【東日本旅客鉄道】2017.6(1Q)

鉄道国内最大手。首都圏地盤。

運輸業をテコに不動産賃貸や駅ナカ物販事業など好調。

電子マネーSuica育成。競合らしい競合と言えば、新幹線ならば飛行機や長距離バスなど。

首都圏では私鉄か。しかし競合というよりは共依存。もし私鉄がなくなり、乗客がJRに集中したら供給力がパンクして需要過多による経営危機になる。

そういう意味では、競合はいない。しかし首都圏のJRは人身事故や満員電車の過密などで経営の舵取りはJR東海⇒http://tamojun51.com/archives/1155より格段に難しそうだ。

当社の定性情報、決算情報は決算資料より。数字の単位は特筆なき場合、百万円とする。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 営業CF
当四半期① 711,892 138,601
前四半期② 698,021 132,874
通年計画③ 2,930,000 472,000
①-② 13,871 5,727 0
成長率 2.0% 4.3% #DIV/0!
③-① 2,218,108 333,399
進捗率 24.3% 29.4%

 

対前期比において増収(+13,871、+2.0%)、増益(+5,727、+4.3%)

成長幅もそんなに大きいわけではないが、これだけ飽和していると思われている市況環境から更に少しでも成長できるというのは脅威。

日本全国で見れば、人口減少時代に突入とは言えど、首都圏の人口は増え続け、企業の都心集中はより一層進んでいるわけで当然と言えば当然の帰結か。

営業利益率も19.0%から19.5%へと改善。東海旅客鉄道の40%超えの営業利益率と比較すれば、かわいいものだ。

東海旅客鉄道と比較すれば、格段にこちらの経営の方が難しそうではある。

東海旅客鉄道の経営者の仕事はほとんど政治活動みたいなもんです。既得権益を守るための。

東日本旅客鉄道も許認可型の独立事業なので、似たようなもんではあるし、役所体質だし、融通は利かないし、できれば他の競合や外資にでも乗っ取られればいいのに、と思う事は日々あるが、首都圏の過密ラインを維持するのはそれはそれなりに大変そうなので、東海旅客鉄道ほど嫌悪感はない。

ただいつまでもホームドアを設置しないのは本当に不快。

東日本旅客鉄道は人身事故を防ぐつもりがない。人命をどうでもいいと思っている節すらある。

人命よりもホームドア設置に係る多額の投資を嫌う。人身事故で電車遅延がいくら発生しようがお構いなし。

正直な事を言えば、東も東海もどっちもどっち。クソ大手資本です。

資本集約型の独立許認可型事業を経営しているとみな、これらの会社のように傲慢になってしまうものなのかもしれません。

これだけの大企業にも関わらず営業CFの開示はなし。投資家に対しても不遜な態度。

対計画の進捗度。

売上が24.3%、営業利益が29.4%と営業利益はかなり順調な消化率。

売上が若干ショートして、営業利益が過達というのは東海旅客鉄道と同様ですね。

独立許認可型の競争のないぬるい経営をしていると、自分の会社がいかに利益面で優遇されているか、自分たちでもわからなくなるようです。

セグメント 構成比
運輸業 68%
駅スペース活用 14%
ショッピング・オフィス 9%
その他 9%

 

運輸業の事業構成比が70%弱。東海旅客鉄道は80%弱だったので、それより10ポイントは依存度が低い経営をしている。まあだから利益率も低いとは言えるのかもしれない。

各指標

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 会社業績予想 472,000
有利子負債 当決算期末残高 2,865,734
純資産 当決算期末残高 2,714,354
当期純利益 会社業績予想 286,000
総資産 当決算期末残高 7,684,462
発行済み株式数 当決算期末残高 389.408
支払利息 会社業績予想 65,572
減価償却費 会社業績予想 364,129
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 734
BPS 純資産÷発行済み株式数 6,970
株価 前日終値 10,230
予想配当金額 決算短信 140
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 54,517.106
時価総額 株価×発行済み株式数 3,983,643

 

上記各パラメタを入力して、各経営指標を算出する。その結果、

各指標
ROE 自己資本利益率 10.54%
ROA 総資本利益率 3.72%
PER 株価収益率 13.93
PBR 株価純資産倍率 1.47
ROIC 投下資本利益率 5.44%
WACC 加重平均資本コスト 1.73%
EBITDA 減価償却前営業利益 836,129
FCF Free cash Flow 123,926
予想利回り 1.37%
配当性向 19.06%

 

①ROEとROAについては、ROEはなかなかの好スコア。東海旅客鉄道には遥か及びませんが。つまり東海旅客鉄道ほど、阿漕な運賃は徴収していないという事でしょう。ROAのスコアが悪いのは、不動産他固定資産の金額が大きいからでしょう。都心の一等地をあれだけ保有していれば、なかなか有効活用は難しいでしょう。不動産の資産運用をそもそも鉄道会社がやるべきなんでしょうか。

②PER、PBR共に、割高感はありませんが、割安感もない。中途半端。そもそも今後、この会社が大きくスケールするような未来は描けない。消費者として、「他に選択肢がないから使う交通機関」くらいの思い入れしかない。私は東海と並んで、この会社も嫌いなので、もっと割安になればいいのに、とは思います。

③ROIC>WACC。でもROICは低い。これだけ守られた競合のいない許認可事業でこんなに低いROICは逆に脅威です。ろくにカネも稼げない不採算事業とか、さして優秀でもないのに高給を取っている高齢社員などが多く、それが利益の足を引っ張っているのではないでしょうか。

④EBITDAは大きい。ただFCFの値は利益と比較するとかなり小さい。理由としては投資CFの560,000.何に投資するのか知りませんが、まあカネを市場に放出してくれるのは悪い事ではありません。実質的に東日本旅客鉄道は、国土交通省の出先機関みたいなもんですから、公共事業のような性格の投資でしょう。しかしカネがあるならば、ホームドアを設置して、人命を保護する事にまず使え、とは思います。東日本旅客鉄道の経営者にそんな人道的な要求は、するだけ野暮なのかもしれませんが。

⑤配当性向も低い。クソドケチのJR東海ほどではないですが。

 

理論株価

理論株価は妥当PER×妥当EPSで算出する。

ここで使う妥当PERは直近7月の一部上場企業における陸運業の業界平均PER16.2倍を利用する。

妥当EPSは当社の計画数値の当期純利益を当四半期末時点の発行済み株式数で除した金額734円を用いる。

その結果、

理論株価
業界PER*EPS 11,898.06 業界PERは日本取引所HPより

 

現状において、割安に放置されている、という結果になった。

上記したように、現在当社は計画数値において、利益は超過達成している。

つまり、妥当EPSはもっと高くなる可能性も高い。

すると理論株価はもっと高くても少しも不自然ではないと思われる。

しかし東海旅客鉄道と同様にあまり好きな会社ではない、というかかなり嫌いな会社です。

もしかしたら買ってキャピタルゲインを得られるのかもしれませんが、嫌いな会社に投資してまで小銭が欲しいのか、と自分に問うたら答えはNoでした。

もちろん、大金が稼げるのならば、そこは好き嫌いは辞さずですが、そこまで急激にスケールする会社には思えません。

市場だってプロがシノギを削っているわけで、JR東のこの株価もある意味最適化されていてこの結果なわけですから、手を出してみよう、と思う程食指は伸びない。

激甚災害でレールインフラなどが破壊されない限り、安泰な会社だとは思うので、安全運用しつつインカムゲインやキャピタルゲインを狙う人には良い株なのかもしれません。

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