【大手銀行3社】財務分析

三菱UFJFGと三井住友FGとみずほFGの財務比較分析。

各社ごとの分析はそれぞれ過去記事を参照していただきたい。

・三菱UFJFG

http://tamojun51.com/archives/985

・三井住友FG

http://tamojun51.com/archives/987

・みずほFG

http://tamojun51.com/archives/989

以下各社決算資料より。単位は特筆なき場合全て百万円。

 

2017.3月期決算

三菱UFJFG 三井住友FG みずほFG
経常収益 5,979,568 5,133,245 3,292,900
純利益 926,440 706,519 603,544
利益率 15.5% 13.8% 18.3%
ROE 6.0% 7.6% 7.2%
ROA 0.3% 0.4% 0.3%

こうして見ると、銀行という業態は、ROEが高くないですが、それ以上にROAが極端に低いですね。

これは何故なのか。

財務数値 三菱UFJFG 三井住友FG みずほFG
経常収益 5,979,568 5,133,245 3,292,900
 1.資金運用収益 2,888,134 1,912,027 1,445,555
48.3% 37.2% 43.9%
 2.役務取引収益 1,531,974 1,583,316 752,982
25.6% 30.8% 22.9%
 3.その他 1,559,460 1,637,902 1,094,363
26.1% 31.9% 33.2%

銀行の収益の柱、資金運用収益と役務取引収益、それ以外を並べてみる。

すると少し各銀行に個性が見えてくる。特に三井住友FG。他行と比べ、役務収益の割合が大きい。

これは投信や保険などを売って稼いでいるという事なのだろうが、資金を集めて、それを企業やリテールに貸出、その金利差で稼ぐという従来の銀行業務からの脱却を図っている事が数字からわかる。

そういう意味で言えば、三菱UFJFGの資金運用収益は48.3%とかなり依存度が高い。

旧来のビジネスに固執せざるを得ない台所事情なのではないかと勘繰る。役務取引だっていい商売とは思っていないのだが。

財務数値 三菱UFJFG 三井住友FG みずほFG
経常費用 4,618,801 4,127,389 2,555,387
 1.資金調達費用 863,677 553,394 577,737
18.7% 13.4% 22.6%
 2.役務取引等費用 203,484 1,275,747 149,439
4.4% 30.9% 5.8%
 3.営業経費 2,663,503 1,812,433 1,467,221
57.7% 43.9% 57.4%
 4.貸倒引当金繰入 30,342 75,915 61,557
0.7% 1.8% 2.4%
 5.その他 857,795 409,900 299,433
18.6% 9.9% 11.7%

お次に経常費用の内訳を見てみる。

各社経常収益では、資金運用収益が大きな割合を占めていたが、その原価であるところの経常費用における資金調達費用は各行とも軒並み、それほど高くはない。

マイナス金利とは言えども、金利商売がまだまだ美味しいという事を数的、端的に証明しているように見える。

また三井住友FGを見ると、役務取引等費用が突出している。30.9%

他行との差別化を図るために、役務取引収益の拡大に血道を上げている当行ではあるが、かなりこの事業にリソースを割いているのだろう。あまり利益率は良くないようだ。

なんだかんだ言っても、三井住友FGも金利商売に依存している事がよく分かる。

そして各行とも経常費用に占める割合で大きいのがこの営業費用。

普通の会社で言うところの販売費及び一般管理費であろうか。

三菱UFJFGは57.7%、みずほFGも57.4%、かなり大きなウェートを占めている。

これは店舗の家賃や管理費、減価償却やシステム費用であろうが、何よりも大きな内訳を占めるのは、人件費割合だろう。(決算資料では人件費割合が分からなかったが)

つまり銀行のROAがなぜあれほどまでに極端に低いか、というと、大したパフォーマンスも上げていないにも関わらず、高給を取っている役員や社員が多すぎるのが一番の原因ではなかろうか。

人件費を抑制すれば、銀行というのはもっととんでもない利益が出る商売なのではないだろうか。

 

2018.3月期計画数値

三菱UFJFG 三井住友FG みずほFG
経常収益 6,000,000 5,100,000 3,300,000
純利益 950,000 630,000 550,000
利益率 15.8% 12.4% 16.7%
ROE 6.2% 6.5% 6.5%
ROA 0.3% 0.3% 0.3%

進行年度の計画数値。各行とも、微増収あるいは微減収。減益見込みも大きい。

かなり保守的。銀行という組織をよく表している。冒険はしない。それでも稼げる。

ROAも低いまま放置。減収減益でも、人件費の抑制は考えもしない。

株主や利用者は二の次、三の次、自分たちさえ良ければいい、という集団に見えますね。

公務員や銀行員になりたい若者が今でも大勢を占めているという報道によく接しますが、そんな日本でいいのでしょうか。少し心配になります。

日本はやはり社会主義国で封建主義がまかり通っているのだなあと改めて感じる数値でした。

 

各指標

三菱UFJFG 三井住友FG みずほFG
予想PER 10.81倍 9.64倍 9.26倍
予想EPS 67.7 445.4 21.7
実績PBR 0.64倍 0.62倍 0.6倍
実績BPS 1,137.78 6,901.67 335.96
配当利回り 2.46% 3.73% 3.73%
時価総額(億円) 98,884 57,141 49,503

PERはどこも10倍前後。PBRも1倍を切っています。数字的には過小評価でしょう。

しかし、私はいかに割安でも、銀行株を買いたいと思いません。

上記してきた内容を見れば、私が銀行、それも大手銀行にいい印象を抱いていない事は明らかでしょう。

銀行の本来業務とは、資金調達をして、それを企業や個人などに貸し出して、その金利差で稼ぐというものです。

それは資金面において、会社の事業を応援してあげる事だとか、個人の人生を応援してあげる、というとても有機的で温かみがあり、素敵な事業なはずですが、既存の銀行がやっているのは、相保証を取ったり、担保を取ったり、貸し剥がしをしたり、と言った、自行の利益を最優先する事でしかありません。

もちろん銀行とて営利事業ですから、ポンポン危険な取引先にカネを貸して、不良債権を作っていては仕方ないのですが、私が気に入らないのは、彼らが自行の利益だけを優先して、顧客の事なぞどうでもよいと思っているその社会的な姿勢や態度なのです。

そこには顧客目線がひとつも存在しません。普通そんな商売をしていたら、市場に見放されてすぐスピンナウトさせられてしまうところを、銀行という既得権商売によって正当化しているのです。

例えば昨今の手数料のバカ高い投信や保険販売などもそう。

情報弱者に、上手くそれらの粗悪な金融商品を売りつけて、自行の利益だけを追求している、いわば焼き畑農業です。

いくら割安株だからと言って、こんな銀行に投資をしようという気にはさらさらなりません。

フィンテックやビットコインなどのデジタル通貨の普及などによって、駆逐されたらいい、とすら思っています。

つまり割安で放置されている背景には、私のように、銀行をよく思っていない層や、将来性がないと感じている層が一定数いる事の証左なのではないでしょうか。

もし私なら、同じ割安なら、商社や自動車に投資した方がよほどいいと考えています。

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