裁量労働制の拡大こそがイノヴェイションの源泉となりうる

今朝の日経新聞の記事。

「トヨタ、裁量労働を実質拡大 一定の残業代保証」

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01I3O_R00C17A8MM8000/

トヨタ自動車は自由な働き方を認める裁量労働の対象を広げる方針を決めた。法律が定める裁量労働制の業務よりも幅広い事務職や技術職の係長クラスを対象とする新制度案を労働組合に提示。残業時間に関係なく毎月45時間分の手当を支給するほか月45時間を超えた分の残業代も支払う。政府で議論が進む「脱時間給」の要素を現行法の枠内で先取りする。

従来までは、裁量労働的な働き方が許されてこなかった、事務職や技術職にも、自由裁量の幅を持たせていく方針なんだそうです。

さすがはトヨタ、と感服しました。

だって、そもそも事務職とか技術職が、特定の時間に、特定の場所に、雁首揃える理由ってあると思いますか?

例えば、生産ラインが決まっている、ブルーカラー労働者なら、一定の時間拘束するという働かせ方が合理的に作用するのかもしれませんが、事務職や技術職にその働かせ方を準用するのは制度上、不合理だと私は思います。

特に経理職なんかは、現状忙しいのは月末月初です。逆に言えば、月中とかは暇。

ならば、月中はバカンスにでも行って、月末月初のハードワークに備える、英気を養うというのは大変に合理的だし、人間的だと思う。

と、そういう風にシンプルに考えればいいものを、ここで頭でっかちのコンサルとかは、

やれ「これは裁量労働制ではない」だの、やれ「脱時間給ではない」だの、やれ「新しい手法ではない」だの、小賢しい事をのたまう。

企業に巣食うコンサルはそうやって、外野の安全圏から、石を投げるような事しかしない。だから尊敬されないのだ。

今回、この取組がわざわざニュースになったのは、一般職にも裁量労働的な制度が導入されそうだと言う事だ。

これまでは専門的な職種に限定されてきた裁量労働制が、一般職にも拡大されるという事には大きな意義がある。

これを「新しい取組ではない」などとさも知ったげによく言えるものだ。

そういう大口は、生き馬の目を抜く、トヨタの経営者にでもなってからほざけ、と思う。

リスクも取らずに、小賢しい事を言っていればカネが貰えるなんて、本当にいい仕事だ。

 

既存の時間給の問題点

既存の時間給の問題点は、例えば朝9時に会社に来なくてはいけない、という堅苦しい、社会主義的な、上意下達の運用にある。

これは私が思うに、ヤクザの管理方法と一緒である。

ヤクザになるタイプの人間は反社会的組織と言われるだけあって、社会性がない。

すぐに喧嘩して警察に御用となったり、無軌道に犯罪行為に走ったりする。

そんな、危なっかしい人間を管理するのに、上意下達、というのはなかなか都合がいいのだ。

つまり親は絶対、兄貴分は絶対。上が白と言ったらカラスでも黒と思え、思えなければ主に暴力で制裁。

そういう組織で飼われていると、上には服従しなくてはいけないと思わされてくる。

こういう管理をする事で、無軌道で粗野な若者を統率し、暴力やアングラシノギでダーティビジネスをモノにしているのが反社会的組織なのである。

このような、一種暴力を競争力の源泉とするような、ヤクザ組織においては、特に技術革新やイノヴェイションなどは必要がない事から、上意下達が最上のマネジメント手法なわけだが、トヨタをはじめとした企業はそうはいかない。

企業というのは、トヨタなら、グーグルや中国企業などと渡り合わねばならない。そのためにはイノヴェイションが必要不可欠。

だから上に従順なだけの上意下達人間ばかりで、上から仕事を与えられないと機能しないような組織では初めから闘いにもならないのである。

つまり上意下達の時間給制度というのは、ヤクザのような思考能力を必要としない、反社においてこそ必要な制度であって、頭脳労働が主な、企業活動にはむしろ、イノヴェイションの阻害要因でしかないのではないかと私は思うのである。

 

だから裁量労働制をスタンダードにしていくべき

だから日本の企業は、そろそろこのトヨタのように、上意下達の社会主義的統制環境から脱しなければならない。

海外のイノヴェイティヴな企業と闘うためである。

つまり簡単に言うと、

「ダメな人間は徹底的に管理する必要があるけど、優秀な人間はほっとけばいい」

こういう事だと思う。

優秀な人間をどう定義するかという問題もあろうが、簡単に言うなら、コスパのいい人間だ。

営業だったら人件費の何十倍も稼いでくれる人間。事務職なら、管理方の業務を短時間で手早く終わらせてくれる人間など。

こういう人材は時間給にそぐわない。さっさと上長の管理から解放して、自由闊達に仕事をさせてあげるべきである。

そうして優秀な人間が自由闊達に動いてこそ、イノヴェイションが起きる土壌が生成されうる。

自由に楽しく仕事をするのが理想だ。

 

まとめ

記事にはこうも書かれている。

対象は事務や研究開発に携わる主に30代の係長クラス(主任級)の総合職約7800人。非管理職全体の半数で新人など若手社員は除く。本人が申請し会社が承認する。トヨタは既に裁量労働制を導入しているが、主任級では約1700人にとどまっていた。

主に30代のミレニアル世代が今般の制度改革の対象だ。

私はこの世代は、ドラクエ、FF世代だと思っている。

子供の頃から、それらRPGを好んでプレイして育ってきた世代だ。

仕事を自由裁量でやる、というのはつまり、時間を気にせずできる、という事と同義でもあろう。

仕事を楽しんでやれる、つまりゲームのようにハマり込んでのめり込んでやれたら、その人の仕事へのコミットメントはかなり凄まじいと予想する。

そしてそんなコミットメントが凄まじい人間が多い組織が絶対に強いだろう。

そんな靱性の高い、組織を構成していくためにも、この裁量労働制化の動きというのは歓迎すべき動きであろうと考えている。

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