一刻も早く贈与税を廃止し、富の再分配を

昨日の東洋経済オンラインの記事。

「賃貸住宅市場が危ない」、日銀が異例の警鐘

この記事に出てくる野村総合研究所の試算によると、住宅供給戸数は以下の通り激減するのだそう。

2016年度 97万戸

2030年度 55万戸

中でも貸家は43万戸⇒25万戸に急減するのだと言う。

加えて2033年は空き家数が約2166万戸にものぼり、空き家率は脅威の3割超になるという。

なぜここまで供給過剰になってしまったのか。大きな理由は、2015年1月に改正された「相続税」にあるという。

相続税と住宅の過剰供給の間にどんな関係があるのか。

相続税で、一番税金を持っていかれるのはどういうケースが考えられるかと言うと、相続資産をキャッシュで持っていた場合です。

この場合、そのキャッシュに対して税率を乗じるので、税率分丸々、国に召し上げられてしまう。

だから資産家という手合いは、相続税負担を減らすために(そもそも相続税が発生している時は、自分が死んでいる時なので、何を頑なにカネを守ろうとしているのか大いに疑問ではあるのですが。カネは墓場にまでは持っていけないという理屈がわからない資産家も多い)キャッシュを現物資産や不動産に替えるのです。

とりわけ、数億円規模以上のキャッシュを持っていたら、いくら高価な貴金属を買っても知れていますので、そういうカネは不動産に流れ込む事になります。

そして不動産で一番価値があるのは更地なのです。つまりウワモノが何も建っていない状態。

なぜならウワモノが建っていない土地は、開発しやすいからです。取り壊し費用がかかりませんから。

それゆえに、土地をキャッシュで買った資産家、あるいは、元々土地のオーナーだった資産家は、そこにかかる相続税負担を極小化するために、土地の上にウワモノを建てだすのです。

特に賃貸物件を建てるとお得。(入居率100%の場合)

・土地の評価額が貸家建付地評価で1~2割減

・建物の評価額も借家権割合が差し引かれ3割減

・「小規模宅地の評価減の特例」を使えばより評価減ができる。

この不動産の評価減については、規定がとてつもなく複雑なので、興味のある方は勉強すればいいと思いますが、とにかく、相続税を節税したいならば、賃貸不動産を所有するべし、というのが現状の相続税法なわけです。

つまり現状の空き家の社会問題は既存の相続税法が作り上げてしまった問題と言っても過言ではない、という状況なのです。

 

こんな複雑な税制に意味ある??

相続税法については、こんなバカみたいに複雑にして、一体誰が得するのでしょうか。

せいぜい税務署とか、税理士が得する法規制です。

こんな複雑な税制はきっぱりすっぱりやめた方がいいと大変に強く思っています。

なので私は、「相続税100%」を強く主張します。

これはシンプル。とにかく、被相続人(鬼籍に入った人)が死んだとたんに、その人の所有のカネ、現物資産、不動産、有価証券等々、とにかくありとあらゆる相続資産は国に召し上げられます。

何割評価減するとかそんな複雑なややこしい税制はもう全部なくします。

しかしそれだけだと、まるで税務署が故人の資産をハイエナのように漁りに来るので、大変社会主義的で気持ち悪いです。

ですから、「相続税100%」の抱き合わせとして、「贈与税の完全撤廃」も行います。

これをするとどうなるか。

過去記事の中でも書いてありますが、普通、死んだら全ての財産を没収されて、贈与する場合、一切税金がかからないならば、日本のシニアだってよほどリテラシーのない気のふれた守銭奴を除いて、みんな、財産を生前贈与しますよ。

これは説明不要でしょう。相続税を少しでも節約するために、借金までして、賃貸不動産を作る資産家が、より簡単で、借金などのリスクを負う必要もない、生前贈与を選択しないわけがないでしょう。

つまり、富の再分配が進むわけです。富裕層のシニアから、貧乏な現役世代にカネが流れ込みます。

経済の成長力は上がるでしょうし、また、空き家の社会問題を引き起こした、住宅の過剰供給もすぐ是正されるはずです。

それがマーケットメカニズムですから。

このマーケットメカニズムによる、適切な資産配分を阻んでいるのが畢竟、現状の筋の悪い資産税(相続税と贈与税)なのです。

バカみたいに規定だけ複雑にして、経済にダメージを与えているという事が財務省や国税庁の役人はまだわからないのかな、と、やはりお勉強ができるだけではダメなんだな、と思わされます。

 

「相続税100%・贈与税完全撤廃」

この「相続税100%・贈与税完全撤廃」政策は我ながら、かなり良い税制改革だと思っているのですが、何か問題点があれば、理論的なご指摘をいつでもお受けしたいと切望しております。

例えば、自分で思いついた問題点ですと、その被相続人に生前贈与するような親族が全くいない場合どうするか、というような問題もあろうかとは思います。

自分で問題提起しておいてなんですが、そもそも親族がいないのならば、別に資産を国に没収されても、死んだあとの事なんて、別に気にしなくてもいいのではないか、と思うのですが。

それでも、国に没収されるくらいならば、資産を残したくない、というお考えをお持ちならば、成年後見人制度を利用すればいかがでしょうか。

加えて、その人に、死んだあとの財産の処遇について、事細かに遺書か何かで指示すればいいと思います。

児童福祉施設に寄付するのもいいと思いますし、好きなプロ野球チームに寄付するんでもいいでしょう。

みな喜んで、故人の事を英雄として祀り立てると思います。銅像とかを作ってくれるかもしれません。

そんな風に、最後、みんなに喜んでもらえるように死んで行けたら大変徳が高いと思いませんか。

幾ばくかのカネを守る事だけに汲々として、守銭奴として忌み嫌われて死んでいくより、よほどいい死に方だと思うのですが。

繰り返しますが、死後の世界に、カネを持っていくことはできないのです。

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