【東海旅客鉄道】2017.6(1Q決算)

ドル箱、東海道新幹線。そして在来線12路線を有する巨大資本集約型企業。

鉄道マネーをテコに流通業や不動産業。果ては広告代理業、出版業まで進出。

正直、消費者として、また投資家としても、多角化はいいけど、無駄な不採算事業は止めて、新幹線サーヴィスの顧客満足度向上を目指して欲しいと思っているのが世論の偽らざる本音でしょう。

新幹線に求められているのはまず第一に安全安心である。だから現業に何よりリソースを割くべき。

交通広告などは専門の広告代理店にでもアウトソースするべきだし、出版業などはもっての外でしょう。

独立許認可型で資本集約型企業が、濡れ手に粟の新幹線マネーを不当にクラウディングアウトしている典型例です。

そんな不採算で、社会が少しも求めていないサーヴィスを展開するくらいならば、新幹線の料金を下げてくれ、というのが真に自由民主的な利用者の声なのです。

過剰サーヴィスならまだいいのですが、間違った方向にひた走るサーヴィスは救えません。

不採算、不人気事業は今すぐにカットして、そのリソースを社会に還元するべきだと思う企業の第一人者です。

過去記事⇒http://tamojun51.com/archives/893

そんな当社の定性情報、決算情報は当社決算資料より。単位は特筆なき場合、全て百万円とする。

 

経営成績

経営成績 売上 営業利益 営業CF
当四半期① 437,224 182,129
前四半期② 423,197 166,200
通年計画③ 1,760,000 583,000
①-② 14,027 15,929 0
成長率 3.3% 9.6% #DIV/0!
③-① 1,322,776 400,871
進捗率 24.8% 31.2%

 

対前四半期増収(+14,027、+3.3%)、増益(+15,929、+9.6%)

とりわけ利益の伸びが凄い。+9.6%

営業利益率も前期の39.3%から41.7%へとなんと未だに2.4ポイントも改善している。

これは企業努力でも何でもなく、ただ単に利用料金がバカ高いだけですね。

競合がいないと思っていいですから。名古屋・京都・新大阪に行くのはやはりまだまだ新幹線が主流でしょう。

経営能力が高いのではなく、競争原理が働かないのですから、そりゃ儲かるでしょうという話。

だから広告代理業とか出版業とかみたいな遊び・おままごとにリソースを割いていられるのです。

そんな事する余裕があるならば、利用料金を下げてくれよ、と消費者はみんな思っています。

でも資本主義の競争原理が働かないのですから、そんな消費者の声に耳を傾ける必要などありません。

それが超巨大資本集約型の独立許認可事業の強みなのですから。いい加減にうんざりしますが、これだけ動かしがたい既得権益にはどうあっても対抗しえない。

格安航空とか自動運転がもっと主流になって、シェアを大胆に奪い、赤字になればいいのになあ、と夢見ています。

また当社の営業CFはなんと四半期決算短信には記載なし。

これだけの巨大資本がなぜCF計算書類の記載を省くのか。その投資家他、ステークホルダーへの不誠実・不作為には怒りを通り越して、既に絶望するしかないという心境です。

対計画進捗度は売上が24.8%、営業利益が31.2%でかなり順調な消化です。

そりゃあれだけ運賃が高くて競合もほとんどいないのだから、当然と言えば当然の結果です。称賛には値しないでしょう。

事業構成比は以下の通り。

セグメント 構成比
運輸業 78%
流通業 13%
不動産業 2%
その他 7%

各指標

以下のパラメタを入力し、各指標を算出します。

項目 情報ソース パラメタ
営業利益 会社業績予想 583,000
有利子負債 当決算期末残高 3,601,178
純資産 当決算期末残高 2,840,543
当期純利益 会社業績予想 348,000
総資産 当決算期末残高 7,807,338
発行済み株式数 当決算期末残高 206.000
支払利息 会社業績予想 34,908
減価償却費 会社業績予想 225,380
EPS 当期純利益÷発行済み株式数 1,689
BPS 純資産÷発行済み株式数 13,789
株価 前日終値 18,215
予想配当金額 決算短信 140
予想配当総額 1株当り配当×発行済み株式数 28,840.000
時価総額 株価×発行済み株式数 3,752,290

 

その結果。

各指標
ROE 自己資本利益率 12.25%
ROA 総資本利益率 4.46%
PER 株価収益率 10.78
PBR 株価純資産倍率 1.32
ROIC 投下資本利益率 5.82%
WACC 加重平均資本コスト 0.80%
EBITDA 減価償却前営業利益 808,380
FCF Free cash Flow -1,317,119
予想利回り 0.77%
配当性向 8.29%

 

①ROEとROAがかなりいいスコア。競合がほぼいないので、料金がとてつもなく高く留め置かれ、利益率が40%を超えているのだから当然と言えば当然です。

②PERとPBR。PERについては業界平均よりはかなり割安に留め置かれている。それと言うのも後述するが、配当措置など、投資家軽視の姿勢によるのだろう。ステイクホルダーの中でもとりわけ投資家は軽視している会社であるように思う。

③ROIC>WACC。3.6兆円もの巨額の有利子負債を抱えている割にはWACCが小さい。後述するがそれはなぜかと言うと配当がとてつもなく渋い、つまり投資家を軽視している姿勢から来ているのだ。

④EBITDAがかなり高いのに対して、FCFは大きなマイナス。これは何故かというと、大きくはリニアモーターカーへの投資でカネがかかっているからだろう。投資をして準公共事業的に仕事とカネを吐き出すのは悪い事ではない。リニアって儲かるのかどうかは知りませんけど。

⑤利回りと配当性向がとてつもなく低い。配当性向8.29%、資本主義として自由主義経済のシステムの中にあって恥ずかしくないのかなというスコア。投資家にカネなどくれてやる必要はないのです。折角政治力で儲けを独占しているのに、なぜ投資家などに還元しなければいけないのか、という考え方なのでしょう。

 

理論株価

新幹線が出来てから、死亡事故が1件もないというのは本当に素晴らしい。これは賞賛せざるを得ない。

ただそれは現業の人たちの努力の賜物だったりする。しかしそんな現業の純粋な労働者の人たちも、東海旅客鉄道という封建主義・社会主義的環境の中に埋没するといつの間にか目を濁らせ、腐って行ってしまう。

根っこが経営者が腐っているから。まだ毒されていない現業の人たちの自浄作用によって、何とか新幹線の良心は首の皮一枚つながっているのだと思う。

理論株価は妥当PERと妥当EPSをかけて算出している。妥当PERは直近7月の1部上場企業における陸運業の業界PERを日本取引所HPより引用している。

妥当EPSは当社の計画数値における当期純利益を当四半期末時点の発行済み株式数で除して計算している。

その結果は、

理論株価
業界PER*EPS 27,366.99 業界PERは日本取引所HPより

 

現状の株価は18,215円くらいに留め置かれているので、かなり割安で放置されているという見方もできます。

純利益も、このままのペースで積み上げれば、上方修正という事もあり得るので、理論株価はもっと跳ねてもいいようにも思います。

しかし前述したように、当社の投資家軽視は甚だしい。配当性向が10%未満というのはあまり見たことがありません。

儲かっていない企業が配当を出さないのは分かりますが、儲かっている企業が配当を渋るというのはやはりどう考えても、東海旅客鉄道一族さえ利すればいい、という考え方が根底にあるように思えてなりません。

例えキャピタルゲインで多少儲かるとわかっていても、個人的感情的には、買いたくない会社の急先鋒です。

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