由によりROICも決して高くはないです。これだけ大きくなって、市場も飽和し、苛烈な競争に身をさらしていると、ここに利益を積め、というのは少し無理な要求に思えます。それでもトヨタにはリーディングカンパニーとして頑張ってもらわないといけないのですが。

EBITDA,FCF共に、潤沢な資金がある。カネはありますから。2~3兆円は投資余力がある。これで自動運転や電気自動車の開発を先駆けて、海外企業と渡り合って欲しいものです。

利回り高い。株を保有するだけでインカムゲインが3%保証されるというのは大きいでしょう。この低金利時代ですから。銀行に預貯金をデッドストックしておくくらいならば、トヨタに有効活用してもらいましょう。特にタンス預金とかバカな事している富裕シニアは、今まで日本を支えてくれたトヨタに恩返しをしたらいいのではないでしょうかね。

配当性向も40%目前。この規模でこの配当性向はすごい。心底からトヨタはえらいと思います。

比べるのも、トヨタに失礼ですが、東海旅客鉄道http://tamojun51.com/archives/1155という会社の配当性向はたったの8%。ある意味驚愕します。

東海旅客鉄道と言えば、ほとんど役所みたいな組織。つまり資本集約型の規制ビジネスで特筆すべき競合もいない状況で、荒稼ぎしている企業ですが、それに対して投資家に報いる、という気はさらさらなさそうです。

経営者は誰も望んでいないサーヴィスを展開したり、政治活動に明け暮れています。グループ企業にとっては頼もしい経営者でしょうが、これは如実に資本主義の敵でしょう。

東海旅客鉄道なんかのクソ株を買うくらいならば、トヨタの株を買った方が、資本主義的にも倫理的にも絶対マシ、これは断言できるでしょう。

 

理論株価

理論株価は(妥当PER×妥当EPS)で算出。
妥当PERは直近の業界平均PER.
妥当EPSは当社業績予測における当期純利益を当四半期末時点の発行済み株式数で除して求める。

直近の輸送用機器の業界平均PERは21.7倍。トヨタのEPSは上記した通り、536円なので、理論株価は、

理論株価
業界PER*EPS 11,638.07 業界PERは日本取引所HP(http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html)より

 

現状はかなり割安と言ってよいのかもしれませんね。

EPSだって利益は上方修正するかもしれません。

当四半期の純利益が613,056ですからこれを単純に4倍すると、2,452,224

これを当四半期末時点の発行済み株式数3262.997492百万株で除すと。

EPS=751.5249417…..

となります。これを21.7倍すると、

16308.09123円が理論株価となり、現状の株価は1/3程度の超割安で放置されている、と言う事もできます。

単純な計算なので、絵に描いた餅と言われればその通りですが、トヨタの株に、日本でデッドストックになっているカネが投資される方が、日本という国の為にはなる事は間違いないでしょう。デッドストックを作っているのは我々若年層ではないのですが。

しかし製造業にも限界みたいなものはある。

いずれ詳述しますが、日本のような人口がどんどん減って、高齢化していく国は中長期的に低成長となります。

低成長になると、資金需要がどんどんなくなるので、低金利状態を保持しなければなりません。

低金利状態を保持される日本国債、つまり円は他の通貨と相対的に、金利が低いため、キャピタルゲイン、つまり通貨の価値は上がって行かないといけないメカニズムの中にあります。

つまり日本という国は宿命的に、円高圧力がかかり続ける国、という事になります。

ご存じの通り、円高になると製造業の輸出産業は外国にモノを売りにくくなって、経常収支は悪化します。

経常収支の悪化とはその主要因が「輸出<輸入」になるという事で、これは、日本が買い物をして、諸外国に日本の通貨や国債がデポジットされる事を意味しています。

これは諸外国が日本に投資しているのと同じ状況です。つまり日本は経常収支で赤字だった分は資本収支において黒字になるという事です。

諸外国から投資を受けているのだから、日本はそのカネで外国からモノを買ったり、あるいは運用しなければなりません。

つまり日本のように成熟しきった飽和国家において、モノを作って売る、という途上国新興国形式の製造産業にいつまでも依存する、というのは果たして国家戦略としては危険極まりないのです。

トヨタのような頑張り屋さんの超優良企業は円高の逆風の中でも成果を上げてみせるのですが、これはマーケットメカニズムといった社会の潮流に逆らう、ちょっと意地を張り過ぎなヴェクトルの頑張りなのです。

日本がモノづくりにプライドを持つのはいいのですが、それにばかり依存すると船頭多くして船山に登るというか、みんなで憤死してしまう事になります。

日本は製造業立国、というプライドを捨てて、虚心坦懐、金融立国を目指さねばならないところまで来ているという事を我々国民ひとりひとりが自覚するべき時でしょう。

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